2012年6月 5日 (火)

星はヒカリエ(笑)

本題に入る前に、報告をひとつ。報告といっても極めてプライベートなことである。父親がまた入院してしまった。土曜日の朝に呼吸の調子が悪くなり、ついでに腰を痛め、しばらく様子を見ていたた。私が仕事から帰宅した夕刻くらいから一層苦しくなり、救急車を呼んで病院に運び込んだのだ。幸いに危篤状態だった前2回に較べると軽症のようだが肺炎を併発していて、予断はできない。また、本人にとっても、家族にとっても闘病生活が始まるのだ。この1年、半分は入院生活を強いられた父は気の毒だが、毎日お見舞いに行く私を含めた家族の負担も大変大きい。高齢者社会の辛さは、経験してみないと分からないものだ。

さて、暗い話はこの位にして、本来は明るい話を書きたかった。新橋のミュージックレストランなるものを初体験した。その名は「アルテリーベ」。声楽家がクラシックを中心とした愉しい歌を歌い、客はビアグラスを傾け、時には一緒に歌う・・・・・というドイツ料理のビアレストランである。

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実は、ソプラノ歌手の浪川佳代さんの自称追っかけをやっていて(笑)、先日、同じくミュージックレストランの銀座「ライオン」に続き、ここアルテリーベにやってきたのだ。なぜ、浪川さんの追っかけになったか、自分でも良く分からないのだが、冗談で言っていたら、いつの間にかみなされてしまったらしい。まあ、追っかけでもそうでなくても、余り大差はないのだから良しとしよう(笑)。

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この日はマルガツで歌友のムッシュ一夫、おそらく30年ぶりくらいに再会する中高時代の友人Iさん、そして以前居た会社の後輩かつ歌友のFさんとの4人編成。Iさんはムッシュ一夫とIさんは初対面だが、フェイスブックが引き合わせた不思議なご縁なのだ。歌も会話も弾み本当に愉しかった。

アルテリーベハは、私に言わせると「視聴者参加型レストラン」。歌を一緒に歌うのは当然として、客が舞台に上がっての「ラインダンス」には驚いた。果ては会場全員で縦列を作っての「歌行進」まである。本当にビックリした。銀座「ライオン」はここまではやらない。聞くところによると、ここアルテリーベは過去何回も閉店の憂き目をみたのだが、そのたびにファンの要請で復活、いまは個人のファン数名がスポンサーになる「有限責任事業組合」としてスタートしたのだという。だから、お客さんを愉しませる精神が浸透しているのだろう。

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もちろん、浪川さんの歌も素晴らしい。何が素晴らしいかって?まず、コスチューム(笑)。ドイツ風というか、チロル風というか・・・・コスプレまがいで可愛らしい。いや、コスプレは浪川さん自身が言っていることなので、ここに書いても良いのだ。まったく浪川さんは愉快な人だ。

もちろん歌も忘れてはならない。素晴らしい持ち歌を沢山ご披露してくれた。「ライオン」でも歌ったと思うが、「私のお父さん」。そして、オペラ「トスカ」から、テノールの名アリア「星は光ぬ」と並び、人気絶大のタイトルロールのアリア「歌に生き、恋に生き」の絶唱は見事!

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そうそう、「星は光ぬ」で思い出したが、先週末渋谷「ヒカリエ」を視察した。開業して一ヶ月余り。すこしは落ち着いたかと思い、見に出かけたのだが、まだまだ大変な混みようだった。このヒカリエは「大人の女性のためのショッピング施設」と銘打つだけに、ターゲットを絞り込んだ潔さを感じた。8フロアのうち空いているのはコスメチックの階だけで、あとは大盛況。特に雑貨のフロアは歩くのにも苦労するほどの混みようだ。ショップの一つ一つがなかなかユニークで、見ていて愉しい。

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レストラン街も充実していて、大人の女性のオーガニック志向を反映した店が集められていた。店ごとのスペースの囲いが極力取り払われていてオープンなのも良い。伊勢うどんまであるのには驚いた。地下のスィーツも大人気で、サダハル・アオキのショップは大判マカロン目当ての女性で長蛇の列だ。

私は、友人が勧めてくれた京都「然花抄院」の生成りカステラを買い求めた。

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後で考えたことだが、ヒカリエの前は東急文化会館だった。この屋上には有名な五島プラネタリウムがあったのだ。意外に、ヒカリエのネーミングは「星は光ぬ」から来ているんじゃないかなあ。

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2012年5月14日 (月)

3つの「新世界」を聴く

ここ数ヶ月で3つの「新世界」を聴いた。

ドヴォルザークの交響曲第9番は「新世界」の名前でも有名な超通俗名曲である。新世界をコンサートで聴くなんて、おそらく数十年振りである。立て続けに3回連続というのも極めて異例のことだ。しかし、演奏は三者三様。これがクラシック音楽の愉しいところである。

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一つ目は、3月2日新日本フィルの定期演奏会。そもそも、定演でこんな通俗曲が採り上げられるのは珍しい。定演の演目は、ちょっと奇をてらった通好みの曲が多いのだ。通俗曲はだいたい「なんちゃら名曲コンサート」といった枠で演奏されることが多い。通俗、通俗と連呼しているが、通俗曲=レベルが低いということではない。今回新世界を続けて聴き、やはり素晴らしい名曲だなと感じ入ったのである。

新日フィルの指揮はスピノジ。フランスの中堅指揮者である。演奏は才気煥発というか、何かをやってくれるのではないか・・・と飽きさせない。小柄な身体をフル回転させて、スピード感よく前進する。その新鮮さが心地よいのである。これまでの旧弊にとらわれない解釈というか、そうだからといって奇をてらうことなく、そこには新しいドヴォルザークの音楽が鳴っている。

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二つ目は、翌週の3月9日、大友直人指揮@初台オペラシティホール。実はこのコンサートは一般に公開されたものではなく、大手町にある某大手総合商社主催のプライベートコンサートだったのだ。商社のお取引様や、外国の大使?など、招待客は多士済々。私はコンサートを企画・運営している人物と歌友で、お招きいただけたのだった。

もう一つ、面白いのは、オーケストラが特別なこと。「一夜限りのスペシャルオーケストラ」と銘打った企画で、在京を中心とした11のプロオケのトップ奏者を中心に臨時編成された、なんとも贅沢なオーケストラなのだ。資金的にも大手企業でなくては出来ないイベントだ。

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大友の指揮は、まことにオーソドックスな演奏。我々の期待を裏切らない安堵感と豊かさがある。「新世界」とはこういう演奏で聴きたいと思わせる。実は、先のスピノジの新日本フィルのチェロ奏者がこのコンサートにも出演していた。彼とはフェイスブックで顔友なのだが、彼曰く「安心して弾けた」演奏だったようだ。一流奏者とはいえ臨時編成なので、合わせも大変だろうと思うが、アンサンブルは整っていたし、とても立派な演奏だった。

さて、最後はチョン・ミョンフン指揮の東京フィルハーモニー。この日は東フィル創立100周年特別演奏会だった(ご招待だが)。はじめて知ったのだが、東フィルは日本最古のオーケストラで、発祥はなんと名古屋の松坂屋の少年音楽隊だったという。驚きである。本来は昨年が100周年だったが、大震災で記念演奏会は今年に延期されたとの事。

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チョンの指揮は、ダイナミズムに富み、鋭角的でコントラストがハッキリしていること。少なくとも、私の好みとは違うが、とても力感溢れる演奏だった。きっと、オケに対しても指導は厳しいのだろうな。東フィルは新星日響と合併したため楽団員は150人にも及ぶ、日本最大のオーケストラである。ざっと数えただけでも、コントラバスが12人もいたのだから、第一バイオリンは20挺はあったのだろうか。トゥッティで弓が林、いや森のごとく林立する様は壮観である。

この日の呼び物は、150人編成による、ラヴェルのボレロ。サントリーホールのP席に陣取ったバンダは20人もいただろうか。フィナーレの豪壮なことといったら、おそらく空前絶後であろう。

そして、アンコールはウィリアムテル序曲。この曲はチョンが好む曲のようで、オーケストラが総立ちになって演奏していた。客席の拍手も鳴り止まない。とうとう、チョンが舞台からヒラリと客席に飛び降りて、客席からオケを拍手で褒め称えるた。チョンもいいところあるなあ。

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2012年5月 6日 (日)

一音入魂合唱団@熱狂の日

今年のゴールデンウィークもラフォルジュルネ(熱狂の日)で歌った。

毎年、丸の内合唱団で歌っていたが、今年は休団中であるのと、運営を巡って問題が発生していることがあるのは前のブログでも書いた。

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本番はとても楽しく思う存分歌えた。オーケストラとの共演は文句無く愉しく胸が躍る。また、今回の曲目、ボロディンの「ダッタン人の踊り」、チャイコフスキーの「1812年序曲」はともにド派手な曲で歌い映えする。特に1812年はご存知大砲の音が耳を劈く物凄さだし、舞台前に金管のバンダまでついた。お客さんは拍手喝采、ブラヴォーまで飛んでいた。合唱は男声が少なく、ちょいと心配だったし、演奏もまず合格点だと思うが、このラフォルジュルネは楽しく歌えることが大切なのだ。

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この日は生憎一日雨だったのだが、事前にチケットを購入している熱心なクラシックファンで会場は埋め尽くされ、立ち見もでる盛況ぶり。通常は30分のコーナーなのだが、我々は1時間も時間をいただいた。というのも聴衆参加のクイズコーナーがあって、とても楽しい番組だったのだ。イントロ曲当てクイズ、一音曲当てクイズまであったが、聴衆の皆さんは流石クラシックファンだけあってよくご存知だった。

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前のブログで、一つの出会いを紹介したが、この本番の日、もう一つの嬉しい出会いがあったのだ。国際フォーラムの会場控え室につくと、なんと岸本マエストラがいるではないか!岸本さんとは、中野のスタバで思いがけず再会し、一音入魂とアマデウスオーケストラを主宰する指揮者の曽我大介さんと仲良しだということは聞いていた。だから、遊びに来たのか(笑)と思っていたのだが、話を聞いてみると、アマデウスオケに練習をつけていたというのだ。うーむ、なんてことだ。やはり中野のスタバで再会したのは運命的な結びつきだったし、二重のセレンデピュティということになるのだ。このあたりの経緯は私の下記ブログをご覧いただきたい。彼女の麗しき絵姿も貼り付けてありますから。

http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-e0ec.html

舞台が跳ねて、「打ち上げ」にも一緒に来ていただき、親しくお話も出来た。一音入魂合唱団には、岸本さんが指揮をした、去年の藝大アーツ出演者も多くいるので、彼女を囲んで盛り上がった。そして、今年の藝大アーツでも、岸本マエストラの指揮で歌えたら幸せだな・・・・・ということになった。この後、彼女と合唱団のO嬢、私の三人がある暴挙(笑)に出るのだが、これはここでは書けない。まあ、打ち上げの席ということでお許しいただきたいのだが、それだけ今年の藝大アーツにかける思いが熱いのだ。

さて、この日のコンサート。歌友のA氏が客席最前列に陣取って、動画を収録してくれた。なかなか良い音で収録できているのでここにご紹介したい。録音・録画自体問題ないのかどうか定かではないのだが、アマチュアの演奏だから問題ないのかな。ただし、1812年の後半部分は、目の前がバンダだったので音が潰れてしまっている。


http://www.youtube.com/watch?v=MOQvu4l9QCw
http://www.youtube.com/watch?v=BFhJx26voO0

http://www.youtube.com/watch?v=rCZl4ubOG5Q&feature=g-upl
http://www.youtube.com/watch?v=2NmfuyfTNnw&feature=g-upl

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2012年4月25日 (水)

音楽が産む出会い

音楽は様々な出会いをもたらしてくれる。また思いがけない出会いがあった。

ただ今現在、一音入魂合唱団というテンポラリーに活動する合唱団で歌っている。一音入魂とは妙な名前だが、読んで字の如し、説明は不要であろう。一つの音に魂をこめる素晴らしさを表現したのだと思う。余談だが、私の会社の事業説明会で「一品入魂」という言葉が出てきて笑ってしまった。一品入魂は一般的な用語なのだろうか?

この合唱団に入ったのは最近である。家庭の事情(介護問題)で丸の内合唱団ともう一つの某オケ合唱団の掛け持ちが難しくなり、前者は休団中で、ある事情からマルガツへの復帰はまだ先のことになるだろう。その点、一音入魂は練習が不定期で出席率の縛りも無く、そのかわり練習時の音源が完璧に備えられている。自習も可能ということだ。オケつきの演奏でこれがまた楽しい(アマデウス・ソサイエティー管弦楽団)。

次回の出演は、ラフォルジュルネジャポンで、国際フォーラムの無料コンサートに出演する。合唱の曲目はボロディンの歌劇イーゴリ公から「ダッタン人の踊り」とチャイコフスキーの1812年序曲。そのオケアワセが今週の日曜日にあった。

オケも合唱もお互いにアマチュアだから、当日、いったいどんな演奏をするのだろうとかなり意識する。オーケストラは大変立派だった。練習が始まる前にどんな人たちが演奏しているのかな・・・・と何気なくオケを見渡すと・・・・・「あれ」私に向って大きく手を振っている女性がいるではないか。「まてよ」・・・そして「まさか」になって、喜びが溢れてきた。

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そうそう、彼女はあのときのコントラバスのトップを弾いていたんだ。昨年の2月に銀行合併五周年記念行事としてサントリーホールで「第九」の演奏会があった。銀行の合唱団とオーケストラの合同演奏会だ。私はある事情から銀行の合唱団には参加していないのだが、このときは人数が足らず助っ人として参加した。この演奏会で一番印象に残った人がこの女性、石垣夏穂さんである。練習のとき指揮者から罵倒されながらも本番で最高の演奏をしたコントラバス奏者である。

http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/index.html

再会を喜ぶべく、彼女のところに駆け寄った。私は、握手をしたら失礼かな・・・・とか思っていたのだが、彼女はいきなり抱きついてきて・・・・といっても欧米でよく見る挨拶・・・・・ハグハグしてしまったのだ。もちろん、練習会場では大勢のオケや合唱の団員でごった返していたので、ちょっと注目を浴びたに違いない。流石にちょっと恥ずかしかったせいもあり、私は満足に話もせずに席に着いてしまったのだが、とても嬉しかった。

彼女は何事にも熱心だし、爽やかで誠実な女性。しかも美人なのである!!音楽がもたらす出会いの素晴らしさに今日も感激した。

参考までにコンサートの情報は下記
ラフォルジュルネジャポン(熱狂の日)
5月3日午後4時30分~5時30分
東京国際フォーラム地下2階展示ホール「キオスク」
コンサートの名称は「ナマオケサロンby曽我大介」です。
無料コンサートですが、入場には一連のイベントの有料公演のチケット半券が必要です。

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曽我さんの指揮、本当に素晴らしいですよ。ぜひ聴きにいらしてください。


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2012年1月18日 (水)

ダークヒルズ恋愛白書あるいはクラシック音楽の新しいかたち

これは、新しいクラシック音楽のかたちなのでは・・・・と思った。

昨日、バスバリトン北川辰彦さんが脚本&演出&出演する「ダークヒルズ恋愛白書」を観にいった。本当は北川先生なのだが、ここでは親しみをこめて北川さんと呼ばせていただく。北川さんは、私が所属する某プロオケ付属合唱団のヴォイストレーナーとしてご指導いただいているのだが、偶然にも昨年末の丸の内合唱団(マルガツ)の第九のソリストとして共演させていただき、なにか因縁を感じているのである。

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その北川さんから「ダークヒルズ恋愛白書」のお誘いがあったので、歌友のOさんと一緒に勇んで出かけた次第。ダークヒルズは昨年の二期会weekで評判となり、今回は@座・高円寺で再演されたのだ。チラシや当日のプログラムにも粗筋などは何も書いてなく、ビバリーヒルズ恋愛白書をパクッた題名からも3組の若いカップルが織り成す「古今の名アリアを歌う」恋愛オペラかと思っていた。予備知識ゼロで会場に向ったのだが、素晴らしい舞台でとても楽しめた。

始まってすぐに気づいたのは、筋書きがモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」(女はみんなこうしたもの)のパロディであること。ただし、コジとは男女が入れ替わっていて(ネタバレですが)、言ってみれば「男はみんなこうしたもの」という体裁になっている。なるほど、現代は男女の立場が逆なんだな!・・・・気の利いた着想に引き込まれた。コジは二組の男女、ダークヒルズは三組になるが、うち一組はコジのドン・アルフォンソとデスピーナといった役回りになる(もっとも、ここでも「しかけ」は女性主導なのだが)。

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あと、同じくモーツァルトの「フィガロの結婚」を下敷きにしたような部分もある。アリアがフィガロとその兄弟作であるロッシーニ「セビリャの理髪師」から歌われる。J・シュトラウスのオペレッタ「こうもり」を想起させる部分も。偽りのデートでケリーが取られてしまう指輪は、あきらかに「こうもり」のアイゼンシュタインの「時計」のコピーだろう。「こうもり」からもアリアが二曲取られている。

さて、曲目はというと

L.バーンスタイン キャンディード 着飾ってきらびやかに
L.バーンスタイン ウェストサイドストーリー アイフィールプリティ
ヴェルディ リゴレット さようなら私にはあなただけが希望と命
ロッシーニ セヴィリアの理髪師 私は街の何でも屋
プッチーニ ラ・ボエーム ミミ、君はもう戻ってこない
E.ジョン ライオンキング ハクナ・マタタ
J.シュトラウス こうもり さぁ来たまえ、踊りに行こう
J.シュトラウス こうもり 公爵様、あなたのようなお方は
F.スッペ ポッカッチョ 恋はやさし、野辺の花よ
モーツァルト ドンジョヴァンニ 窓辺においで
ヴェルディ 椿姫 乾杯の歌

F.ロウ マイフェアレディ 踊り明かそう
プッチーニ ラ・ボエーム おお、麗しい乙女よ
モーツァルト 魔笛 愛を感じる男の人たちには
バーンスタイン ウェストサイドストーリー トゥナイト・アンサンブル
プッチーニ トゥーランドット 誰も寝てはならぬ
M.レイ ラ・マンチャの男 見果てぬ夢
レハール メリーウィドゥ メリー・ウィドゥ・ワルツ
モーツァルト フィガロの結婚 フィガロ、静かに
J.ラーソン レント シーズンズ・オブ・ラブ

どうです、このラインナップ。よくぞこれだけ名曲をちりばめたものである。しかも、ストーリーの展開にちゃんと平仄があっている。どれもこれも、素晴らしい歌だが、個人的に凄いなと感じたのは、バーンスタイン「ウエストサイドストーリー」のトゥナイト・アンサンブル。この曲は、昨年のマルガツの定期公演で採り上げたが、非常なる難曲で最後まで四苦八苦した曲なのである。それを各パート1人で完璧に歌い上げていたことに驚嘆した。実は、昨夜はマルガツのムッシュー一夫氏が偶然にも会場にも来ていたのだが、彼も同じ感想だったに違いない。なんせ、彼こそ、定期演奏会でトゥナイト・アンサンブルを採り上げた張本人なのだから。

他には、椿姫の乾杯の歌・・・これもマルガツで歌っているので、一緒に口ずさんでいる自分があった。レハールの「メリー・ウィドゥ・ワルツ」。岩本町にある「オペラサロン トナカイ」でいつも最後に歌われる曲。私の大好きな曲で、時々風呂場で熱唱している(笑)。最後の「言わねど知る恋心・・・・」だけを日本語で歌ったのは、私の思いが通じたのか!?

出演者も素晴らしい。それぞれ個性が立っていて役柄にピッタリ嵌っている。笑の要素もちりばめられていて、チャラ男キャラクターの高田さん、北川さんの古畑任三郎など爆笑である。桝さんの大阪弁もいけてま(笑)。女性3人はいずれも美声美女で魅惑される。ピアノの穴見さんにも拍手!。バラエティに富んだ数々の曲の性格を見事に弾きわけ、それも2時間弾きっぱなしなんだから。

そして、脚本&演出も北川さんだというのだから驚きである。古今当時の諸事情・・・・ダチョウ倶楽部やチャラ男まで通暁しているとは(笑)。冗談抜きに、大変な才能であり、広く深い人間性がないと出来ないことである。

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いやはや、ダークヒルズは本当に楽しかった。一緒にいったOさんは昨晩興奮して寝付けなかったといっていた。クラシックファンのスノビズムをくすぐる仕掛けがある一方で、クラシック音楽に全くなじみが無くても十分に楽しむ事が出来る。「クラシックは死んだ」といわれて久しいが、私はこれからのクラシック音楽の一つの方向性を示しているのではないかとさえ思う。ぜひ、再々演してほしいものだ。そのときは多くの友人に声をかけファンを増やしたい。

そしてもう一つ、思ったことがある。終演後ムッシュー一夫にFB経由で話したのだが、我々もMFS(丸の内オペラシンガーズ)でこうしたミュージカルをやりたいという事。ムッシューはMFSの林光・・・・座付き作家・演出家でもあるのだから(と妄想してます)。

ケリー  :鷲尾麻衣(ソプラノ)
アンドレア:三宅理恵(ソプラノ)
ド ナ  :澤村翔子(メゾソプラノ)
ディラン :北川辰彦(バスバリトン)
ブランドン:桝貴志(バリトン)
デビッド :高田正人(テノール)
ピアノ   穴見めぐみ

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2012年1月 3日 (火)

歌で一年を繋いでゆく!!

皆さん、あけましておめでとうございます。新しい年も、この「ゆびじぶ」ブログにどうかお付き合いください。

さて、新年早々風邪を引いてしまった。また、腰痛も出てきた。風邪は強い薬を飲んでいるので、大事には至っていないが、年末の疲れだろう。三日連続のコバケン第九の合唱。そして、大晦日の恒例丸の内ガラコンサートがきつかったのかもしれない。

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直接的には、ガラコンサートの寒さ。上の写真をご覧いただきたい。背か高いので、例年最後列で合唱しているのだが、背後のガラスから寒気が襲ってくる。寒気の中、歓喜の歌を歌うのだ。写真の紫色の光線がまさに寒気(笑)。カイロをはったり、ヒートテックの下着を着たり防寒には怠り無いのだが、今回は2時間もあったので、流石に寒かった。あと、2時間立ちっ放しだと腰に来る。四捨五入で60歳だから、身にこたえる。

でも、年と年を歌い繋いでゆくのは特別の感慨がある。今年のガラコンサートは、盛りだくさんで、竹山愛さんのフルートコンチェルトにはじまり、第九女声ソリストのオペラアリア、男声イケメングループのJADEメンバーのオペラアリア、恒例の第九、JADEの「リヴァイブ」などなど。特にバス・バリトンの北川辰彦さんは、私が所属する某プロオケ付属合唱団のヴォイストレーナーで、今回は第九のソリストを歌った。舞台で共演できるのはとても嬉しいことだった。

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合唱の出来は良かったようだ。お世話になっているマネジメント事務所の社長さんが褒めていたというし、指揮の神尾先生からもお褒めをいただいた。一方、かなり手厳しい意見もいただいた。男声の迫力不足、女声のハーモニーが出来ていない・・・などなど。美しい第九を標榜したのだから迫力が足りないという批判もあるかもしれない。私自身は思い残すとことなく歌えたのだが、第九に賭けるパッションや一人ひとりの第九への思い、メッセージが不足していたのかもしれない。これは反省点である。また、練習期間が短く、新規入団者も歌えてしまうので、技術的に問題が無くはなかったと思う。較べるのは酷であるが、第九だけで練習に最低3ヶ月は欲しいところである。

オーケストラはとても良かった。特にチェロ・バスの低弦は非常に充実していた。チェロにN響の手だれが入っていたこともあるかな。管楽器も昨年に較べて良くまとまっていたと思う。バイオリンが薄く聴こえるのはホールのせいかもしれないが、もう少し増員したほうが良いと思う。

今年はどんな歌が歌えるか、楽しみである。

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2011年12月28日 (水)

男泣き!の第九

コバケンこと小林研一郎指揮日フィルの第九、三日連続演奏会が終了した。

このところ、第九の記事ばかりだか、シーズンなのでお許しいただきたい。それにしても、コバケン日フィルで三日連続で第九の合唱を歌わせていただくなんて、本当に感謝というほかは無い。

今年私は職場(会社)がかわったのだが、その新しい職場の同僚がクラシック好きであることを知り、「第九を歌わないか」と強引に日フィル合唱団に誘った。同僚の彼は、合唱も初めてではじめは尻込みしていたが、本当にマジメに練習に通った。そして、一日目のサントリーホールでの第九では、第一楽章で不覚にも涙が出てきたという。勿論、感動のあまりである。そして、昨日の三日目最終日は、第三楽章でやはり泣けてきたのだという。第九で男泣きか! なんて素晴らしい感性豊かな同僚なんだろう。コバケンの感情移入たっぷりの指揮の姿と三楽章の愛しむような美しいアダジオを聴けばさもありなんである。私も思わず目頭が熱くなった。

第3楽章アダージョ。素晴らしく美しい音楽だ。「第九が3楽章で終わってくれたら、どんなにか嬉しい」と言った人がいたそうだ。4楽章の合唱は例えようもなく偉大な音楽だが、第九全体から見れば異質とも感じられる。その点、3楽章はただただ美しく、「ベートーヴェンのアダージョで最も美しい」とか、「ベートーヴェンが書いた最美の音楽」ともいわれる。でも、私にとっては「世界で一番美しい音楽」なのである。

さて、我々合唱団の出番である第4楽章について。最終日はオペラシティ タケミツ・メモリアルホールであった。このホールの響きは素晴らしい。ピラミッドの内部のような構造で、ゲネプロの時は残響が大きすぎてビックリしたが、客席が満席になるとかなり落ち着き見事な響きになる。しかし、1600席とやや小ぶりなのと残響が豊かなので、強い音だと飽和状態になりやすいようだ。

そんなことも影響したのだろうか、コバケンの合唱団への指示を聞いて驚いた。一つはドッペル・フーガの後「R」の終結、ソリストの四重唱前の「liber Vater wohnen」の部分。wohnenをソプラノ以外のパートを「ハミング」で歌わせたのだ。コバケンはデューナミク(音の強弱)を大胆に表現するが、これは極致だ。確かに、父なる神が星空の彼方にいるに違いない・・・という願望と確信がこのハミングに託されているのだ。

もう一つ、第九のハイライトともいうべき威勢のいい「M」の部分(Freude schner Gotter funken・・・)を、なんと「イタリアの愛の歌」のように歌えというのだ。初日のサントリーの時から、「パッションが必要。しかし、大きな声はいらない。美しく深く豊かな声で・・・」とのダメだしがあったが、まさかMを愛の歌とは・・・・・。そして、コバケンは自らピアノのところに行って、有名なイタリア民謡「カタリ、カタリ」を弾きだしたのだ。そのピアノの上手なことといったら。

このことをフェイスブックに書いたら、2人の「顔友」から賛同のメッセージが届き嬉しくなった。1人は「ベートーヴェン自身が振ったならば、案外こういったタイプの演奏になっていたかもしれないなあと思ったりします。最後は、楽譜の呪縛から自由であることがとても重要です。」 そして、もう1人は「第九はやっぱり、愛の歌だと思います」と断言された。

そうか、第九=愛の歌 はおかしくないのか。そこで思い出したことがある。もう5年位前のことだろうか、鎌倉の市民合唱団で歌った第九。日本語の第九のことである。訳詩は歌謡界の大御所 なかにし礼である。彼の詩は、バス合唱の歌いだし「フロイデ」を「あい」と歌うのである。Mの部分を見てみよう。以下のようになる。

愛こそ歓喜にみちびく光

さえぎる苦難を越えて進まん

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そして、終演後の打ち上げ会でのコバケンの言葉。楽譜は単なる音符や記号の羅列でしかない。その行間、そこに作曲者のどのような思いが込められているのかを見つけるのが音楽家の仕事だと・・・・。まさに音楽は再現藝術であることを端的に語っている。先に紹介した顔友の言葉「楽譜の呪縛から自由であれ」とも通じるところがある。彼自身、この解釈はやりすぎではないかな・・・と思うことがあるという。しかし、これはベートーヴェンが許してくれるのではないか、否ベートーヴェンが求めているものに違いないという確信を持って指揮するのだという。

コバケンの第九は独特である。誤解を恐れずに言えば、ベートーヴェンの第九というより、コバケンの第九に近い。しかし、それは彼が何百回と第九を指揮してきたなかで醸成・熟成された解釈で、これをあれこれ評する意味は無に等しいと思う。それほどコバケンは第九を研究しつくし、それでも時に解釈に迷う時は「ベートーヴェンが現世に降りてきてくれないかと祈りを捧げる」という。一方でコバケンは「今日の演奏は、少しでもベートーヴェン(の理想に)に近づけたかもしれない」という謙虚な気持を常に忘れないのだ。まことに真に偉大な指揮者といえよう。

我々合唱団は、小林研一郎の指揮で第九が歌えて本当に幸せである。

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2011年12月26日 (月)

世界一演奏の難しい第九とは

25日、今年の第九の初日を歌った。コバケンこと小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー、@サントリーホールである。

ご存知のように、日本ほど第九が愛され、数多く演奏される国はない。だから、日本のオーケストラ、日本人のソリスト、日本人の合唱が世界で最も上手い第九の組み合わせ・・・などといわれるほどである。中でもコバケンの演奏回数は推定だが500百回を超えてダントツなのではなかろうか。

ところが、コバケンの第九こそ、合唱を含む演奏者にとって最も演奏が難しい第九だと思うのだ。それは、コバケンの解釈がとても奥深いからだ。緩急自在のテンポの揺れ、デューナミクの振幅、歌詞の解釈などなど、どれをとっても良い意味で他の指揮者の追随を許さない。すなわち、演奏者に対する指示や期待のバーが高いのだ。日本フィルはプロだし何百回も一緒に演奏しているから、勘どころは押さえられるが、我々合唱団はアマチュアだから、付いてゆくのに必死である。

さて、今日の第九はどうだったのか。第一楽章から、実に心のこもった指揮ぶりで圧倒された。「炎のコバケン」という愛称もあるくらい、常に熱い指揮をするのだが、今日は格別に思い入れが強いような気がした。いつも発せられるうなり声が影を潜め、全身全霊を音楽に捧げるといわんばかりの、力の入った演奏であった。彼の第九はベートーヴェンの第九ではなく、コバケンの第九である・・・・などという人もいる。しかし、今日の演奏は、まるでベートーヴェンが彼に乗り移ったような、いやベートーヴェンとコバケンが一体化したような演奏ではなかったか。聴いていて思わず胸が熱くなる。我々自身が高揚してゆくのが自覚できる。合唱団の私の同僚は聴いていて「涙が出てきた」ともらしていた。

合唱の出来は歌っている本人にはなかなか分からない。ゲネプロで、コバケンから厳しい指示も飛んだが、本番は気持ちよく歌えたので、悪くはなかったはずだ。ただ、サントリーホールのP席で歌うと、指揮者との距離が遠いうえ、階段の傾斜がきついので、合唱としてのまとまりを取りにくいように思う。合唱にとって難しいホールなのだ。

26日は横浜みなとみらい、27日はオペラシティと三日連続で合唱を歌う。コバケンの思い描く第九の世界、ベートーヴェンが第九に託した思いに、一歩でも近づくころができるよう精進したいものだ。

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2011年12月22日 (木)

若手演奏家の熱演を聴く

今週、歌友のお嬢さんが出演するコンサートに行ってきた。

このブログでは、極力実名を避けるようにしているが、お嬢さんはプロだし差し支えないだろう。ヴァイオリニストの荒巻美沙子さんである。この春に藝大の修士課程を修了したばかりだから、まさに新進気鋭である。

曲目はシューベルトのVnとPfのソナチネ2番、ブラームスのVnソナタ一番「雨の歌」、フランクのVnソナタの三曲。ブラームスとフランクは私の大好きな曲で、古今のVnソナタの名曲中の名曲、かつ大曲である。熟練のプロをもってしても演奏には覚悟のいる二曲を新進の荒巻さんがどのように弾くのか、興味津々であった。

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驚いたことに、彼女は堂々と大曲を弾ききったのである。まず、音色が美しいことに惹かれた。演奏会場の「カワイ表参道 コンサートサロン」は収容100名程度のこじんまりしたホールで天井も低い。しかし、彼女は朗々とした音色で私を魅了した。高音の張り詰めた音色も美しいが、中低音のタップリとしたふくよかな音が魅力的である。

神経質に陥らない、思い切った弾きっぷりも見事。シューベルトのソナチネは演奏される機会は少ないのじゃないかな。以前、ヒンクと遠山慶子の演奏を聴いた記憶があるくらいだ。2番はシューベルトにしては珍しいほの暗い気分が漂う。半音階的な経過句があったりで、モーツアルト的な平明さの中に複雑な心情が覗く。荒巻さんの演奏は、出だしから「ハッシ」とばかりの気迫が感じられてひきつけられた。

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テクニック的にも優れているが、曲の全体感をよく把握できているように感じた。ブラームスでは、語りかけるような優しさが全曲を通じて表現されていた。フランクでは、彼の十八番である循環形式をとりながら、各楽章の性格が上手に描き出されていた。

もちろん、解釈やアーティキュレーションなどまだまだ経験を積まなければ到達できない山は大きい。聴衆をうならせるだけの個性と魅力を備えて欲しい。しかし、荒巻さんの演奏には、楽譜を演奏するのではなく、聴く人を惹き付ける somethingがあるのだと思う。将来が楽しみである。
ピアノの清田千絵さんも達者な奏者で、特にVnと対等な立場を求められるフランクでは、十分に自己主張が伺えた。

コンサート終了後、父上の荒巻さんにお礼を申し上げた。彼は本当に嬉しそうな顔を見せていた。おそらく、美沙子さん以上に緊張したのではないか。でも、演奏会が成功し、ほっとするとともに、いっぺんに喜びがこみ上げてきたに違いない。下のお嬢様も藝大でオーボエを専攻されているとのこと。かつて、お子さんと共演するのが夢と話していたことを思い出した。うらやましいな。

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コンサートの帰り、表参道のイルミネーションが、私の躍る心を一層華やかなものにしてくれた。

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2011年12月20日 (火)

カフェのヨハン・シュトラウス

土曜日の深夜にBSプレミアムで素敵な音楽番組をやっていた。

ウィーンの歴史的なカフェで、ヨハンシュトラウスの室内楽を聴くという趣向である。

まず、場所はカフェ「Sperl」(シュペール)。1880年の創業で、オーストリアの芸術家が屯していたことで有名なカフェである。なんともシックで落ち着いていて、古きよき時代のウィーンがここにある。今にもシュトラウスがドアを開けて入ってきそうな雰囲気である。

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そして音楽。まてよ、シュトラウスが室内楽を作曲したっけ?と首をひねる御仁もおられようが、彼の名曲を室内楽に編曲したものである。しかも、編曲者が凄い。シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンという現代音楽(12音階)の創始者たちなのだ。実は、彼らの編曲によるシュトラウスは結構有名でコンサートで取り上げられたりCDも出ている(私が持っているのはボストンシンフォニーのメンバーによるもの)。

なぜバリバリの現代音楽作曲家が通俗的なシュトラウスの音楽を編曲したのか?理由の一つは、シュトラウスの音楽が時代を問わず誰からも愛されているからだろう。もう一つは、これは請け売りなのだが、シェーンベルクが会長を務めていた「ウィーン私的演奏協会」のなりたちである。もともとこの協会は現代音楽の普及のために設立され、大編成の管弦楽曲を室内楽の編成で聴かせていた。ところが、折からのインフレで協会の運営が危機に瀕し、財源確保のために特別演奏会という形でシュトラウスのワルツが演奏されたらしい(一説には、シューベルトの冬の旅の演奏会がキャンセルになりピンチヒッターとしてこの演奏会が催されたとも)。背に腹はかえられないということか。

しかし見逃せないのは、シェーンベルクが弟子であるベルクやウェーベルンに編曲を通じて音楽教育を施していたということである。編成は弦楽四重奏にピアノ、ハルモニウム、フルート、クラリネットという奇をてらわない室内楽編成であるが、編曲自体かなり凝ったつくりになっている。でも、シュトラウスはシュトラウス。どんな形でも親しみやすく楽しい。

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しかも演奏はウィーンフィルのメンバーときたら、この上何を望むことがあろうか。曲、演奏、そして場所(カフェ)とまさに三拍子揃った音楽・映像なのである。曲をご紹介すると、シェーンベルクは「皇帝円舞曲」「南国のバラ」。彼の高弟である2人は、ウェーベルンが「私の恋人」、ベルクが「酒、女、歌」。

朋友であり、フェイスブックの顔友であるムッシュー一夫にすぐさまこの放映を連絡した。ムッシューは、自らあちらこちらで触れ回っているように、アルバン・ベルク協会の監事なのでありますから(ですからこのブログでも彼の肩書きを大いにPRさせていただきます)。しかし、ムッシューは放映に間に合わなかったと悔しがっておりました。ベルクの編曲は「酒、女、歌」・・・・ムッシュー一夫にピッタリの曲だったのに(笑)。

◇ザ・フィルハーモニックス イン・ウィンナ・カフェ
~シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン編曲によるワルツ集~
1:00:00~2:08:30

<曲 目>
皇帝円舞曲(ヨハン・シュトラウス作曲 シェーンベルク編曲)
ウィーン風小行進曲(クライスラー作曲)
ワルツ「わたしの恋人」(ヨハン・シュトラウス作曲 ウェーベルン編曲)
ワルツ「南国のばら」(ヨハン・シュトラウス作曲 シェーンベルク編曲)
美しいロスマリン(クライスラー作曲)
ウィーン奇想曲(クライスラー作曲)
ワルツ「酒、女、歌」(ヨハン・シュトラウス作曲 ベルク編曲)
イデッシュ・マム(ティボール・コヴァチ作曲)
入り江のワルツ(ヨハン・シュトラウス作曲 シェーンベルク編曲)
なつかしいウィーン(ゴドフスキ作曲)

<演 奏>
ザ・フィルハーモニックス


収 録:2011年3月9日
カフェ・シュパール(ウィーン)

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