2011年3月 7日 (月)

雨に唄えば♪♪

新聞の広告でDVDの買い物をした。

「不滅の名作洋画コレクション」と銘打った選集で、DVD70枚がなんと10,500円の安さである。なつかしの名画で版権が切れているからだろうが、それにしても1枚150円の計算だから、思わず衝動買いをしてしまった。「風とともに去りぬ」とか「ローマの休日」などの超名作も入っているが、興味深いのは、なつかしのミュージカル映画が10枚入っていることである。おそらく、朋友のS技術部長お好みの映画ばかりである。

残念ながら観る時間がないので、ゆっくりと考えていたのだが、昨日テレビ東京の「ミューズの晩餐」でミュージカル映画の大傑作「雨に唄えば」を採り上げていたので、こらえきれずに(笑)観てしまったのだ。

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説明も要らないくらい有名な映画だが、粗筋を話すと・・・・・ハリウッドの人気スター、ドン(ジーン・ケリー)とリーナは10本以上の作品で共演する名コンビ。世間も彼らの結婚は間近だと噂している。そんなある夜、ドンはコーラスガールのキャシー(デビー・レイノルズ)と知り合い忽ち恋に落ちる。やがてドンとリーナの新作の撮影が始まるが、時代はサイレント映画からトーキーへと転換期を迎える。彼らの作品も途中トーキーに変更。ミュージカル化され、なんとリーナの吹き替えをキャシーが務めることになり……。

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「雨に・・・」といえば、誰でも挙げる有名なジーン・ケリーの土砂降りの夜の街中のシーン。唄って、踊って・・・・彼の代表的なナンバーでもある。「ミューズの晩餐」によれば、このシーン、雨にミルクを混ぜて撮影したらしい。雨や水溜りがはっきりと映像化されるからである。この話を聞いて思い出した。わが国が誇る黒澤明監督が名作「七人の侍」で、土砂降りの雨のリアリティを増すために、雨に砂糖を混ぜた・・・という話を思い出した。まさに、藝術の域である。

http://www.youtube.com/watch?v=D1ZYhVpdXbQ&feature=fvwrel

しかし、個人的にこの映画が凄いのは、最後の「ブロードウェー・バレエ」のシーンであろう。
12分にも及ぶ、ハリウッドの贅を尽くしたセットと大勢のダンサー達の中で踊りまくるジーン・ケリーの素晴らしさにはため息が出る。そして、彼のからみが、ハリウッドダンサーの大御所、あのシド・チャリシー(チャリース)なのである。この部分を是非観て欲しい、評価して欲しいものである。

http://www.youtube.com/watch?v=7YWBOfsXsDA&feature=related

韓国出張の折に汗蒸幕(ハンジョンマッ)というサウナのようなところに行った。5~6人は入れるくらいの特大のピザ釜(笑)で、コッテリ汗が搾られる。余りにも熱いので、麻のムシロを被って入るのだ。写真はお店のホームページから。

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2010年11月21日 (日)

一音符の恋

The One Note Man・・・・・・「一音符の恋」はなかなか面白い映画だった。

韓国からの出張の帰り、国際線なのでAVのサービスがある。しかし、韓国は近く飛行時間は約2時間余り。長編映画を観ている時間はない。そこで、短編映画のなかから、クラシック音楽に関係ありそうな表題のこの映画をチョイスした。

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上映時間わずか15分の2008年制作のトルコ映画である。機内誌のクレジットによれば「オーケストラの一番奥の列で、誰にも気付かれずに、誰にも評価されない演奏をしているシンバル奏者。観客の女性に恋をした彼は、たった一つの「音符」に真実の愛を託すが・・・・」となる。

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クレジットを読むと、シリアスな感じもするが、実際はユーモアというか、ペーソスにあふれる好短編。オーケストラはドヴォルザークの「新世界」を演奏するのだが、シンバル奏者は真っ白な譜面に、音符が一つ書かれているだけ。本番前の控え室でも、シンバルに飲み捨てのプラスチックコップを置かれたり、女性演奏者がシンバルを鏡に見立ててお化粧をチェックしたり・・・・・笑えます。

ちなみに、ドヴォルザークの新世界交響曲は、全曲を通じてシンバルが地味に一度しか鳴らさないことで有名。シンバル奏者泣かせというか可愛そうな曲です。作曲者がシンバルが嫌いだったとか、恨みを感じていたという説もあるほどだ。

そのうち、演奏会に毎回足を運び、しかも最前列に座る美女が・・・・・シンバル奏者は演奏中は暇なので(笑)、彼女に視線を向けたりして気を引きます。彼女もまんざらではなさそうな様子で、彼を見返します。

ところが、指揮者が使いのものに手紙を託し、彼女に渡しに行きます。そこには「君との関係は終わったはずだ!」との走り書きが。そうなんです、美女は指揮者の愛人で、美女が視線を送っていたのはシンバル奏者ではなく、指揮者だったのです。

でも、そんなことは知らないシンバル君。彼女の気を引くために、シンバル用の金属?で作った音符に求愛のメッセージを書いて彼女の指定席に置いたりするのです・・・・・。「新世界」演奏の途中で、彼は彼女を追って演奏会場を飛び出してしまったり、なかなか波乱に富んだストーリー・・・・・・結末はハッピーエンドでほっとしました。

ユーチューブにおそらく予告編の映像が載っていますのでご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=RyYxrwQovwM

スペイン バリャドリッド国際映画祭特別審査員賞、トルコ シルクロード国際映画祭最優秀賞受賞

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2010年4月 8日 (木)

合唱指揮者・・・ほど素敵な商売はない!?

このところ出張が多い。今週も火曜日から今日木曜日まで、泊まりを含めて三日連続出張。火曜は京都の大学訪問、水曜日は富士宮と名古屋の取引先訪問、今日は浜松の大学で講義をしてきた。まさに東奔西走ならぬ「西奔西走」の毎日である。本業も大変厳しい状況で、ブログがご無沙汰になってしまった。

さて、前回予告したイギリス出張の時の「偶然」について書こう。合唱指揮者についてである。海外出張の苦しみでもあるし、楽しみでもあるのは飛行機での過ごし方。12時間も乗っていると体が硬直してくる。そうした苦しみの中で、機内での映画上映が唯一の楽しみ。今回も往復で何本か見たわけだが、興味深かったのが「The Choir」という合唱指揮者の奮闘振りを描いたドキュメンタリー番組であった。もちろん、合唱を嗜んでいる関係から見てみようという気になったのだが、飛行機がヴァージンだったので当然英語原典版。でも、大体の筋書きは理解できたのだ。

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この映画の粗筋をただ話すのでは、「偶然」にならない。実は、帰国して何気にテレビを見ていたら、同じ番組をやっていたのだ!これはやはり「偶然」以外の何物でもない・・・・いや、このブログの読者の皆さんなら、「引きの強い」私の場合は「必然」と思うかもしれない(笑)。日本での題名は、The Choir=「響け 町の歌声」になっていた。

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1975年生まれのギャレス・マローンは名門ロンドン交響楽団の合唱指揮者として活躍していたが、ロンドン近郊にある寂れた小さい町、サウスオキシーを指導に訪れる。サウスオキシーは第二次大戦中ロンドン大空襲で焼け出された人たちが移住して作った新興の町だが、周辺の町の住民から差別を受け、サウスオキシーの町の人々は自分達の町に誇りを持てないでいた。

なんとか町や住民を活性化したいとの願いから、ギャレスが招聘され8ヶ月の契約で町の合唱団を作ることになった。促成栽培の合唱団、しかも老若男女年齢も階層もばらばらでまとまりがつかない。合唱団員一人ひとりも自信が持てない。そん中、ギャレスが力を尽くして合唱団を一つに纏めようとする苦闘の日々。

最終的には、いまは廃止されている町のフェスティバルを復活させ、会場の野外ステージで街中の人に合唱を聴いてもらおうと考える。その準備として選んだのが、合唱団のレコーディングである。レコーディングすることで、合唱団のまとまりを図り、またレコーディングした音楽を街中に放送してイベントへの期待感を上げてゆくという手法である。レコーディングの場所は、なんとあのビートルズの「アビーロードスタジオ」!これには合唱団員も大喜びで、団結力も最高潮を迎える。

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さて、イベントの本番当日はあいにく朝から雨。でも、250人の合唱団の情熱が勝ったのか、そのうち雨も上がり本番では熱唱の渦の中に・・・・・・・こんな具合で大団円を迎えるのであります。終演後、合唱団員は涙なみだ、連れ合いに先立たれた老人から小学生にいたるまで感激の嵐。ギャレスに抱きつく人も多数。一方、街中の人が聴きにきたとも思える沢山の聴衆も、ブラボーの嵐で、サウスオキシーの町を誇りに思う・・・・といった発言が相次いだ。

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こうして言葉を連ねても、百聞は一見にしかず。DVDにダビングしたので興味のある方は私までお申出ください。本当に感動モノです。

私がこのドキュメンタリーに感動したのは、丸の内合唱団での体験の類似性があったことも大きいと思う。ネットで調べてみたら、サウスオキシーを舞台にしたこの番組は4回の連続もので、小学生からボクサー仲間、老人達にいたるまで、それぞれ様々な、普通の合唱団では味わえないようなイベントを通して、合唱団員の出会いや一体感、町の住民としてのまとまりを図ってきたところに面白さがある。これは、まさに「丸の内から音楽文化を発信する」マルガツの世界と一緒なのである。特に、アビースタジオでの収録の場面は、マルガツがわずか数週間の練習で臨んだ「フランク永井CDレコーディング」。そう、あのビクター青山スタジオでの収録に生き写しなのである。丸の内合唱団の創生期から昨年くらいまで、イベントの企画に携わった私としては、感無量の「偶然」の出来事。いや「見るべくして見た」ドキュメンタリーであった。

それにしても、合唱指揮者の仕事は大変だ。合唱のテクニックは言うに及ばずだが、まずもって団員の心を一つに纏め上げる人間性、そしてカリスマ性が不可欠である。そして地方自治体やその住民までも動かす情熱と行動力も欠かせない。マルガツでお世話になっている神尾さんも全く同じだと思う。丸の内合唱団は創立5年目を迎えた今、役員は勿論のこと団員各位もそうした意識を持って欲しいものである。

この番組の主人公ギャレスは、いまや英国ではカリスマ合唱指揮者なのだそうだ。ぜひ、下記の番組のホームページなどを見ていただきたい(番組ではちょいとお兄っぽいオタクな感じだが、wikipediaの写真は別人のようにカッコいい)。

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/100212.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3

http://www.bbc.co.uk/sing/choir/videos.shtml

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2010年1月24日 (日)

痘痕も笑窪

「あばたもえくぼ」・・・・「好きになると欠点まで好ましく見えること」(広辞苑)。

映画「アバター」を観た。大ヒット中の3Dムービーである。文句なしにリアルで美しい。確かに3D技術は素晴らしいが、CGもここまできたのかと思わせるような、細部にこだわった映像作りが見事である。

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3D映画にはいくつかの種類があるようで、映画館によって異なる。このため方式によってかけるメガネも違ってくる。私が観たのはワーナーマイカルで、もっとも簡単な偏光方式のメガネ。なんと持ち帰ることも出来るのだ。109は別方式でメガネには液晶シャッターが組み込まれているらしい(こちらは貸与)。

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三時間の大作であるが、ちょっと色々なストーリー=SF、アクション、もちろん恋愛、文明批判少々・・・・といったてんこ盛りで、素晴らしい映画だが、感動はしない。残念ながら「アバターも笑窪」にはならなかった。

私は年に2,3本しか映画を観ないので、長女のフィアンセの言葉を借りると、ラストサムライ+マトリックスのコンセプト。まあ、映像が斬新で楽しめるなら、見る価値はあるのだろう。

ヒットチャートを観ていたら、すごく気になる歌に出会った。Kalafina(カラフィナ)という女性3人のユニットによる「光の旋律」。なんとも言いようのない、美しく哀しく、個性的な趣を持った歌である。

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http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/kalafina/index.html

ネットで調べてみると、この歌の作曲者である梶浦由紀に行き着いた。アニメ音楽などを手がけ、一部のファンには「梶浦サウンド」という言葉で熱烈な支持を得ているという。教会旋法(フリギア旋法)などを使い、古風で(現代人にとっては新鮮)懐かしい雰囲気を作るのが得意なようだ。この「光の旋律」でも、彼女の中欧・東欧的なサウンド、木管楽器の深い響きに魅了される。

http://www.fictionjunction.com/

そういえば、PVでの寒々とした風景やKalafinaの衣装も、どこかロマ(ジプシー)の雰囲気を漂わせている。ぜひ聴いて欲しい(下記で動画が見られます)。

http://youcheck.blog32.fc2.com/blog-entry-6401.html

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2009年8月16日 (日)

藝大学長からのエール

「題名のない音楽会」は大昔から親しんでいるクラシック音楽番組。ギネスブックにも登録されている長寿番組だ。

先週、今週と45周年記念「伝説の名場面スペシャル」をやっていた。司会者は黛敏郎、武田鉄也、羽田健太郎、いまの佐渡裕へと続くが、どれもこれも懐かしい想い出でいっぱいだ。特に驚いたのは、30年前に録画された岡本太郎のピアノ。岡本はアンチ・音楽論者だと紹介された。絵画はどんな下手な人でも描けるが、音楽は楽器を介在しないと演奏できないからだという。なるほど、と思ったが、この言に反して、岡本太郎の弾くピアノは凄かった。ショパンの軍隊ポロネーズ。もちろん、完璧な演奏ではなかったが、グランドマナーというか堂々とした演奏スタイルは、分野は違うが、一流と呼ばれる芸術家は凄いと感じ入った次第。

また、美空ひばりの「トスカ」。「歌に生き恋に生き」の堂々たる貫禄。まさに、この題名からして、名実ともに美空ひばりに書かれた曲のようではある。

http://www.youtube.com/watch?v=HX2U_VN0jN0

さて、なぜかこの記念番組に、東京藝大学長の宮田亮平さんが出演していた。彼は、司会者の佐渡裕の友人で、佐渡の「題名のない」初回番組に友情出演したそうだ。なぜ、親しいか・・・・・宮田さんは生まれが新潟県の「佐渡」だから・・・・と発言していたが、なかなか宮田さんは面白い人である。いや、初めて尊顔を拝したが、フットワークが軽くユニークな人・・・・・とても学長とは思えないノリのよい人なのだ。爆笑問題のテレビ番組に出演するし、大学構内を自転車で乗り回す。私自身も、周りから「とても○○に見えない」と陰口をたたかれているようだが、私は「軽い」、宮田さんは「ノリがいい」レベルは違うが(笑)・・・・・親近感を感じる。

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このブログで宮田さんを採り上げたのは、もちろんマルガツで10月に藝大さんとのコラボレーション(オペラ・ガラコンサート)があるからだ。宮田さんの作品を見たければ、東京駅の地下、最近評判のグランスタに行ってみるといい。そこにある「銀の鈴」が宮田学長の作品である。彼はわが国有数の金属工芸家である。特に、シュプリンゲンというイルカをモチーフにしたシリーズは、銀の鈴でも見ることができる。

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宮田学長は、題名のない音楽会の番組の中でこう言っていた「題名のない・・・・はこれから美術とのコラボレーションをやったらいい」。また、「藝術に枠を作ってはダメだ」とも。藝術教育に携わる人たちへの要望として、異分野への挑戦をどんどんやってほしいという話だったが、私には丸の内合唱団へのエールに聴こえたのである。ほかの合唱団にないユニークなマルガツらしさを大切にしてほしいものである。

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2009年5月19日 (火)

傑作!天使と悪魔

話題の映画「天使と悪魔」を観にいった。

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いやー、面白かった。シリーズ一作目の「ダヴィンチ・コード」も良かったが、「天使と悪魔」も素晴らしい映画だ。前作は読んでから→観るだったが、新作は読まずに→観るで、ストーリーも分からず。しかし、息もつかせぬ展開で、アクション場面も多く、ハラハラドキドキ。数時間の出来事を追ってゆくストーリーで、人気ドラマ24(トゥエンティー・フォー)にあやかったのではなかろうか。スジを話してしまうとネタバレの危険があるのだが、最後のドンデン返しが凄いとだけ申し上げよう。

そもそもイコノグラフィー(図像学)の好きな私としては、トム・ハンクス扮するラングドン教授の専門分野が、宗教象徴学ときたひにゃ堪えられません。これは、ダヴィンチコードも同じ。さらに、四大元素に倣った殺人事件が連続するのだが、これはミステリーでいうところの「見立て殺人」。横溝正史でおなじみのアレです。かつてミステリーファンだった私にとっては大変なご馳走です。

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そして、私がこの映画を好きになった最大の理由は、ローマの歴史建造物がふんだんに登場すること。とりわけ、イタリアバロック建築の寵児、ベルニーニの建築・彫刻が謎を解く鍵になっていることである。ベルニーニの作品は大好き。かれこれ10年近くなるが、ツアーでイタリアに旅行した時に、自由時間を利用してベルニーニやボロニーニといった、バロック建築・彫刻の粋を観て回ったほどなのである。

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映画「天使と悪魔」には、このベルニーニの建築が沢山出てくる・・・・・というか、それほどローマはベルニーニの作品で満たされている。当時のローマ法王をして「ベルニーニはローマのためにある」と言わしめたくらいである。映画でも、ヴァチカンのサンピエトロ広場の列柱回廊、サンピエトロ大寺院のバルダッキーノ(天蓋)、ナヴォーナ広場の「四大河の噴水」、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会・・・・などなど、昔の旅行が思い出されてとても懐かしい。ヴィットリア教会には彼の代表作である「聖女テレーザの法悦」がある。金の矢を持った天使がテレーザの心臓を突き刺し、テレーザはその激しくも甘美な痛みに恍惚となる・・・・という極めて宗教的でありながら女の性を感じさせる彫刻は非常に印象的である。

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もう一つ挙げると、ヴァチカンの「コンクラーベ」。ローマ法王が死去した後、世界各地の枢機卿がヴァチカンに集まり、次期法王を選挙するカトリック信者にとっての一大イベント。カトリック・シンパの私にとっては興味津々である。そして、これも大好きな?秘密結社である。以前このブログでもフリーメーソンを採り上げたことがあるが、今回出てくるイルミナティはフリーメーソンの弟分(後継者)に当たるのだ。

前作のダヴィンチコードの時も、「宗教観に反する」としてカトリック教会の大反対があったのは記憶に新しいが、それに懲りず、今回の「天使と悪魔」はなんと大本山のヴァチカンに乗り込み、そこを舞台にしているのだからアッパレというほかない。案の定、教会からは撮影を拒否され、多くの建造物はセットを作ったという。モーツァルトがミサ曲を一度聴いただけで暗譜した・・・・いやそれ以上にミケランジェロの壁画で有名なシスティーナ礼拝堂のセットなどは、大変な労力をかけたに違いない。それだけをもってしても、驚きを禁じえない。

いずれにせよ、「天使と悪魔」は私の好きなものが満載で、面白くないわけがない。そうでない人でも、ストーリー展開だけで十分観る価値があると思う。

最後に、ネタバレにならないように・・・・・・最初の5分で怪しいと思っていた人物が、犯人だった・・・・・どんでん返しの末の結果論ですがね(笑)。

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2009年1月 4日 (日)

エディット・ピアフ~愛の賛歌を見る

つい見てしまいました。テレビ東京の映画特別番組「エディット・ピアフ~愛の讃歌」。

ピアフは母国フランスは勿論、日本でも有名なシャンソン歌手。映画の表題の「愛の讃歌」や「バラ色の人生」などを歌いシャンソン界に金字塔を打ち建てた。例えはあまりよくないが、オペラ界のマリアカラスのような偉大な存在である。ついでにいうと、映画の原題はラヴィアンローズ=バラ色の人生であり、愛の讃歌ではない。これは、日本では愛の讃歌の方が知名度が高いことを考慮してのものだろう。

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私は昔から彼女の歌が好きで、必ずしも美声ではないが張りのある力強い声、深い感情を湛えた素晴らしい歌い口、表現力には惚れ惚れする。一度聞いたら忘れられない独特の声である。この意味でも、マリア・カラスに似ているかもしれない。日本の歌手では、中島みゆきかなあ。

映画は、カットバック(回想部分)が多く入り組んでいてかなり見難いが、史実に忠実なつくりになっている。彼女の人生は、波乱万丈で貧困、両親との離別、売春宿への寄宿(親戚が経営していた。彼女自身は売春していない)、酒、薬物、最愛の人との死別・・・・など、ありとあらゆる苦難が襲い掛かる。しかし、ピアフは破天荒な性格ではあっても、常に自分を信じて、プライドを持ち、前向きに進んでゆく。そしてついに栄光を勝ち取る・・・・まあ、まさに100年に一度の天才であった。

そんな天賦の才能=声を持ったピアフであるが、新進作詞家レイモン・アッソがいなかったなら、彼女は大輪の花を咲かせなかったかもしれないところが面白い。ピアフはそれまで誰からも歌を教えてもらったことはなかったが、アッソは3年もの歳月をかけて、彼女を徹底的にしごいた。これにより、ピアフはキャバレー歌手から、音楽ホールの歌手へ、ついには米国カーネギーホールで歌うまでに成長したのである。

さて、彼女は生涯二度結婚をしたが、一番愛した男はプロ・ボクサーのマルセル・セルダン。セルダンには妻子がいたが、相思相愛、ピアフにとってセルダンは「人生をかえた唯一の男」と言わしめるほど、ピッタリの関係だったようだ。映画では、セルダンを愛しむように、「ばら色の人生」を熱唱する。

「私をしっかり強く抱きしめて、魅惑の言葉を聞かせてください。これこそ、バラ色の人生です。あなたが口づけする時は最高に幸せ。そして私は目を閉じてバラ色の人生を見るのです」

しかし、セルダンは飛行機事故で死んでしまう。その時のピアフの狂乱ぶりには胸を打たれる。そこで歌う歌こそ「愛の讃歌」である。

「空が落ちてこようと、大地が崩れ去ろうと、そんなことどうでもいいの。貴方が愛してさえくれれば、世の中どうなってもいいの・・・・・・・いつか、人生があなたを奪っても、あなたが死んでも、あなたが遠くへ行っても、あなたが愛してすれさえすれば平気。だって、私も死ぬのだから。私達は永遠の中に生き・・・・・」。

セルダンの死後、ピアフはモルヒネ中毒になるなど晩年は苦しみのうちにあった。しかし、死ぬ前(といっても48歳)に、雑誌の?インタビューに答えて話す言葉が素晴らしい。

「歌えなくなったら?」→「生きていないわ」

「死を恐れますか?」→「孤独よりマシね」

「女性へのアドヴァイスは?」→「愛しなさい」

「若い娘には?」→「愛しなさい」

「子供には?」→「愛しなさい」

主役のマリオン・コティヤールは熱演(アカデミー主演女優賞)である。

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2008年6月29日 (日)

インディ・ジョーンズ

久しぶりに映画を観に行った。本当に久しぶりである。「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」。

長女が最近観て、面白かったと奥さんに盛んに勧めるので、私も行くことになったのです。場所は横浜みなとみらいの109シネマ。今はインターネットで直接座席の予約ができるから便利です。しかも、○○歳以上の夫婦割引があるので、二人で2000円とは格安です。

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私は映画はほとんど観ませんが(時間がないよう!)、インディ・ジョーンズくらいは知っています。ご存知ハリソン・フォード主演の4作目。3作で完結のはずだったんですが、ファンのリクエストに応え、ハリソン・フォードが老体(といっても65?)に鞭打って登場したというもの。まあ、アドヴェンチャー娯楽超大作ですから十分楽しめたわけですが、映画好きの奥さんに言わせれば、「なんでもあり」「今までのシリーズ集大成」だとか。

でも、ちょっと気になったのはストーリーの展開。ネタバレになるのをお許しください。冒頭のシーンで「エリア51」とか「ロズウェル」という言葉が出るので、ハハーン、この話は宇宙人が関係してるんだな・・・・・とすぐに判ってしまう。おそらく、日本では「エリア51」や「ロズウェル事件」を知っている人は限られているでしょうが、アメリカでは結構ポピュラーなんじゃないかな?最後に巨大なUFOが出て来るに及んで「やっぱりね」ということになる。世界の巨大古代遺跡は、宇宙人が作ったとの説もあるわけですから文句は言えませんが。まあ、そんなことにいちゃもんつけるのは邪道で、アドヴェンチャー超大作を純粋に楽しめばよいのですね。

そうそう、帰りに横浜で「浴衣」買いました。

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2008年2月 3日 (日)

ジュリー~~!

沢田研二がなぜジュリーと呼ばれるのかわかりました。彼はジュリー・アンドリュースのファンだからだそうです。

Photo_2 J・アンドリュースといっても若い人たちは知らないかもしれません。映画「サウンドオブミュージック」の主演女優(マリア役)です。4オクターブという驚異的な声を持ったソプラノ。私は幼いころ(笑)、新潟の映画館で三度も観て(僕にとっては三度オブミュージックなんです)以来のファンです。

2_2 先日、彼女の来日公演の番組を見ました。来日といっても1993年ですから、15年も前のこと。それを当時としては珍しくハイビジョンで収録していて、「よみがえる伝説のステージ」というタイトルで放映したのです。いやー、とても良い番組でした。彼女の素晴らしい歌声は勿論ですが、バックがNHK交響楽団、指揮がなんとアンドレ・プレビンなんですから。

3 彼女は1998年に声帯を手術してから「歌声を失った」状態にあるので、そういう意味からも貴重な記録映像です。収録当時は58歳だったはずですが、あの澄み切った、そして力強い美声は健在でした。おなじみのサウンドオブミュージックのテーマ曲やチムチムチェリーなどで楽しませてくれましたが、私が感心したのはガーシュウィンメドレー。ガーシュウィンのスタンダードナンバー自体私は大好きなのですが、なんとも丁寧に美しく歌ってくれて、鳥肌の立つ思いでした。彼女の最近のインタビューが番組の途中に挿入されるのですが、チャレンジの意味でガーシュウィンを歌ったと述懐していました。

これを受けて、プレビンが弾き語りで「ラプソディ・イン・ブルー」を熱演。実演では山下洋輔を聴いて圧倒された思い出がありますが(今でもベスト)、プレビンのピアノはなんともチャーミングでとてもリラックスさせてくれました。もう一曲プレビンはラヴェルの「ラヴァルス」を指揮しましたが、N響の熱演に支えられて迫力満点の演奏でした。今は80歳という老齢で、去年N響指揮で来日した時は、すっかり背中も曲がっていたようですが、このときはまだ60代前半で優雅で華麗なバトンさばきを見せてくれています。

4 最後は、エーデルワイスを歌い上げ、NHKホール満員の聴衆も熱狂。彼女も感極まって涙ぐむシーンもありました。それにしても、彼女のディクション(言葉使い)はとてもチャーミングで明晰。歌声にしても話声にしても、聞きほれてしまいます。翌日、同じ企画でライザ・ミネリの95年来日公演の番組も放映されました。彼女もその後病気で体重が増えてしまい声も出なくなったとのことで、これも貴重な映像なんですね。

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2007年6月18日 (月)

ハネケンとダジャレ

題名のない音楽会で羽田健太郎(ハネケン)の追悼番組をやっていました。千住明、大谷康子などゲストの方々の面白いエピソードにハネケンの温かい人柄がにじんでいました。

Profile_photo1_1 でも、最高だったのはピアノの盟友前田憲男さんのコメントです。ハネケンの演奏の素晴らしさの80パーセントは彼のダジャレにあるというのです。なぜか?芸術もダジャレもそのタイミングと発想・構想がポイントだから・・・というのが理由です。ダジャレの好きな私としては、勇気づけられてわがことのように嬉しくなりました(うぬぼれ!)。そうなんです、単にお調子者ではなくて、ダジャレを言う時は、アタマをフルに働かせているのですよ。

ハネケンのダジャレが聞けなくなるのは寂しいです。あとは池辺晋一郎先生よろしくお願いします。

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