2009年3月20日 (金)

ユーミンの苦い思い出

丸の内合唱団がユーミンと「夢の協演」をすることは昨日ブログに書いた。正確には女声合唱団なので、男声はおいてきぼり。

歳がばれるが、ユーミン、つまり松任谷由実は大学時代の思い出のシンガーである。いや、荒井由実と言ったほうがよいだろう。なんといっても同じ年だから。私の青春時代はユーミンとともにあったといって過言ではない。アルバムだけを思い出しても初アルバムの「ひこうき雲」に始まり「MISSLIM」「コバルトアワー」「14番目の月」など初期のものは皆持ってた。なにせ、学生寮の寮誌(ルシェルシュ)でユーミンについての評論(エッセイ)を書いたんだから、筋金入りのファンだったわけだ。

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「ひこうき雲」のジャケットにはシビレル。まるでクラシックのジャケット。それもそのはず、ユーミンが好きだったバロック・教会音楽の殿堂「アルヒーフ・レーベル」を模したものらしい。

歌は大体歌えるが、なかでも「返事はいらない」「やさしさに包まれたなら」「瞳をとじて」「海を見ていた午後」「航海日誌」などなど、好きな歌は数え上げたらきりがない。もちろん、今回コラボレーションする「卒業写真」も大好き。イントロのホルンのソロを聞くだけで、肌がぞくぞくっとするほどである。まさに青春の思い出なのだ。

大学を卒業して銀行に就職したとき、同期の女性にこれら愛聴していたレコードを貸した。ところが、彼女はしばらくして退職してしまった。結局レコードは返らずじまい。このときから、私の女性不信が始まったのかもしれない(笑)。今となっては、ユーミンの苦い思い出である。

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2007年12月25日 (火)

土屋アンナと千住真理子

土屋アンナと千住真理子。この取り合わせはありえないと思いますか?

NHKハイビジョンの特集番組「千住真理子と過ごすハイビジョンの一日」(12月21日放映)を見ました。過去放送されたNHKの番組の中から千住さんがチョイスして一緒に楽しむという趣向です。そこで思いもかけず感動したのが「宿坊:ココロとカラダが満ちる旅(2007年7月16日放映)」シリーズで土屋アンナが恐山菩提寺に一泊二日の修行にゆくという番組です。土屋・千住の種明かしは後回しにして・・・・・とにかく内容がすごいんです。とても感激・感動したので、少々長くなりますが番組の中身を書き出してみました。

若者のファッションリーダーである土屋アンナがなぜか恐山に修行に行く。恐山はあの世と見まごうばかりの恐ろしい景観。「三途の川」を茶化しながら渡るアンナ。

住職の南直哉さんから、修行の心得の説明(所持品をいったん没収)があったあと座禅へ。この南住職は脱ラサ後、永平寺で20年修行した坊さん。眼光鋭く威厳あるが、どこか親しみやすい感じもする。

アンナの座禅の姿を見て、南住職「不摂生のせいで内臓が悪い」と喝破。

アンナ「よく分かったね。私は本当に内臓が悪い。でもみんなが心配するから黙ってる」

次は写経。アンナが筆を持つのは小学校2年以来とのことだが、とても丁寧に書くアンナ。綺麗な字だ。

南住職「あんた、真面目だねえ。いやーおどろいたよ。最初から終わりまでまったく同じペースで書いたでしょ。普通そういう緊張の状態の中で最後まで書けない。あんたそれだから普通の人の倍疲れる。手を抜くことをまったくしないし、手を抜くという意味も分からない、真面目な人だ。」

一日の修行を終えて、

南住職「いやでなかったら教えていただきたいんですが、本当に自分がやる気になってここに修行に来たのですか?」

アンナ「私のイメージは強い女。ロック歌手、映画もヤンキー役とか・・・・・涙で言葉に詰まる」

南住職「そうですね。たぶんそうとしか見られないですね」

アンナ:大粒の涙をこぼしながら・・・「だったら、見た目が悪いから悪い人間か?タバコすってるから気が強い性格かとか・・・と思っているような人間が大嫌いで。わたしがこの修行をすることで、なにかが変わったらいいな。外見で人を決め付ける人たちを(自分も含めて)変えたいと思って来たのです。今はそうした周囲が思っている役とか、イメージを壊さずにそのままやり続けているが、本当はもうイッパイイッパイなんですよ」

南住職「だろうね。そう思うよ。でも、本当の自分じゃないような気がするといって、本当の自分を探そうとすると・・・・これはたぶん見つからないね。当たり前でしょ。どうして見つからないと思いますか?」

アンナ「本当の自分ってなんだろうと思う反面、今のこれが自分だと思う。その時点で答えが見つからなくても、それは自分自身の脳が決めていることだから、それも自分だし・・・・」

南住職「あなた、頭いいねえ。そのとおりだと思う。本当の自分はなんだろう・・・と考えることのほうがすっと大事。もっといえば、その疑問は悩むに値すると思う。ただ、取り扱いを間違えるとこの疑問は非常に危ない。考えることに意味のあることだが、答えを出すことにはたぶん意味が無い。あなた頭がいいなと思ったよ」

アンナ「そういえば、私の夢ときかれると、昔から海岸に小さな家を建ててイルカと泳ぐこと・・・・と答えていて今も変わらない。でも、ふと考えるとこんな夢でも今は無理だな。スケジュールがイッパイでと愕然とする」

南住職「あんた、そりゃ休まなきゃダメだな。でも、あなただけじゃなくて、休むって難しいこと。がんばるほうがずっと楽なんです。人間にとって、休むということは意識的な努力が必要。たいていの人は休むと称して遊んでいるだけ。道元禅師は、座禅のことを万事を休息するといっている」

南住職「わたしは貴女がこのまま突っ走ると、生きていること自体を損傷するような気がする。そうすると、それはあなたの不幸にはとどまらない。一番まずいのは息子さん。息子さんはあなたが頼りですから、あなたが傷つくということは息子さんは二倍傷つく」

アンナ:眼を伏せるアンナ・・・「私泣き虫なの」

南住職「これは、僕なんかが言わなくてもあなたが一番分かってることでしょ」

就寝時布団を敷きながら

「南(住職)さん好きよ。ちゃーんと見ていて、ちゃーんと理解してくれる。物事をちゃんと言ってくれる。これからは、子供のために、酒の量を減らして、ご飯もちゃんと食べる」

修行終了後に

南住職「自分は仏教をえらび、あなたはアーティストの道を選んだ。そこに自分の生きる道があり、自己を表現する場がある。でも、あなたは別にアーティストにならなければいけなくて生まれてきたのではない。ただ、でてきたのですよ」

アンナ「そう。そうなのよ。」

南住職「そうなのよって、勝手にわかられちゃ困るんだけど・・・・」

アンナ「でも、みんな勘違いしちゃうの。自分はこのために生きてきたんだって・・・・」

南住職「縁があってアーティストになって。だったら、その縁を豊かにしなきゃいけないんですよ」

千住真理子はこの番組をみてものすごく感動したという。土屋アンナの素直で、あたたかい人間性・・・そして自分自身の過去に重ね合わせていた。

千住さんのデビューは12歳。自分自身と世間が見る眼にすごいギャップを感じていた。とても重圧を感じ、悲しんだり苦しんだりした10代だった。当時は天才少女といわれ・・・・・自分自身はとてもいやだった。自分自身は努力してやっと弾けるようになったのに、世間はそれを認めてくれない。しかし、そう見られてる自分のように振舞わなくてはならない。しかしそれは、自分の意思とはまったく違う方向なのに。

千住さんは、この土屋アンナの番組を見ると、素直な自分になろうとしているのに気付くと評しています。確かに久々にすごい番組を見ました。南住職の言葉にもシビレますが、それと向かい合うアンナの純粋な心にも打たれます。そしてそれを讃える南住職・・・これはすごい高次元な魂のふれあいのように感じます。ホントに感動しました。

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