2009年5月27日 (水)

合唱団はお呼びじゃない?!

前回ブログの続きである。合唱団がいらないというのは、大問題である。

バッハの宗教曲を聴いていて、近年の流行は合唱の各パートを1人で歌う・・・場合によってはソリストを兼ねるという、大変な演奏方法が定着しつつあることである。

これをOVPPという。ブランデーのVSOPではない(もう死言だが)。One Voice Per Partの略である。ラフォルジュルネ(熱狂の日)のリチェルカーレ・コンサートの演奏はまさにこのOVPP。最後に聴いた、鈴木雅明指揮のバッハ・コレギウム・ジャパンによる「ヨハネ受難曲」でも、各パート1人ではなかったが、合唱はパートあたり3人程度に刈り込んでいた。

なんで、こんなことになったのか?最近の不景気の影響で演奏にもコストカットが求められているのか・・・・・いや、ちゃんと理由があるのである。一昔前までは、バッハの宗教曲では大人数の合唱とソリスト、そしてちゃんとしたオーケストラがついていた。ところが、前回のブログでも述べたように、作曲当時の演奏をそのまま再現するという潮流が大きくなり、必然的にオーケストラも声楽も少人数になってきた。バッハでも、これまた有名な「ブランデンブルク協奏曲」もオーケストラ各パート1人の演奏形式も当たり前になってきている。

考えてみるに、バッハの複雑かつ絡み合うポリフォニーの処理、繊細な表現、言葉の明瞭性などを重視すれば、各パートの数を減らしたほうが良いことは明らかである。我々、丸の内合唱団がモテットを歌った際も、特にあの気の遠くなるようなメリスマを100人規模の合唱団で歌うことの難しさを、いやというほど味わった。なかでも言葉の表現力は大切で、音楽学者の礒山雅さんは「バッハのカンタータは単なる音楽ではなくて、人間として生きるうえでの宗教的なメッセージである。それには言葉を重視した演奏でなければならない。」「そして、それ以上に大切なのは、歌手一人ひとりが人間的なレヴェルで音楽とかかわりを持つこと。演奏者全員が親密な関係をもち話し合いながら音楽を作ってゆくことだ」と言っています。大人数の合唱では、そうした目標の達成がなかなか難しいのは確かなのである。

メリスマで思い出したが、最近は例えば、ホホホホとかハハハハと各音符を切って歌うのは古めかしい歌い方らしい(合唱団の団友の話)。別の合唱団の指導者も、そういう歌い方は間違いだと指摘していた。熱狂の日でも、プロの歌い手はメリスマは各音符の音価を保ちながら「レガート」で歌っていた。我々、マルガツにこのように歌えといわれても難しいだろうが・・・・・。

J_rifkin

さて話を戻すと、こうした傾向に拍車を掛けたのが、音楽学者であり指揮者でもあるジョシュア・リフキンの考証である。リフキンはバッハの時代、ライプチッヒの合唱隊は様々な理由で人数を確保する事が出来ず、原則各パート1人で歌っていたことを突き止めた。それどころか、ソリストと合唱の区別がない・・・つまり、オーケストラとソリスト4人(合唱を兼ねる)で演奏したというのだ。これはまだ、定説にはなっていないが、現時点では有力な説として認められている。実は、このOVPPはリフキンが提唱した演奏形式で、日本ではリフキン方式とも呼ばれている。実際、リフキンは「ロ短調ミサ曲」でこのOVPPを実演している(CDもある)。

マルガツがアンコールで歌った「主よ人の望みの喜びよ」はリフキンの演奏ではこうなります。http://www.youtube.com/watch?v=Q2MVohd9yJE

いずれにしても、各パート1人なんてことになると、合唱団の出番はなくなるし、仮に歌うことになってももの凄いプレッシャーだろう。以前、マルガツの練習でバスパートが私1人しかいなくて、大変往生した。OVPPなんてとてもじゃなけれど、勘弁、勘弁。

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2009年4月21日 (火)

青春アカペラ甲子園

女ポール・ポッズ

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昨日、友人が教えてくれた「ズーザン・ボイル」という女性アマチュア歌手?。帰宅してユーチューブに見入ってしまった。Britain's Got Talent(ブリテンズ・ゴット・タレント)というイギリスの公開オーデション番組で賞賛された「事件」である。日本のテレビでも放映されたようで、家人も知っていた。

今年の4月11日というから、つい最近のこと。お世辞にも美しいとはいえない容姿の(差別しているわけではない)47歳の中年女性。ステージに登場した時点では、会場の失笑をかっていたのだが、ひとたび歌いだすと、その美しく張りのある声に聴衆は騒然。審査員も万票の最高点を与えた。歌はミュージカル「レ・ミゼラブル」の「夢破れて」。まさに名歌名唱。感動を与えること間違いない。容姿と歌のギャップの大きさといってしまえばそれまでだが、いまや中年女性(彼女はキスもしたことがないという)のドリームストーリーとして、瞬く間に世界中で有名になっている。

http://www.youtube.com/watch?v=hZTmbmvYSm0

この番組を見て、思い出したのが、以前にブログで紹介したポール・ポッズ。同じ番組、同じ設定・・・・・・ちょっと出来すぎているような気もするが、まさに女ポール・ポッズなのであります。男ポッズも女ボイルも、見る者に感動と勇気を与えてくれます。皆さん、一見いや必見ですぞ。

http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_eb19.html

さて、本題に入ろう。最近は会社で嫌なこと、疲れることがまとまって起こっていて私は元気がない(Oさんのせいではありませんよ)。久しぶりに、早く帰宅して食事をしながらテレビを見ていたら、面白い番組をやっていた。「青春アカペラ甲子園」。いろいろなアマチュアのユニットが登場して、アカペラで歌い、出来を競うというユニークな番組である。前身の「ハモネプ」から数えると7回目になる歴史ある?番組とのこと。

アカペラというとゴスペラーズを思い出すが、単に声部が分かれた(例えば混声四部)ユニットではなく、ボイスパーカッション(ボイパ)が入っているのが面白い。ボイパは様々な楽器(主に打楽器)の音色をそっくり口で表現する技術とされていて、人間業とは思えないような名人もいる。

http://wwwz.fujitv.co.jp/FOD/hamonep_index.html

ユニットは小学生から大学生、社会人?まで多種多様で、聴いていて実に楽しい。さぞや練習が大変だったろうと思うが、素晴らしいハーモニーを聞かせてくれる。なかには愛知県岡崎高校のコーラス部発祥のユニットも。このコーラス部は音楽コンクールで優勝の常連で、世界合唱オリンピックで一位に輝いたというツワモノ。そこのメンバーによるユニットだから上手くて当然。

我々丸の内合唱団からもユニットを誕生させてはどうだろう。フツーの合唱団ではない、マルガツにピッタリの企画だと思うが。

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2008年12月28日 (日)

第九を歌う

「第九を聴く」の次はいよいよ「第九を歌う」だ。

昨日、今日の二日連続で第九を歌った。今年の2回目、3回目の第九である(1回目は「1万人の第九」)。オーケストラは、仕事の都合で「第九を聴く」ことになった某在京フィル。昨日がサントリーホールで、今日は東京藝術劇場(通称芸劇)である。

第九の演奏を客席から客観的に聴くのもよいが、やはり舞台で歌ってこそ完全燃焼できるというものだ。指揮者やオーケストラを目の前にして歌い・聴く第九は素晴らしい。このオケとの協演では、曲の最初から合唱は舞台に乗っているので、1~3楽章がじっくり聴ける。第一楽章の緊迫感あふれる演奏、そして私が繰り返し主張する「世界で最も美しい音楽」の第三楽章を目の前で聴くことが出来る幸せは格別である。

今回指揮をされたマエストロNさんは、端正な音楽作りに定評があるが、今年は違う。オケや合唱団と一緒に燃え尽きんばかりの指揮ぶりである。舞台で聴いていても、情熱のほとばしりが直接感じられる、聴く者の胸が熱くなるような演奏で、我々が歌う合唱にもおのずから熱がこもってくる。特筆すべきは、そうした情熱の中にあっても、彼の強みともいうべき、パースペクティブのよさは健在。普段聴こえにくい楽器の旋律も自然に浮かび上がってくる。マエストロの指揮で第九が歌えて本当によかった。

因みに、マエストロの練習は実に楽しい。偉ぶらず、ユーモアたっぷりで、それでいて核心をずばりと突いてくる。特に、「例えかた」がユニークというか、お茶目で可愛らしい。押しも押されぬマエストロなのに、彼の人間性がにじみ出てくるような指導で、いっぺんで好きになってしまった。

さて、サントリーホールは音響のよさでは、わが国で一、二を争う名ホール。特に響きの芳醇さから声楽に向いており「歌のサントリー」とも呼ばれるが、第九の合唱は別物である。ほとんどの場合、サントリーの合唱はP席に配置されて歌うが、舞台が下に位置するので、特に後ろの列では指揮者を見下ろす形となり、顔が下を向いてしまい「客席に飛ぶ声」が上手く出せない。客席に向って歌うと、今度は指揮者が視界ギリギリとなって演奏に不安を覚えるのである。

さらにP席自体に高低差があるため、合唱の場合、後ろの列の声が頭を通り越してよく聞こえない。隣の席との間隔もあるので、かろうじて両側の歌い手の声が聞こえるに過ぎない・・・・・・・つまり、合唱としての一体感が生まれにくく、疎外感・孤独感のうちに合唱、いや「独唱」状態というハンディを負うことになる。芸劇はホールとしてのランクはやや落ちるが、舞台の上で合唱できるので、合唱団にとっては大変歌いやすいというメリットがあるのである。

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2008年12月25日 (木)

第九を聴く

私にとって第九は歌う(合唱団)ものだが、久しぶりに第九を聴いた。12月25日、某オーケストラの第九演奏会である。

指揮/沼尻竜典 ソプラノ/大岩千穂 アルト/清水華澄 テノール/錦織健
バス/ホセ・カルボ パイプオルガン/勝山雅世  
某オーケストラ

曲目

ギルマン/ヘンデルの主題によるパラフレーズ 
バーバー/きよしこの夜 
ウィドール/オルガン交響曲第5番より「トッカータ」
ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」

本来は舞台に乗っていたはずだが、今日は平日なので仕事がある。集合時間に間に合わそうもないので、参加はあきらめていたが、その分客席でじっくり聴けるのが楽しみであった。しかも席はA券だが二階のセンターで指揮が真向かいに見える最高のポジション。

合唱の印象を一言でいうと「大人の合唱」。音が揃っていてよくブレンドされとても上手い。こんなに凄い合唱団なのかと初めて認識した。その反面、ちょっと真面目すぎで面白みに欠ける。第一顔が怖い(笑)。もう少し感情豊かに歌ってくれるとより素晴らしいのだが・・・・・・・だから、感激も中くらい。ちょっと厳しすぎる批評だろうか。あと、女声と男声の数のバランスが悪いのか、男声が弱く聞こえる。まあ、これは多くの日本のアマチュア合唱団の悩みだろう。

個別にさらってみると(自分がバスだから男声中心になってしまうが)、最初の男声のFreudeは迫力不足。出だしだけに難しいところだがちょっと上品過ぎた。Dはよく揃って上手いが、声のブレンドがいまひとつ。男声が飛び出すJa,も上品過ぎる。待ってましたとばかりに踏み込んでほしい。Gの最後のvor Gottも男声が弱くないか。Iの男声行進曲は男らしくて大変力強い。Mは大変立派な合唱で、いかにも歌いこんできたということがわかる。ただ、型にはまった感じで、もう少し自由な勢いがほしいところ。Seit um schlungenは深い声が素晴らしい。ソプラノは全体的に響きがとても綺麗だが、高音が続くフレーズでは、どうしても音が下がり気味なのが残念。・・・・という具合に書いてきたが、おそらく自分が歌う側に回ったら、同じようになってしまう・・・・・第九は難しい曲である。

四人のソリストはいずれも素晴らしい。特にアルトの清水さんは深くて暖かみのある立派な声で、後半の4重唱であんなにアルトの声が飛びだして聴こえたのは初めてだった。また、バスのホセ・ガルボはオーストラリアの新進歌手。朗々とした大きな声はホールを包み込むようであった。ただ、待機中に左右をキョロキョロ見たりして落ち着きがなく、また歌の途中でも顔を振ったり手でしぐさをつけるなどオペラチックで行儀が悪いのが珠に瑕。

指揮とオーケストラも好演。沼尻マエストロの誠実で力のこもった指揮振りは客席から見ていても気持いい。音作りや楽曲の解釈もオーソドックスで、ツボを心得た演奏は安心して聴ける。オーケストラは木管がとても美しくて秀逸。弦も綺麗な音をしていたが、やや迫力不足・・・・というか、これはマエストロの意向かも知れない。

最後にオルガン演奏もよかった。選曲は近代・現代の作曲家によるクリスマスに因んだもの。東京藝術劇場のロマンティック・オルガンが真価を十分に発揮する。

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2008年10月26日 (日)

「歌に生き、恋に生き」

神尾さんがブログで「愛」の考察を書いていたので、早速コメントをつけた。でも、もったいないので私のブログにも書くことにした。最近流行の、使いまわしというヤツである(笑)。

神尾さんはゲーテの格言をあげている。「二十代の恋は幻想である。三十代の恋は浮気である。四十代にして初めて本当のプラトニックな恋愛を知る」。そこでまてよ、と私は思った。だったら、五十代の恋はなんなんですか?ゲーテはそこまで考えていなかったのか?五十代の恋は論外なのか・・・・・・などなど、ちょっと危ない発言ですが、当時と比べると平均寿命も延びているし、「老いらくの恋」という言葉もありますよね。

私は、生涯一捕手じゃないけれど、生涯多恋がよいと思う(やっぱり危ないか・・・笑)。恋は女性に対してだけではなく、色々なものに対してである。恋する、あるいは愛する気持が心を燃え上がらせ、人間としての魅力が増すのだと思う。

よい歌があった。「歌に生き、恋に生き」。ご存知プッチーニオペラの頂点、「トスカ」の名アリアである。私はボエームのほうが好きだが、トスカの激情ほとばしる愛の形も捨てがたい。このオペラ化を知ったヴェルディはプッチーニをうらやんだといわれている。今の私は、公式的には「歌に生き、仕事に生き」ではあるが、「恋に生き」も実践したいものである(笑)。

ユーチューブにこのアリアの名演奏があったので、ご紹介しよう。

http://jp.youtube.com/watch?v=_OIExoUb8jk&feature=related

歌詞の邦訳http://www7.ocn.ne.jp/~chamber/situnai/amore.html

これは、ゲオルギューのトスカ。映画版だと思いますが、才色兼備、天は二物を与えた例。ダンナのアラーニャも協演するオシドリオペラです。

http://jp.youtube.com/watch?v=1ZXwz0gj5fY&feature=related

こちらは、マリア・カラスの映像。圧倒的な存在感に打ちのめされます。トスカのカラスというよりも、カラスのトスカなんですが、観ていて熱いものがこみ上げてくる名演です。ゴッビのスカルピアも登場しますが、スカルピアほどいやな人間はいないといつも思います。現場に居合わせたら、間違いなく張り倒してやります(笑)。

さて、おしまいに有島武郎の言葉を紹介しよう。「愛は惜しみなく与えるだろう(おそらくトルストイの引用)。しかし、愛の本体は惜しみなく奪うものだ」・・・・・・・・うーん、真理をついているなあ。

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鯨のレクイエム

二つの合唱団で一緒に歌っているIさんが出演する、合唱団「鯨」の公演を聴きにいった。

曲目はヴェルディのテ・デウムとレクイエム(東京芸術劇場、オーケストラは東京シティ・フィル)。合唱団「鯨」は40年前に故芥川也寸志が設立した歴史ある合唱団で、今回の定期演奏会が60回目だというから恐れ入る。毎年1~2回オーケストラつきの合唱曲を採り上げていて、現在の常任指揮者は黒岩英臣。黒岩は一時は修道士の道も歩んだ敬虔なキリスト教徒(カトリック)であり、宗教曲に対して共感性のある演奏が感動を生む・・・・とプログラムに書いてあった。その通り、とても誠実な指揮振りであるが、一方でデューナミクに富んだ表情豊かな音楽を作っていた。

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さて、合唱団だが、「鯨」というからには、さぞかし「ホエール」(吼える・・・笑)のかと思っていたが、大変バランスのとれた素晴らしい合唱団であった。男声合唱が立派。特にテノールがよく伸びる声を出している。惜しむらくは、声の均質さがいまひとつで、個人の声が聞こえてきてしまう点。女声も聴かせるが、ややアルトが弱め。ソプラノはアインザッツに乱れが生じたり、出だしの高音部が上がりきらない(これは怖くてなかなか出せないものですが)箇所が散見されたのが残念・・・・・・・なんて、自分を棚に上げて失礼極まりない評価だが、合唱を始めてからほかの団体の歌を聴くと、とても勉強になるのです・・・・しかし、子音の発音も確り統一されていて心地よく、トータルではよく訓練されたよい合唱団だな、と感じた。

2曲ともヴェルディの名曲。テ・デウムは初体験だが、短いながら素晴らしい曲だと思った。冒頭にアカペラでグレゴリオ聖歌の旋律がそのまま男声合唱で歌われるのだが、聴いた瞬間に鳥肌がたつほど美しい響きなのである。混声8部(4部×2)が絡み合う難しい歌だと思うが、鯨の面々はよくこなし、感動を与えてくれた。ヴェルディはこのテ・デウムを絶対の自信作とし、死んだ時には枕の下に楽譜を入れてほしいと遺言したそうだ。いわゆるヴェルディらしくない清澄な祈りの音楽だが、晩年のヴェルディの心境をうかがわせる名曲である。

一方、レクイエムは演奏時間100分にもなろうという大曲。「怒りの日」の壮絶な合唱で有名なヴェルディの代表作である。テ・デウムとは対極的で、いかにもヴェルディらしい音楽である。特に、リコルダーレ、奉献唱、アニュスデイなど多くの部分でソリスト達が朗々と歌う様は、あたかもオペラのアリアのよう。初演時に「これはレクイエムでなく、オペラだ」と評されたことが、本当に良く分かる。素晴らしい曲だが、感動(共感)はしない・・・・・私にはどうも苦手な部類である。でも、この曲を来年秋に某プロオケ付属合唱団で歌うんだよなあ・・・・・・実際に歌ってみれば、好きになるかもしれません(笑)。だいいち、合唱もものすごく難しそうだし、大きな声を要求される。大変だなあ。

合唱は一年間?練習を積んできただけあって立派な出来。特にサンクトゥスの二重フーガは素晴らしい。独唱者もベテラン・若手を取り混ぜてレベルが高かった。まずベテランのテノール成田勝美は、相変わらず強い高音域が見事。ヘルデンテノールの面目躍如です。そして、カルミナ・ブラーナ以来ファンになったソプラノ松原有奈。豊かで澄み切った声質は本当に美しい。http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_0050.htmlアルト西川裕子も健闘。アルトは普通地味な役回りだが、この曲は大変アルトが活躍する珍しい曲。バスの牧野正人も昔からのファン。藤原歌劇団の中核で活躍しているが、ちょっとトボケタ風貌が好き(歌と関係ないが)。

さて、最後にIさんのこと。彼は、私よりも年長だが、ものすごい合唱への情熱を持っている。少なくとも3つ以上の合唱団を掛け持ちしているが、まさに合唱=命という感じで頭が下がる。ご自分が声が出なくなるまでに、オーケストラつき合唱曲約40曲(日本で舞台に上がる曲)を制覇するという目標を立てているのだ。百名山と同じくらい、いやそれ以上に大変なことだと思うが、Iさんの情熱と行動力を以ってすれば、遠くない将来達成されるのではないか。Iさん、今回も感動をありがとうございました。

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2008年7月21日 (月)

昇天寸前!?

アリルイヤ合唱団のコンサートで「昇天」寸前でした!?

折角、奥さんと東京に出るのだからと(田舎者ですね)、六本木にある国立新美術館に立ち寄りました。「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密」をやっています。昨年ツアーで訪れたウィーン美術史美術館から名品がやってくるとの触れ込みです。同美術館は世界でも有数なコレクションを誇り、ハプスブルク家が収集した名画の数々は素晴らしいの一言。http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_b364.html

海外の美術館展だと、たいてい押すな押すなの大混雑ですが、静物画限定?の展示のせいか、お客さんの入りは少なくゆっくり鑑賞できます。それでも、ルーベンス、ベラスケス、ヤン・ブリューゲルといった大家の作品が並んでいるのは嬉しいもの。特に、ベラスケスの「マルガリータ王女」は有名。マルガリータを題材にしたベラスケスの画は5枚あって、お見合い写真の代わりに使われました。近づいてみると、思い切りがよく、かつ正確なベラスケスの筆致が良くわかって圧巻です。一方、ブリューゲルの「青い花瓶の花束」も見事な絵。彼は風俗画で有名なピーテル・ブリューゲルの二男で、花の絵を得意にしていたことから、「花のブリューゲル」と呼ばれています。この展覧会は915日までやっていますから、是非お勧めです。

さて、アレルイヤ合唱団のコンサートです。渋谷から井の頭線で三鷹台駅へ。5分ほど歩いた立教女学院の裏手に会場の聖マーガレット教会があります。時間ぎりぎりに到着しましたが、会場(聖堂)は満席。仕方なく立ち見で聴くことになりました。第一部は東京男声合唱団のロシア正教聖歌です。ところが、コンサートということで、クーラーの電源を切ってあるので、人いきれと合唱団の熱気で暑いこと暑いこと。私は昨日の寝不足がたたって(仕事です!)頭がクラクラしてきました。このままでは、聖歌を聴いて「昇天」か・・・・・と思われた頃休憩になり命拾いをしました。演奏は勿論素敵でした。男声の、特にロシア音楽特有の低音部の厚いハーモニーがなんともいえません。オクタビストという超低音のソリストにもビックリしました。

第二部がいよいよアリルイヤ合唱団の「晩祷」です。主催者の配慮でクーラーがつけられ、音楽に集中できます。晩祷を聴くのは初体験ですが、素晴らしい曲です。ラフマニノフというとロシアロマン派のほの暗く、そして甘美な音楽を思い浮かべますが、この晩祷は厳粛で禁欲的な感じさえします。これは宗教音楽だからの一言では片付けられるものではなく、ラフマニノフの音楽への関わり方の一面(真相)を示しているような気がします。古い時代の聖歌の旋律を引用していますが、リズムの伸縮や和声が複雑に入り組んでいて、ラフマニノフの作曲手法が凝らされているようです。でも、音楽としてはとても美しく、そして力強く、聴く者の心を強く打ちます。いずれにしても歌うのは難しいでしょうが、神尾先生の素晴らしい統率力の元、合唱団は縦横無尽に響きの饗宴を聴かせてくれました。アマチュア合唱団の素直な気持ちも良く出ていたように感じました。

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マルガツでお世話になっている前乃さん、鎌倉の第九で指導いただいている辻端先生にもご挨拶できました。マルガツからは、ミナエ先生、富樫さん、入江さんがみえていたようです。

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2008年6月17日 (火)

神尾昇「合唱祭について」について

神尾さんのブログは、合唱に限らず教えられることが多い。しかも毎日書き続けていることには、本当に頭が下がる。音楽ブログランキングでトップクラスにいるのは、なにも合唱団の組織力ではなくて、内容が面白いからだと思う。

今回の合唱祭についての投稿や、それに対するコメントへなどを見ていて、考えさせられることが多かった。私はいわゆる合唱人ではないし、合唱祭に出た経験もないので議論に加わる資格を問われるかもしれない。しかし、神尾さんが言いたかったことを私なりに要約すれば、「合唱祭のための合唱、あるいは合唱団のための合唱には意味がない」ということになるのだろう。この考え方には大変共感できる。たとえば、綺麗にまとまった合唱には訴えるものは少なく、観客にも感動を与えられない。プロであれ、アマであれ自己満足の音楽をやってはいけない。たとえ下手でも、発展途上でも、やはり聴衆に感動を与えられるような、心のこもった魅力的な音楽をやりたいものだ。

丸の内合唱団には、技術的な向上が必須だし、合唱祭に出演して技を磨くことも必要かもしれない。でも、それ以前に必要なのは、どうしたら魅力的な合唱ができるかを考えることだろう。常に丸の内合唱団の立ち位置を自問自答し、ほかの合唱団にないオンリーワンの存在であってほしい。団員がどのような合唱団でありたいのか、また魅力的な音楽ができるシチュエーション、発表の機会とは何なのかを模索してゆくべきである。

・・・・・というように、今日は神尾先生に倣って力強く書いてみましたが、皆さんのご意見はいかがでしょうか?そうそう、大切なことを忘れていました。合唱をする以上、全てに優先することは、楽しく歌えることですよね。合唱団そのものが楽しく歌えなければ、聴衆に感動的な「何か」を提供することは出来ないのですから。

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2008年6月 1日 (日)

ドイレク終了・・・・ハードな一ヶ月

ドイツレクイエム終了しました。というか、「熱狂の日」丸の内合唱団公演から始まった怒涛のような忙しさの一ヶ月が終わったと言ったほうがよいでしょう。

Photo しかし、ドイレクは体力勝負ですね。先週はほぼ毎日練習で、本番が金土の二回。曲も約80分立ちっぱなしなんです。通常のオケ付合唱曲は、ソリスト独唱があったりして、途中椅子に座ることもあるのですが、この曲の場合はバリトン、ソプラノの独唱があっても合唱との掛け合いなので、本当にずっと立ったまま。ブラームスは合唱団泣かせの曲を作ったものです。

でも、楽曲は素晴らしいの一言です。ラテン語ではなく、ドイツ語だからドイツレクイエムというのでしょうが、通常のレクイエム(死者のためのミサ曲)とは内容・構成がまったく違うのです。たとえば、「怒りの日」の楽章が無いなど、典礼用としての形式に則ったミサ曲ではなくて、ブラームスが自由に出典を求めて作った「私的なミサ曲」の趣を感じます。もっと言えば、ブラームス自身の宗教観、神へのかかわり、あるいは信仰告白が感じられるのです。我々日本人はキリスト教とは離れた位置にいますが、ドイレクのテクストを読むと、キリスト教的宗教観から解き放たれた、もっと普遍的な世界観が伝わってきて、何か親しみを感じるのは私だけではないのでは・・・・?

さて、約1年間も練習してきた合唱団ですが、本当に難しい曲だということを改めて思い知らされました。オケ合わせは2回ありましたが、マエストロ:ジェルメッティの指揮についてゆくのが大変なんです。合唱の声部が入り組んでいるうえ、マエストロのテンポが微妙に、しかも毎回変わってきます。テクストをよく理解して「考えて歌え!」、「オレの目をみて歌え!」という指示がマエストロから何回も飛びます。本番前はいささか不安でしたが、集中力を高めてマエストロの指揮をよく見たせいか、なんとか歌いきることができました。もちろん、出を間違ったり、走り気味になったり、細かなミスはあったのですが、ブラームスの深遠で豊かな世界に身を任せられることができて幸せです。たった二回で終わってしまうなんて、もったいないなあ(笑)。もっと、歌いたい・・・・・とコンサートの後はいつもそう思いますね。

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2008年3月16日 (日)

スターバト、武闘派・・・そして天上の音楽

またまた、わけの分からぬお題ですが・・・・・昨日、今日と連チャンでコンサートを聴きに行きました。

Photo_2 昨日14日は飯守泰次郎指揮のシティフィルでドヴォルザークの「スターバト・マーテル」(悲しみの聖母)です。合唱はシティ・コーア。コーアの友人がチケットを取ってくれたので、家内と待ち合わせてオペラシティへ。スターバトは初めて聴く曲ですが、地味・・じゃなかった滋味あふれる名曲でした。世の中には様々な作曲家による400になんなんとするスターバトがあるそうですが、ドヴォルザークの同曲は演奏時間90分もかかる最長の大曲です。それを、驚いたことに合唱団は暗譜で歌うんです。こんなことに驚いちゃいけないのかも知れませんが、5月に私が歌う「ドイツレクイエム」はどうなるんだろう・・・という不安が一瞬アタマをよぎりました。

全曲を通じて概ねゆっくりとしたテンポの穏やかな曲想ですが、第1曲と終曲は迫力に満ちています。特に終曲は各ソリストと同パートの合唱が一緒に歌うなど興味深い部分もありましたが、なんといってもアレグロに入ってからのアーメンフーガは、ホールを揺るがすような立派な合唱でした。ほの暗くマッシブなサウンドで、ここではじめてスラヴの作曲家なんだなあと実感しました。印象に残ったのは第7曲の合唱の美しさ。アカペラで歌う部分は胸を打ちます。全体的に合唱はよくトレーニングされていてスキのない出来上がり。特にテノールにとっては「おいしい」曲ではないかな?ソリストも粒ぞろいでした。光ったのはテノールの櫻田亮で、やや線は細いが確りした透明感ある美声です。エヴァンゲリスト(エヴァンゲリオンじゃありません。福音史家です)聴いてみたいなあ。この日は言わずと知れたホワイトデーですが、キリストの受難を題材にした曲だけに女声の衣装はオールブラックでした。

Photo コンサートの前に、オペラシティ53階の「八かく庵」という京豆腐料理屋で豆腐尽くしを食しました。時間も無かったので一番安いコース(4千円弱)にしましたが、とても凝った豆腐料理で美味でした。ヘルシーですし、店員さんの応対も素晴らしく、お勧めです。

Photo_3 今日15日は新日フィルの定期(錦糸町トリフォニー)。指揮はおなじみイケメンのアルミンクで、曲目はシベリウスのバイオリン協奏曲とマーラーの交響曲第4番。シベリウスのコンチェルトは僕の好きな曲ですが、なぜかコンサートで聴く機会が多いのです。ラクリンは史上最年少でウィーンフィルと協演したという「神童」でしたが、今はおん歳34。それでも若いなあ。太くてザラツキ感のある音でグイグイ弾いてくる。ちょっと私が描くシベリウスのイメージ・・・・・北欧寒冷地の透明感・寂寥感みたいなもの・・・・・とは違うんです。でも、こういう行き方も悪くない。驚くのは彼のタキシード。胸に深紅のポケットチーフを挿してきたのはご愛嬌だが、上着の裏地もall同じくマッカッカなんです。ラクリンが体を揺らすたびに赤い裏地がチラチラ。闘牛の気分になります(笑)。井上道義の裏地はゴールド色で有名だそうだが(見たことないが)、こうしてみると演奏もスタイルもラクリンは「武闘派」といえましょう。しかし、アンコールに弾いたバッハのパルティータ第2番~「サラバンド」はビブラートを抑えたとても格調高い演奏でした。やっぱり、タダモノじゃないです、この若者。余談ですが、とても興味深いことが・・・ネットでいろいろ調べていたら、同じ時期に来日しているヒラリー・ハーン(彼女も神童!)がラクリンとまったく同じシベリウス、そしてアンコールまで同じ曲だったんです。アンコールまで同じなんて、どういうこと??

Photo_4 後半がマーラーの交響曲第4番。これは大のつく名演でした。4番はマーラーの中では小編成で小ぶりな曲であるといわれますが、それでも演奏時間55分、フルートは4本もあって、同時にpで合奏するなんて・・・・やはりゴージャス・マーラーです。マーラー得意の破滅的な大音響が少ない代わりに、明るく室内楽的でオケ奏者の名人芸が随所で楽しめます。こうした曲想はアルミンクの作り上げる音楽にピッタリ。大変に素晴らしいサウンドを楽しみました。ソリストのシルヴィア・シュヴァルツは、美しく(容姿も)やわらかい声でホールを包み込むかのような演奏。まさに「天上の音楽」にふさわしい好演でした。3楽章の終盤フォルティシモでソプラノが登場する演出も素敵ですよね。もう20年も前になりますが、若杉弘が都響とマーラー連続演奏会をやった時、楽章の途中でソリストが登場する演出をはじめて見て息を呑んだことを思い出しました。

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2008年1月 6日 (日)

新年の第九、そしてシューベルトミサ曲

またまた第九です。読者の方もチョッと食傷気味かも。でも、今度は聴くほう。なぜか新年の第九を聴きに行ってきました。お隣の横浜市栄区の栄フィルハーモニーというアマチュアオケと栄「第九」合唱団のコンサートです。某プロオケ合唱団で一緒に歌っている仲間(男声)が出演するというので聴きに行きました(1月5日:鎌倉芸術館)。http://www.geocities.jp/sakaedai9/

この仲間はおそらく3~4つの合唱団に所属していて、合唱三昧の日々のようです。まだ50代後半と思われますが、生涯に著名な合唱宗教曲(30曲ぐらいあるらしい)を歌いつくす・・・・という壮大なチャレンジを始められたようで、現在はメサイヤ特訓中とか。私もリタイヤしたら、残る10~20年でどこまで出来るかやってみたいとは思うのですが・・・・・うらやましいです。

Photo さて、当日のコンサートは、第九のほかに交響詩「栄区賛歌」、「美しき青きドナウ」(合唱版)、アンコールにラデツキー行進曲という新春にふさわしいものでした。第九の合唱は110名程度で比較的少人数ですが、なかなか聴き応えがありました。特に、男声合唱は立派で Laufet bruder・・・・・・やSeid umschlungen・・・・・はとても立派。でも、ドッペルフーガでは肝心男声が埋もれてしまい残念。女声に気おされてしまったのでしょうか(笑)。あと、コーダのプレステッィシモの部分は疲れからか地声になってしまい響きがありませんでした。でも、皆さん非常に生き生きと歌ってらっしゃり、とても楽しめました。最近、若手指揮者がよく採り上げるベーレンライタ版の演奏でしたが、解釈にもよりますがコーダの部分の合唱がそっけない印象を与えるので、観客からするといかがかな・・・・という感じ。あと、Zauberをツアウベルではなくツアウバーと発音していて、本場ドイツでも最近は巻舌で発音することは少ないようですが、ちょっと違和感。

オケも大編成で、熱演。とくに金管が上手。この日は対向配置(第一、第二バイオリンが左右に分かれる)でしたが、アマチュアオケでは難しいといわれる対向配置に果敢にチャレンジしたのは立派ですね。聴く側ではじめて分かりましたが、たとえば第二楽章の冒頭の主題は第二バイオリン→ビオラ→チェロ→第一バイオリン→コントラバスと引き継いでゆきますが、対向配置だと右翼から左翼に漣が広がるように、視覚的にも綺麗に聴こえるのです。現在の配置を考案したといわれるストコフスキーには悪いですが、ベートーヴェンは喜んでいるのではないかな。

さて、自宅に帰り「のだめ」の録画を予約して(だってコマーシャルが多いので)、NHKの探検ロマン世界遺産をみていたら「ウィーン」特集。のだめといい、NHKといい、昨年の中欧旅行を思い出させるよい番組をやってくれていました。ところが、最後の部分をみてビックリ。王宮礼拝堂でウィーン少年合唱団が歌っているのが、今度丸の内合唱団で歌うシューベルトの「ハ長調ミサ」だったのです。なんたる偶然・・・・・今年も様々な偶然に遭遇しそうです。さわりだけでしたが、とても明るくて美しい曲でした。マルガツの皆さん明日7日から東音ホールで練習が始まりますよ!

中欧のブログと、ビデオクリップを添付しますのでご覧ください。

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http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_5821.html

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2007年12月16日 (日)

今年最初の第九

今年最初の第九を歌いました。といっても、合唱を本格的に?はじめたのが昨年からですが、今年は4回歌います。

Photo_2 今日は地元鎌倉で、日本語で歌う「第九」です。第九の日本語訳は「はれたるあおぞら、ながれるくもよ・・・・」が有名ですが、私が歌ったのは「なかにし礼」訳詩によるシラーの原詩に忠実な歌詞です。でも、freudeが「愛」になったりするのですが、かなり良く出来ていて、歌っていて楽しい第九です。なんといっても、意味が分かるのが良いです。それだけ、共感も高まるというもの。私はここ4~5年地元鎌倉で第九を歌ってきましたが、昨年は日本語で歌うというので「敬遠」し、東京の某オケ付属合唱団に入団、それが合唱にのめりこむ(笑)キッカケとなったのですから、不思議なご縁なんです。それで、今年は日本語にも挑戦しようということになり、家内と一緒に参加しました。

E_pict_ishida_yasunao_2 合唱は総勢250人、男性は例によってリタイヤされたシニアが多いのですが、富澤裕、辻端幹彦両先生の指導が素晴らしく、みるみるうちに上達します。本番では鎌倉芸術館のホールを美しく鳴らす演奏が出来たのではないかと自負しています。オケは神奈川フィル。指揮はカッコいい現田茂夫さん(ついでに言うと佐藤しのぶさんの旦那)。そして、お目当てはコンマスの石田泰尚さんです(写真)。かれは茶髪&ピアスのコンマスとして有名で、オーバーアクションとも思えるユニークな弾き振りです。でも、演奏はとても繊細で、そのアクションからは熱い想いがひしひしと伝わってきます。私は彼の姿に釘付け状態(笑)。あの、のだめカンタービレのモデルとも言われているのですよ。http://www.musiciansparty.jp/wp/ishida/ http://okepi.net/interview/03_ishida.html 

あと三回のうち、二回は某プロオケの合唱団で、最後は大晦日に丸の内合唱団で歌います。鎌倉の第九には丸の内合唱団の友人も駆けつけてくれました。ありがとうございます。そうそう、今年は年末29日から、丸の内ガラコンサート2007と銘打ってコンサートが催されます。皆さん大晦日の第九を含めてぜひ聴きにいらしてください。

たくさん歌うのでとうとうタキシードをこさえちゃいました(笑)。

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2007年11月 4日 (日)

松原有奈というソプラノ

昨日11月3日は私の誕生日。文化の日は「晴れ」の特異日だし、国民の方々が祝ってくれるので(笑)、お得な誕生日です。そんな話には関係なく、地元鎌倉交響楽団のコンサートに行ってきました。創立45周年、第90回の記念コンサートです。ここはアマチュアですが団員が100人超もいてさすが文化水準の高い?鎌倉だけのことはあります。団の長老の話では、戦中戦後、今のN響の方々が鎌倉に疎開していてメンバーになっていたこともある由緒ある楽団。コンサートマスターが同じ会社の後輩だったのでよくご案内をもらっています。

Matsubara_2 さて、前置きが長くなりましたが、演目は「未完成」とオルフの「カルミナブラ-ナ」です。後者は実演では初めて聴きましたが、感心したのはソプラノの松原有奈さん。素晴らしく美しい声です。清冽で透明感があって、それでいてしっとりと温かみのある声。たとえは陳腐ですが、乙女か天使か、それとも聖女か・・・・・といった感じでしょうか。容姿もチャーミングで舞台栄えします。リリカルな声質ですが、鎌倉芸術館の大ホールが「幸せ」で満たされるのをこの耳、この目で実感できました。プログラムのプロフィールを見ると、新国にフィガロのスザンナで初登場し大喝采をうけたとか。納得です。

Photo ソリストではバリトンの牧野正人さんに期待して行ったのですが、松原さんを聴けて思わぬ収穫でした。さて、カルミナブラーナは20世紀ドイツの作曲家カール・オルフの大曲。曲全体に様々なリズムがあふれていて、さながらリズムの祭典でオケ、合唱ともに迫力満点です。中世の詩集が下敷きになっていますが、享楽的、風刺的でとても大きなエネルギーを感じます。歌詞の配列にも工夫が凝らされていて、聴く者を飽きさせません。戸塚混声合唱団は大変立派な演奏でした。聴いていて難しい箇所も随所にあるのですが、チームワークで切り抜けていました。本当に良い曲なので、機会に恵まれれば、ぜひ歌ってみたいものです。

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2007年10月 7日 (日)

芸術の秋、音楽の秋

芸術の秋、音楽の秋です。今日も前回のメンデルスゾーン「エリア」→ミナエ先生とオペレッタに続き音楽の「ハシゴ」でした。

Photo なんと今日はSホール改装記念○○コンサートに出演なんです。合唱団の一員として、ELGARを歌いました。ゲネプロでSホールに行くと入口に豪勢な垂れ幕が・・・・・・気分が盛り上がります。司会の若村麻由美さんによれば、床も座席も壁も全て「総とっかえ」。でも、21年前と同じ材質を使っているので、ほとんど分からないのです。これ見よがしな改装ではなくて、なんと奥ゆかしくかつ贅沢な改装なんでしょうか。さすがS社です。

003_10 歌ったのは英国第二の国歌といわれる「Pomp and Circumstance」(いふうどうどう)です。そう、あのBBCプロムスの最後に観客と一緒に旗を振りながら?!歌うアレです。プログラムも素敵でしょ。三ツ星レストランのメニューみたいにシックです。正装コンサートですから、お客様も着飾って賑々しい。有名人もそこらじゅう徘徊しています。オーナーの佐治さんはもちろんのこと、どこかで見たような紳士・貴婦人たち。私のグループ会社の会長さんまで来ていました。招待されたんだろうな・・・・・羨ましいご身分です。そうそう、「お兄ちゃん」こと若乃花もタキシードに身を包み(似合っていない)歩ってました。離婚報道で、奥さんを連れず一人ぼっち。心なしか人目を避けているようにも見えました。仲間いわく、若乃花の仲人が先代の佐治さんだったとか。

Photo_2 さてさて、ゲネプロのあと本番まで時間があるので、新日本フィルの定期を聴きに錦糸町へ。後半の部になんとか間に合いました。だって、ブラームスの交響曲第4番。好きな曲だから聴き逃せません。指揮はミヒャエル・ボーダーで期待通り名曲・名演奏。ブラームス特有の古典派のルールに沿いながらも、感傷的で憂愁あふれる名曲です。男の浪漫が横溢していて、涙がチョチョギレ(笑)ました。取って返してSホールの本番へ。ただしその前に、休憩時間を利用してお客様への合唱指導がありました(写真)。お客様に混じって我々合唱団が歌うのです。これはかなり恥ずかしい。

そして本番。イノウエ・ミチヨシさんの「たこ踊り」指揮(ゲルギエフの専売特許ですが)のもと、お客様も総立ちで歌い、大感激です。最後にちょっとフライングしましたが(涙)、自分的には素晴らしい経験をさせていただきました。合唱を始めて1年ですが、本当に合唱はすんばらしいなあ!!!

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2007年8月25日 (土)

日本語で歌う第九

この時期になると第九の合唱練習が始まります。

私の場合、某オケ合唱団、丸の内合唱団に加えて、地元の合唱団でも第九を歌おうと考え、今日初練習に参加しました。3つ掛け持ちですから、果たしてどうなることやら・・・・・・。

地元の第九は去年から歌詞が「日本語」になっています。これは古都鎌倉ならではの特徴を出そうという狙いもあるようです。実は、地元では四、五年第九を歌っていたのですが、去年から日本語になり、ちょっとそれは辛いなあと感じたのがきっかけで、某オケ合唱団に参加したという経緯があるのです。そのおかげで第九のみならず、デュリュフレのレクイエムや来年はドイツレクイエムを歌えることになったのですが・・・・・。

Photo_3 でも、やはり地元の第九も気になっていて、しかも合唱指導が大好きな富澤裕さんなので、思い切って参加してみることにしました。皆さんは、日本語の第九というと「晴れたる青空、明るい雲よ・・・・」を思い浮かべるかもしれません。これはシラーの歌詞との関連性は薄く違和感がありますね。でも、鎌倉の第九は「なかにし礼」作詞によるもの。シラーの歌詞を原典におきながら、意訳部分もあってなかなかの優れものなんです。

一部をご紹介すると、冒頭は「わが友よ 歌うなら もっと 快い歌を歌おう 喜びに見た歌を・・・・・」これは原典に忠実です。ところが、Freudeは愛と約されます。「愛! 愛! 愛こそ歓喜に導く光・・・・」なんて具合なんです。なるほどよく考えたなという感じもします。実際に歌ってみると、なかなかいけるんです。

富澤先生はクロール唱法のほかにも、機関車唱法や歌舞伎唱法を新たに編み出していて、大変に愉快でした。歌舞伎唱法とは歌舞伎の発声にヒントを得た母音をはっきり歌う日本語特有の唱法です。富澤先生は素人さんを教える天才です。

因みに鎌倉の「日本語で歌う第九」は12月16日(日)午後3時、鎌倉芸術館で演奏されます。オケは現田茂夫指揮神奈川フィルです。

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2007年2月11日 (日)

練習再開

合唱の練習再開です。

年末はコバケンの指揮で第九を三回+1回(カウントダウン)歌い、練習と本番でバタバタでした。公私共に忘年会が新年会に振り代わり、1月は結構夜のスケジュールが大変で、合唱団の練習をサボってしまいました。新米なのに申し訳ありません。

ということで、不安と期待に胸を膨らませ(笑)練習会場へ。そうしたら、パート分けをするとかで、別室で指導の先生とマンツーマン。いやー、いきなりでビックリするやら冷や汗が出るやら。

曲は近代フランスの作曲家による「レクイエム」(でも、フォーレではありません)。グレゴリオ聖歌を基にした旋律に満ち満ちていて、聞く分には大変美しい曲です。でも歌うとなると・・・・・・グレゴリオ聖歌を「編曲」して音符にするのですからとても難しい。テンポや拍もコロコロ変わります。初心者の私についてゆけるか不安です。それこそ、「神のお導き」により頑張りたいと思うのです。

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