2012年10月16日 (火)

スタバで待ってる・・・第二弾

267299_387257341347237_266038288__2 丁度一年前、ドヴォルザークのスタバト・マーテルを聴いた。

http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-e257.html

友人達が歌う合唱団の公演である。劇的な声楽曲で、大変感動した記憶もまだ新しいのだが、一年後に自分が歌うことになった。10月3日@サントリーホール。

某オーケストラ協会の合唱団。総勢200名を超える大合唱団である。自分で歌ってみても、実に美しく素晴らしい名曲であると実感した。

スタバト・マーテル=「悲しみの聖母」ではあるが、悲しみというよりも、聖母の慈愛に満ちた優しさを感じるのは私だけではあるまい。作曲の動機にはドボルザークの子供達が相次いで亡くなったという不幸があるには違いないが、そうした悲しみを超越して、魅力的な心温まる音楽がここにはある。90分にもわたる大曲だが、終曲のアーメン・コーラスのアレグロを除けば、殆どがゆったりとしたテンポで、聖母の悲しみを切々と紡ぎだす楽想は、歌っていても感動を禁じえない。ロマン派以降の楽曲だから、表情記号も細かくつけられており、思い入れもたっぷりある。

指揮の松井慶太さんは若手の有望株。一世を風靡した「のだめカンタービレ」にもかかわった(主人公の振り替え)、長身のイケメン指揮者だ。指揮は丁寧で分かりやすく、歌いやすい。本番中もずっと合唱やソリストと一緒に歌詞を口ずさんでいて嬉しかった。唯一、終曲のアレグロはかなりのアッチェレランドをかけて、我々を慌てさせたのだが、本人によると「天国に早く行きたい気持」の表れだという。素晴らしい指揮・演奏だったと思う。

肝心の合唱は、先生方からも高評価をいただき一安心。12年間で5本の指に入る・・・というお褒めの言葉もいただいた。聴きに来てくれた友人達も、合唱の迫力に圧倒されたと。

勿論、技術的にはまだまだの部分も多いかと思う。指導の先生が口うるさく言われた「大人の音楽」がまだ出来ていないこともあるだろう。ただ、正しく歌うのでは不十分で、一人ひとりが楽曲に共感して、感情豊かに歌うことの大切さを痛感させられた。

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2012年6月 5日 (火)

星はヒカリエ(笑)

本題に入る前に、報告をひとつ。報告といっても極めてプライベートなことである。父親がまた入院してしまった。土曜日の朝に呼吸の調子が悪くなり、ついでに腰を痛め、しばらく様子を見ていたた。私が仕事から帰宅した夕刻くらいから一層苦しくなり、救急車を呼んで病院に運び込んだのだ。幸いに危篤状態だった前2回に較べると軽症のようだが肺炎を併発していて、予断はできない。また、本人にとっても、家族にとっても闘病生活が始まるのだ。この1年、半分は入院生活を強いられた父は気の毒だが、毎日お見舞いに行く私を含めた家族の負担も大変大きい。高齢者社会の辛さは、経験してみないと分からないものだ。

さて、暗い話はこの位にして、本来は明るい話を書きたかった。新橋のミュージックレストランなるものを初体験した。その名は「アルテリーベ」。声楽家がクラシックを中心とした愉しい歌を歌い、客はビアグラスを傾け、時には一緒に歌う・・・・・というドイツ料理のビアレストランである。

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実は、ソプラノ歌手の浪川佳代さんの自称追っかけをやっていて(笑)、先日、同じくミュージックレストランの銀座「ライオン」に続き、ここアルテリーベにやってきたのだ。なぜ、浪川さんの追っかけになったか、自分でも良く分からないのだが、冗談で言っていたら、いつの間にかみなされてしまったらしい。まあ、追っかけでもそうでなくても、余り大差はないのだから良しとしよう(笑)。

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この日はマルガツで歌友のムッシュ一夫、おそらく30年ぶりくらいに再会する中高時代の友人Iさん、そして以前居た会社の後輩かつ歌友のFさんとの4人編成。Iさんはムッシュ一夫とIさんは初対面だが、フェイスブックが引き合わせた不思議なご縁なのだ。歌も会話も弾み本当に愉しかった。

アルテリーベハは、私に言わせると「視聴者参加型レストラン」。歌を一緒に歌うのは当然として、客が舞台に上がっての「ラインダンス」には驚いた。果ては会場全員で縦列を作っての「歌行進」まである。本当にビックリした。銀座「ライオン」はここまではやらない。聞くところによると、ここアルテリーベは過去何回も閉店の憂き目をみたのだが、そのたびにファンの要請で復活、いまは個人のファン数名がスポンサーになる「有限責任事業組合」としてスタートしたのだという。だから、お客さんを愉しませる精神が浸透しているのだろう。

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もちろん、浪川さんの歌も素晴らしい。何が素晴らしいかって?まず、コスチューム(笑)。ドイツ風というか、チロル風というか・・・・コスプレまがいで可愛らしい。いや、コスプレは浪川さん自身が言っていることなので、ここに書いても良いのだ。まったく浪川さんは愉快な人だ。

もちろん歌も忘れてはならない。素晴らしい持ち歌を沢山ご披露してくれた。「ライオン」でも歌ったと思うが、「私のお父さん」。そして、オペラ「トスカ」から、テノールの名アリア「星は光ぬ」と並び、人気絶大のタイトルロールのアリア「歌に生き、恋に生き」の絶唱は見事!

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そうそう、「星は光ぬ」で思い出したが、先週末渋谷「ヒカリエ」を視察した。開業して一ヶ月余り。すこしは落ち着いたかと思い、見に出かけたのだが、まだまだ大変な混みようだった。このヒカリエは「大人の女性のためのショッピング施設」と銘打つだけに、ターゲットを絞り込んだ潔さを感じた。8フロアのうち空いているのはコスメチックの階だけで、あとは大盛況。特に雑貨のフロアは歩くのにも苦労するほどの混みようだ。ショップの一つ一つがなかなかユニークで、見ていて愉しい。

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レストラン街も充実していて、大人の女性のオーガニック志向を反映した店が集められていた。店ごとのスペースの囲いが極力取り払われていてオープンなのも良い。伊勢うどんまであるのには驚いた。地下のスィーツも大人気で、サダハル・アオキのショップは大判マカロン目当ての女性で長蛇の列だ。

私は、友人が勧めてくれた京都「然花抄院」の生成りカステラを買い求めた。

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後で考えたことだが、ヒカリエの前は東急文化会館だった。この屋上には有名な五島プラネタリウムがあったのだ。意外に、ヒカリエのネーミングは「星は光ぬ」から来ているんじゃないかなあ。

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2012年5月 6日 (日)

一音入魂合唱団@熱狂の日

今年のゴールデンウィークもラフォルジュルネ(熱狂の日)で歌った。

毎年、丸の内合唱団で歌っていたが、今年は休団中であるのと、運営を巡って問題が発生していることがあるのは前のブログでも書いた。

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本番はとても楽しく思う存分歌えた。オーケストラとの共演は文句無く愉しく胸が躍る。また、今回の曲目、ボロディンの「ダッタン人の踊り」、チャイコフスキーの「1812年序曲」はともにド派手な曲で歌い映えする。特に1812年はご存知大砲の音が耳を劈く物凄さだし、舞台前に金管のバンダまでついた。お客さんは拍手喝采、ブラヴォーまで飛んでいた。合唱は男声が少なく、ちょいと心配だったし、演奏もまず合格点だと思うが、このラフォルジュルネは楽しく歌えることが大切なのだ。

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この日は生憎一日雨だったのだが、事前にチケットを購入している熱心なクラシックファンで会場は埋め尽くされ、立ち見もでる盛況ぶり。通常は30分のコーナーなのだが、我々は1時間も時間をいただいた。というのも聴衆参加のクイズコーナーがあって、とても楽しい番組だったのだ。イントロ曲当てクイズ、一音曲当てクイズまであったが、聴衆の皆さんは流石クラシックファンだけあってよくご存知だった。

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前のブログで、一つの出会いを紹介したが、この本番の日、もう一つの嬉しい出会いがあったのだ。国際フォーラムの会場控え室につくと、なんと岸本マエストラがいるではないか!岸本さんとは、中野のスタバで思いがけず再会し、一音入魂とアマデウスオーケストラを主宰する指揮者の曽我大介さんと仲良しだということは聞いていた。だから、遊びに来たのか(笑)と思っていたのだが、話を聞いてみると、アマデウスオケに練習をつけていたというのだ。うーむ、なんてことだ。やはり中野のスタバで再会したのは運命的な結びつきだったし、二重のセレンデピュティということになるのだ。このあたりの経緯は私の下記ブログをご覧いただきたい。彼女の麗しき絵姿も貼り付けてありますから。

http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-e0ec.html

舞台が跳ねて、「打ち上げ」にも一緒に来ていただき、親しくお話も出来た。一音入魂合唱団には、岸本さんが指揮をした、去年の藝大アーツ出演者も多くいるので、彼女を囲んで盛り上がった。そして、今年の藝大アーツでも、岸本マエストラの指揮で歌えたら幸せだな・・・・・ということになった。この後、彼女と合唱団のO嬢、私の三人がある暴挙(笑)に出るのだが、これはここでは書けない。まあ、打ち上げの席ということでお許しいただきたいのだが、それだけ今年の藝大アーツにかける思いが熱いのだ。

さて、この日のコンサート。歌友のA氏が客席最前列に陣取って、動画を収録してくれた。なかなか良い音で収録できているのでここにご紹介したい。録音・録画自体問題ないのかどうか定かではないのだが、アマチュアの演奏だから問題ないのかな。ただし、1812年の後半部分は、目の前がバンダだったので音が潰れてしまっている。


http://www.youtube.com/watch?v=MOQvu4l9QCw
http://www.youtube.com/watch?v=BFhJx26voO0

http://www.youtube.com/watch?v=rCZl4ubOG5Q&feature=g-upl
http://www.youtube.com/watch?v=2NmfuyfTNnw&feature=g-upl

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2012年4月25日 (水)

音楽が産む出会い

音楽は様々な出会いをもたらしてくれる。また思いがけない出会いがあった。

ただ今現在、一音入魂合唱団というテンポラリーに活動する合唱団で歌っている。一音入魂とは妙な名前だが、読んで字の如し、説明は不要であろう。一つの音に魂をこめる素晴らしさを表現したのだと思う。余談だが、私の会社の事業説明会で「一品入魂」という言葉が出てきて笑ってしまった。一品入魂は一般的な用語なのだろうか?

この合唱団に入ったのは最近である。家庭の事情(介護問題)で丸の内合唱団ともう一つの某オケ合唱団の掛け持ちが難しくなり、前者は休団中で、ある事情からマルガツへの復帰はまだ先のことになるだろう。その点、一音入魂は練習が不定期で出席率の縛りも無く、そのかわり練習時の音源が完璧に備えられている。自習も可能ということだ。オケつきの演奏でこれがまた楽しい(アマデウス・ソサイエティー管弦楽団)。

次回の出演は、ラフォルジュルネジャポンで、国際フォーラムの無料コンサートに出演する。合唱の曲目はボロディンの歌劇イーゴリ公から「ダッタン人の踊り」とチャイコフスキーの1812年序曲。そのオケアワセが今週の日曜日にあった。

オケも合唱もお互いにアマチュアだから、当日、いったいどんな演奏をするのだろうとかなり意識する。オーケストラは大変立派だった。練習が始まる前にどんな人たちが演奏しているのかな・・・・と何気なくオケを見渡すと・・・・・「あれ」私に向って大きく手を振っている女性がいるではないか。「まてよ」・・・そして「まさか」になって、喜びが溢れてきた。

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そうそう、彼女はあのときのコントラバスのトップを弾いていたんだ。昨年の2月に銀行合併五周年記念行事としてサントリーホールで「第九」の演奏会があった。銀行の合唱団とオーケストラの合同演奏会だ。私はある事情から銀行の合唱団には参加していないのだが、このときは人数が足らず助っ人として参加した。この演奏会で一番印象に残った人がこの女性、石垣夏穂さんである。練習のとき指揮者から罵倒されながらも本番で最高の演奏をしたコントラバス奏者である。

http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/index.html

再会を喜ぶべく、彼女のところに駆け寄った。私は、握手をしたら失礼かな・・・・とか思っていたのだが、彼女はいきなり抱きついてきて・・・・といっても欧米でよく見る挨拶・・・・・ハグハグしてしまったのだ。もちろん、練習会場では大勢のオケや合唱の団員でごった返していたので、ちょっと注目を浴びたに違いない。流石にちょっと恥ずかしかったせいもあり、私は満足に話もせずに席に着いてしまったのだが、とても嬉しかった。

彼女は何事にも熱心だし、爽やかで誠実な女性。しかも美人なのである!!音楽がもたらす出会いの素晴らしさに今日も感激した。

参考までにコンサートの情報は下記
ラフォルジュルネジャポン(熱狂の日)
5月3日午後4時30分~5時30分
東京国際フォーラム地下2階展示ホール「キオスク」
コンサートの名称は「ナマオケサロンby曽我大介」です。
無料コンサートですが、入場には一連のイベントの有料公演のチケット半券が必要です。

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曽我さんの指揮、本当に素晴らしいですよ。ぜひ聴きにいらしてください。


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2012年2月21日 (火)

幸せなセレンディピティ

また、幸せな出会いがあった。

私は現在、家庭(介護)の事情や音楽上の考え方から、丸の内合唱団を休団している。しかし、ひょんなことから、別の合唱団に呼ばれることとなり、練習を開始した。

「一音入魂」という合唱団である。指揮者の曽我大介さんが主宰するアマチュア合唱団で、同じく関係の深いアマデウス・ソサイエティーOと、今年のラフォルジュルネ音楽祭で演奏をする・・・・というもの。

曲目はチャイコフスキーの「1812序曲」とボロディンの「ダッタン人の踊り」。ラフォルジュルネはマルガツとカブるのだが、オケ付きの方が楽しいし、練習回数も少なく出席率も問わないので、家庭の事情をかかえる現状の私の環境からすれば気楽なのだ。音取り音源、ディクションCD、練習の録音までネットにアップされていて大変手厚い対応も気に入っている。

そんなことで、先週の某日いそいそと練習会場に向った。会社から中野駅に行く途中、スターバックスの前を通りかかった。いつもは足早に通り過ぎるのだが、視線にちょっと気になる姿がかすった。立ち止まり表からよくみると、うつむき加減なのだが、どこかで会った人に似ている。思わず店内に入り込み、「岸本先生?」と声をかけたのだが、果たして岸本マエストラその人であった。

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指揮者の岸本祐有乃さんは、昨年の藝大アーツ「カルメン」で指導いただいた大変素晴らしい指揮者である。中野で偶然会えたのは驚きであった。「岸本さん、なぜ中野に来ているの?」と思わず聞いたのだが、昔住まいしていたことがあって、時々買い物などに出没(笑)しているらしい。

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問わず語りに、これから合唱の練習に行くことを伝え、「一音入魂」や曽我マエストロのことも口にした。そうしたら、「私、それ知ってるわよ! この間曽我さんに会って聞いたから」と返事が返ってきた。また驚きである。音楽業界は広いようで狭いのではあるが、ここまで符合したのにはまたビックリ。なんでも、彼女がウィーンに留学していた頃から、曽我さんにはお世話になっているらしい。

岸本さんには「今度、カルメンの仲間と一緒に食事でも!」と約して、東陽町の練習所に向った。一音入魂」合唱団は、イベントの都度団員を募集する形態をとっているようなのだが、今回は男声が圧倒的に少ない。初回の練習のときにバスが5人しかいないのには不安を覚えた。

不肖私も歌友2名に声をかけたのだが、今回(2回目)出席簿をみて、またまたビックリ。なんと、私がもう一つ入っている某合唱団の某名物団長の名前がそこにあったのだ。おっとり刀で登場した某団長に問いただすと、彼は「一音入魂」の創立メンバーである由。やはり、広いようで狭い業界なのだな(笑)。

このブログをお読みの諸氏。男声はまだまだ不足しているので、ぜひ参加していただきたい。既に書いたように、出席率不問だし、音源など環境は非常に整備されている。本番は5月3日である。某合唱団のYOさん、私の同僚のYKさん、もったいつけないで入ってくださいな!

一日のうちに嬉しい出会いが二つもあった。自慢と受け取られると恥ずかしいが、私の引き寄せる力=セレンディピティをまた実感してしまった。

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2012年1月 3日 (火)

歌で一年を繋いでゆく!!

皆さん、あけましておめでとうございます。新しい年も、この「ゆびじぶ」ブログにどうかお付き合いください。

さて、新年早々風邪を引いてしまった。また、腰痛も出てきた。風邪は強い薬を飲んでいるので、大事には至っていないが、年末の疲れだろう。三日連続のコバケン第九の合唱。そして、大晦日の恒例丸の内ガラコンサートがきつかったのかもしれない。

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直接的には、ガラコンサートの寒さ。上の写真をご覧いただきたい。背か高いので、例年最後列で合唱しているのだが、背後のガラスから寒気が襲ってくる。寒気の中、歓喜の歌を歌うのだ。写真の紫色の光線がまさに寒気(笑)。カイロをはったり、ヒートテックの下着を着たり防寒には怠り無いのだが、今回は2時間もあったので、流石に寒かった。あと、2時間立ちっ放しだと腰に来る。四捨五入で60歳だから、身にこたえる。

でも、年と年を歌い繋いでゆくのは特別の感慨がある。今年のガラコンサートは、盛りだくさんで、竹山愛さんのフルートコンチェルトにはじまり、第九女声ソリストのオペラアリア、男声イケメングループのJADEメンバーのオペラアリア、恒例の第九、JADEの「リヴァイブ」などなど。特にバス・バリトンの北川辰彦さんは、私が所属する某プロオケ付属合唱団のヴォイストレーナーで、今回は第九のソリストを歌った。舞台で共演できるのはとても嬉しいことだった。

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合唱の出来は良かったようだ。お世話になっているマネジメント事務所の社長さんが褒めていたというし、指揮の神尾先生からもお褒めをいただいた。一方、かなり手厳しい意見もいただいた。男声の迫力不足、女声のハーモニーが出来ていない・・・などなど。美しい第九を標榜したのだから迫力が足りないという批判もあるかもしれない。私自身は思い残すとことなく歌えたのだが、第九に賭けるパッションや一人ひとりの第九への思い、メッセージが不足していたのかもしれない。これは反省点である。また、練習期間が短く、新規入団者も歌えてしまうので、技術的に問題が無くはなかったと思う。較べるのは酷であるが、第九だけで練習に最低3ヶ月は欲しいところである。

オーケストラはとても良かった。特にチェロ・バスの低弦は非常に充実していた。チェロにN響の手だれが入っていたこともあるかな。管楽器も昨年に較べて良くまとまっていたと思う。バイオリンが薄く聴こえるのはホールのせいかもしれないが、もう少し増員したほうが良いと思う。

今年はどんな歌が歌えるか、楽しみである。

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2011年12月28日 (水)

男泣き!の第九

コバケンこと小林研一郎指揮日フィルの第九、三日連続演奏会が終了した。

このところ、第九の記事ばかりだか、シーズンなのでお許しいただきたい。それにしても、コバケン日フィルで三日連続で第九の合唱を歌わせていただくなんて、本当に感謝というほかは無い。

今年私は職場(会社)がかわったのだが、その新しい職場の同僚がクラシック好きであることを知り、「第九を歌わないか」と強引に日フィル合唱団に誘った。同僚の彼は、合唱も初めてではじめは尻込みしていたが、本当にマジメに練習に通った。そして、一日目のサントリーホールでの第九では、第一楽章で不覚にも涙が出てきたという。勿論、感動のあまりである。そして、昨日の三日目最終日は、第三楽章でやはり泣けてきたのだという。第九で男泣きか! なんて素晴らしい感性豊かな同僚なんだろう。コバケンの感情移入たっぷりの指揮の姿と三楽章の愛しむような美しいアダジオを聴けばさもありなんである。私も思わず目頭が熱くなった。

第3楽章アダージョ。素晴らしく美しい音楽だ。「第九が3楽章で終わってくれたら、どんなにか嬉しい」と言った人がいたそうだ。4楽章の合唱は例えようもなく偉大な音楽だが、第九全体から見れば異質とも感じられる。その点、3楽章はただただ美しく、「ベートーヴェンのアダージョで最も美しい」とか、「ベートーヴェンが書いた最美の音楽」ともいわれる。でも、私にとっては「世界で一番美しい音楽」なのである。

さて、我々合唱団の出番である第4楽章について。最終日はオペラシティ タケミツ・メモリアルホールであった。このホールの響きは素晴らしい。ピラミッドの内部のような構造で、ゲネプロの時は残響が大きすぎてビックリしたが、客席が満席になるとかなり落ち着き見事な響きになる。しかし、1600席とやや小ぶりなのと残響が豊かなので、強い音だと飽和状態になりやすいようだ。

そんなことも影響したのだろうか、コバケンの合唱団への指示を聞いて驚いた。一つはドッペル・フーガの後「R」の終結、ソリストの四重唱前の「liber Vater wohnen」の部分。wohnenをソプラノ以外のパートを「ハミング」で歌わせたのだ。コバケンはデューナミク(音の強弱)を大胆に表現するが、これは極致だ。確かに、父なる神が星空の彼方にいるに違いない・・・という願望と確信がこのハミングに託されているのだ。

もう一つ、第九のハイライトともいうべき威勢のいい「M」の部分(Freude schner Gotter funken・・・)を、なんと「イタリアの愛の歌」のように歌えというのだ。初日のサントリーの時から、「パッションが必要。しかし、大きな声はいらない。美しく深く豊かな声で・・・」とのダメだしがあったが、まさかMを愛の歌とは・・・・・。そして、コバケンは自らピアノのところに行って、有名なイタリア民謡「カタリ、カタリ」を弾きだしたのだ。そのピアノの上手なことといったら。

このことをフェイスブックに書いたら、2人の「顔友」から賛同のメッセージが届き嬉しくなった。1人は「ベートーヴェン自身が振ったならば、案外こういったタイプの演奏になっていたかもしれないなあと思ったりします。最後は、楽譜の呪縛から自由であることがとても重要です。」 そして、もう1人は「第九はやっぱり、愛の歌だと思います」と断言された。

そうか、第九=愛の歌 はおかしくないのか。そこで思い出したことがある。もう5年位前のことだろうか、鎌倉の市民合唱団で歌った第九。日本語の第九のことである。訳詩は歌謡界の大御所 なかにし礼である。彼の詩は、バス合唱の歌いだし「フロイデ」を「あい」と歌うのである。Mの部分を見てみよう。以下のようになる。

愛こそ歓喜にみちびく光

さえぎる苦難を越えて進まん

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そして、終演後の打ち上げ会でのコバケンの言葉。楽譜は単なる音符や記号の羅列でしかない。その行間、そこに作曲者のどのような思いが込められているのかを見つけるのが音楽家の仕事だと・・・・。まさに音楽は再現藝術であることを端的に語っている。先に紹介した顔友の言葉「楽譜の呪縛から自由であれ」とも通じるところがある。彼自身、この解釈はやりすぎではないかな・・・と思うことがあるという。しかし、これはベートーヴェンが許してくれるのではないか、否ベートーヴェンが求めているものに違いないという確信を持って指揮するのだという。

コバケンの第九は独特である。誤解を恐れずに言えば、ベートーヴェンの第九というより、コバケンの第九に近い。しかし、それは彼が何百回と第九を指揮してきたなかで醸成・熟成された解釈で、これをあれこれ評する意味は無に等しいと思う。それほどコバケンは第九を研究しつくし、それでも時に解釈に迷う時は「ベートーヴェンが現世に降りてきてくれないかと祈りを捧げる」という。一方でコバケンは「今日の演奏は、少しでもベートーヴェン(の理想に)に近づけたかもしれない」という謙虚な気持を常に忘れないのだ。まことに真に偉大な指揮者といえよう。

我々合唱団は、小林研一郎の指揮で第九が歌えて本当に幸せである。

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2011年12月26日 (月)

世界一演奏の難しい第九とは

25日、今年の第九の初日を歌った。コバケンこと小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー、@サントリーホールである。

ご存知のように、日本ほど第九が愛され、数多く演奏される国はない。だから、日本のオーケストラ、日本人のソリスト、日本人の合唱が世界で最も上手い第九の組み合わせ・・・などといわれるほどである。中でもコバケンの演奏回数は推定だが500百回を超えてダントツなのではなかろうか。

ところが、コバケンの第九こそ、合唱を含む演奏者にとって最も演奏が難しい第九だと思うのだ。それは、コバケンの解釈がとても奥深いからだ。緩急自在のテンポの揺れ、デューナミクの振幅、歌詞の解釈などなど、どれをとっても良い意味で他の指揮者の追随を許さない。すなわち、演奏者に対する指示や期待のバーが高いのだ。日本フィルはプロだし何百回も一緒に演奏しているから、勘どころは押さえられるが、我々合唱団はアマチュアだから、付いてゆくのに必死である。

さて、今日の第九はどうだったのか。第一楽章から、実に心のこもった指揮ぶりで圧倒された。「炎のコバケン」という愛称もあるくらい、常に熱い指揮をするのだが、今日は格別に思い入れが強いような気がした。いつも発せられるうなり声が影を潜め、全身全霊を音楽に捧げるといわんばかりの、力の入った演奏であった。彼の第九はベートーヴェンの第九ではなく、コバケンの第九である・・・・などという人もいる。しかし、今日の演奏は、まるでベートーヴェンが彼に乗り移ったような、いやベートーヴェンとコバケンが一体化したような演奏ではなかったか。聴いていて思わず胸が熱くなる。我々自身が高揚してゆくのが自覚できる。合唱団の私の同僚は聴いていて「涙が出てきた」ともらしていた。

合唱の出来は歌っている本人にはなかなか分からない。ゲネプロで、コバケンから厳しい指示も飛んだが、本番は気持ちよく歌えたので、悪くはなかったはずだ。ただ、サントリーホールのP席で歌うと、指揮者との距離が遠いうえ、階段の傾斜がきついので、合唱としてのまとまりを取りにくいように思う。合唱にとって難しいホールなのだ。

26日は横浜みなとみらい、27日はオペラシティと三日連続で合唱を歌う。コバケンの思い描く第九の世界、ベートーヴェンが第九に託した思いに、一歩でも近づくころができるよう精進したいものだ。

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2011年12月15日 (木)

今年初めての第九!

今年初めての第九・・・・歌ったのではなく、聴きに行った。

合唱を始めてこの方、第九とは歌うもので聴くものではないという思い込みがあるが、今回は歌友が合唱で出演するので、久しぶりに聴く側に回った。演奏は熊谷弘指揮 グレイトアーティスツ・イン・ジャパン・シンフォニーオーケストラ 合唱は東京混声合唱団+第九を歌う会 という顔ぶれである(ソリストは省略)。@東京文化会館。

このコンサートは、熊谷弘が「第九と皇帝」というイベントを企画、今年が31回目になる大変な年末長寿演奏会である。熊谷自身も御歳79歳と高齢で、日本の指揮者としては最長老の部類に入るだろう。いずれも大曲である皇帝と第九を振るわけだから、ちょっと体力を心配していたが最後まで雄弁に振り切り、心配は杞憂に終わった。

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ただ、歳のせいなのか、もともとなのかは分からぬが、指揮棒の打点がやや不明確なうえ、操り人形のような指揮ぶりなので、演奏者はさぞや緊張を強いられたに違いない。もっとも、かの有名なフルトヴェングラーも「操り人形」と形容され、アインザッツがなんとも不明瞭で、その緊張感が名演を生んだと伝えられるのだから、一概に不味いとは言えまい。

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熊谷が紡ぎだす音楽は、一言でいうと優しさ。悠々としていて慈愛に満ちている。熊谷の人間性がなせる業だろう。このため、第九では第三楽章が一番楽しめた。特にバイオリンパートの愛しむような美音が素晴らしい。説明が後になったが、このグレイト・・・・・というオケは、在京の腕っこき奏者を集めた臨時編成の楽団である。顔と出演表を見る限りではN響が圧倒的に多いようだ。例えば、コンサートマスターはこれまたN響コンマスの山口浩之、フルートの神田寛明、トランペットの関山幸弘、ホルンの今井仁志などN響の現役トップだし、他の首席奏者も名だたるプレイヤーだ。最初は、アンサンブルにもイマイチ感はあったが、楽章が進むにつれて素晴らしいハーモニーになってきた。

さて、第九といえば合唱の第四楽章である。客席で聴いていても、思わず身体が揺れ、歌いだしたい気持でいっぱいだった。まずアマチュア合唱団は約200名の大群で、半年前から練習に励んできた。そこに、プロの東京混声が加わるのだから、大変な迫力である。特に男声が素晴らしく立派であった。女声は響はきれいなのだが声量が不足気味で、やや不安定。これは私の聴く位置が12列と前過ぎたことがあるかもしれない。しかし、女声の最大の難所である「uber sternen ・・・」やドッペリフーガなど要所は大変立派であった。惜しむらくは、アマチュアの至らないところなのだが、「笑顔」が少なかったこと。折角の歓喜の歌なのだから、晴れ晴れと歌ってこそである。

ソリストはアルト以外やや声量不足。これも、私の席の位置のせいかもしれない。面白かったのは、東京混声に「楽太郎」がいたこと。楽太郎とは・・・・本名が思い出せないのだが・・・・丸の内合唱団の第九でソリストとして歌ったテノール歌手で、顔が似ているので口の悪いメンバーが「楽太郎」と呼んだのである。でも、こうして知った顔に出会うのは大変嬉しいことだ。

やはり第九は聴くのではなく、歌う曲だなと思いつつ、上野の森を後にした。

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2011年12月13日 (火)

鳥肌のたつ演奏会!

先週土曜日、鳥肌のたつ演奏を聴いた。

歌友がメンバーである「SINGS」という混声合唱団のクリスマスコンサート。場所は渋谷の東京山手教会だった。

渋谷の山手教会というと、我々の年代は教会地下にあった「渋谷ジァン・ジァン」を思い出す。いわるるアングラの劇場で前衛劇を盛んにやっていた。私は観にいったことは無いのだが、それほど有名だった。いまは、カフェMIYAMAになっている。

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閑話休題。この教会は、「1000人会堂」とも呼ばれる収容力があるらしいが、椅子席は300人程度か。こじんまりとした可愛い教会である。プロテスタント(日本基督教団)なので、装飾は無いに等しく、祭壇中央に黒の十字架が立っているのみである。ただ、天上がかなり高いため、残響は非常に心地よい。渋谷というと雑踏がいやで、私にとってできれば避けたい街なのだが、こんなところに心の安らぐ場所があるのは救いである。

しかし、冬の教会は寒い。ダウンコートを着ていったのだが、寄せ来る寒気に身体の芯から冷えた。暖房も入っているのだろうが、建物自体がコンクリ造りのうえ、コーラスが入退場する際に背面の扉が開いて、寒気がどっと入ってくる。「歓喜の歌」はいいけれど、「寒気の歌」はごめんだ。まさに、鳥肌がたつコンサートだったのだ。

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SINGSはパンフレットによれば、「好きな歌を好きなだけ、シンプルにかつ楽しく、そしてやっぱり上手に歌いたい・・・」こうした想いをもとに、演奏会を企画し、終了後は解散するという独特の形態の合唱団である。今回のコンサートも練習を始めたのが半年ばかり前との説明だったが、演奏はとても満足の行くものだった。テンポラリーな活動だが、メンバー一人ひとりの技量が確りしているからだろう。

http://music.geocities.jp/ensemble_sings/2011.htm

コンサートの曲目・プロフィールなどは上記のHPをご覧いただきたい。第一曲から、ハーモニーの素晴らしさに圧倒された。周到に各声部が積み重なり、ピアノからフォルテまでのデューナミクも非常にうまくコントロールされている。掛け値なしに実際「鳥肌のたつ」演奏であった。指導者の小林香太の力量も優れているのであろう。

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特に第一部が秀逸。曲も素晴らしいのだ。「祈りを歌う」と題されていたが、北欧の現代作曲家による「詩篇」や「福音書」をテクストとした作品や、あるいはバッハの「カンタータ」を主題にした合唱曲。どれもが、シンプルなメロディラインをベースに、声部の目のつんだテクスチェアがとても美しい。北欧の澄んだ空気を感じるし、まるでダイヤモンドダストを浴びているような感覚さえする。各声部よく訓練されているが、特にテノールの弱音の美しさには感心した。ソプラノの声の伸びも綺麗だ。

第二部のアラカルトを経て、第三部はクリスマスキャロル。キャロルも有名曲ばかりではなく、本当に歌いたい美しい曲をチョイスしてある。そして、締めがヘンデルのメサイアの終曲、Worthy is the lamからアーメンコーラスへ。私も丸の内合唱団の定期で歌ったが、教会という環境のよさもあるにせよ、上手い合唱団が歌うと違いは歴然と思い知らされた。

今年も良いクリスマスが迎えられそうである。

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