2008年7月30日 (水)

真夏のトナカイ

久しぶりにトナカイに行きました。オペラサロン・トナカイです。http://www.opera.co.jp/

丸の内合唱団の仲間たちとです。皆さん、トナカイは初めてで、とても楽しんでいただけたようです。出演者は前川朋子さん(sop)、渡邊史さん(sop)、小城龍生さん(ten)、そしてピアニストの浅海由紀子さんです。

Maekawa Wataa Kojo Asaumi

前川さんは以前からのファンでマイミクさんでもあります。予め聴きに行きますとお伝えしておいたら、「いい歌冷えてます・・・」と返事がきたので、私からは「トゥーランドットのTu che di gel sei cinta「氷のような姫君の心も」とか、
あるいは、涼しげな水の女神ルサルカの「月に寄せる歌」なんかどうでしょうね。」とお返ししました。 そうしたら、本当にルサルカをとっても感情豊かに歌ってくれたのです。感激!彼女は名前が月×2つなので、これをもち歌にしたいと言っていました。曲想も前川さんにピッタリですね。青いドレスもとてもお似合いでした。ドヴォルザークのメロディは非常に親しみがわきます。有名な「新世界」も聴き様によっては日本の民謡に似ていて、素直に耳に入ってきます。

この日はほかにも嬉しいことがありました。渡邊さんの歌を聴いたのは本当に久しぶりですが、声に艶がのってきてスケール感もアップしたような印象です。オペラの世界でも活躍しているのですね。偶然と言うのは、渡邊さんは某プロ合唱団でも歌っていらっしゃいますが(ラフマニノフ晩祷)、一緒にトナカイに行った合唱団の仲間が、その某プロ合唱団の姉妹合唱団で一緒に歌っていたのです。

極め付きは、ピアニスト浅海さんとのご縁。やはり一緒に行った仲間が別の合唱団でも歌っているのですが、なんと浅海さんが専属のピアニストだったんです。これには一同驚き!以前、ブログでも書きましたが、私の周囲ではこうしたご縁が多いのですが、またしても「何か」を呼び込んだのでしょうか?!

そうそう、テノールの小城さんも張りのある美声を目イッパイ聴かせてくれました。この日は我々マルガツが聴きに来ているので前川さんが配慮してくれたのか、客席と一緒に「夏の思い出」を歌うことが出来ました。本当によい思い出になりました。

エンディングはいつものように、「メリーウィドウのワルツ」。何回も聴きに来るうちに、この歌詞覚えてしまいました(笑)。

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2008年6月14日 (土)

紫陽花と涙のブラームス

今日は梅雨の中休み。鎌倉の成就院の紫陽花と鎌倉交響楽団の定期コンサートに行きました。

002_2 ジモティーですが、江ノ電に乗るのは久しぶり。旬の紫陽花目当ての観光客で小さな電車はすし詰め状態です。江ノ島駅乗車で極楽寺駅で降ります。極楽寺も紫陽花の名所ですが、時間が無いので徒歩3分の成就院へ。鎌倉の紫陽花といえば、北鎌倉の明月院がとても有名ですが、近年クローズアップされているのが鎌倉西部の長谷寺と成就院。長谷寺は観光誘致?のため紫陽花を植えたと聞きましたが、この成就院はかなり昔から参道に紫陽花が植えられています。つまり、明月院は境内、成就院は参道ということで、成就院の境内は狭いし見るべきものは見当たりません。

014 でも、参道の紫陽花は素晴らしいです。成就院は海に面した高台にあるのですが、そこにいたる参道の両脇に紫陽花が咲き誇っています。もともと紫陽花は可憐なイメージなのでしょうが、帯状に繋がる紫陽花群は豪華ともいえます。しかし、凄いですよね・・・・この人の帯。午前中でこの混雑ですから、午後は入場規制が出たのではと思います。

005 そうそう、ここの見所は参道を登りきって後ろを振り返ると七里ガ浜の海岸が見えることでしょう。鎌倉の海と紫陽花の取り合わせは、景観的にとても魅力的です。今日はちょっと霞んでいましたが、天気がもっとよければ絶景です。うーん、やっぱり来て良かったなと実感。

012 タイミング的には紫陽花の花も丁度見ごろ。色とりどりの花々に思わず見とれてしまいます。紫陽花の花言葉は「移り気」。たとえ移り気でも、こうしてさわやかなパステルカラーのバリエーションを見せてくれるなら許します(笑)。日本原産ですから、まことに誇らしく思います。

その後、江ノ電・横須賀線を乗り継いで鎌倉芸術館へ。鎌倉交響楽団の91回定期コンサート。以前投稿しましたが、この由緒ある実力アマチュアオケのコンサートマスターを会社の後輩が勤めているのです。曲目はウェーバー「オイリアンテ序曲」、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲3番」(ピアニスト芹澤桂司)、そしてブラームスの4番シンフォニーがメインです(指揮:角岳史)。先の2曲も良かったけれど、ナント言っても聴きものはブラ4。NHKハイビジョンの迷?番組、名曲探偵アマデウスでも採り上げられていました。この番組、名曲のアナリーゼを面白おかしく説いてくれるユニークな番組です。ブラ4の時の「オチ」は「ブラウス4枚干しといて」でしたが、さすがNHK、ブラジャーじゃないところが受信料不払いに対する苦悩がにじみ出ています。閑話休題。

001 ブラ4は彼のシンフォニーの中で一番好きな曲。あの第一楽章冒頭のすすり泣くような「3度のため息」を聴いただけで心が熱くなります。この部分は、技巧的には容易ですが、揺れ動く男の哀愁をどれだけ思い入れを込めて演奏するか、とても難しい部分だと思います。おそらく、指揮者の技量も含めて、出だしを聴いただけで、全曲の出来を推し量れるキーポイントでしょう。考えてみると、ブラームスの交響曲、とりわけこの4番は極めて私的な曲のような気がします。先人のモーツァルトやベートーヴェンと違って、宇宙や神、自然と人間、あるいは善悪といったような概念的な発想が感じられません。ブラームス個人の私的な体験、思想、気持ちの現れが極めてエモーショナルな曲想に乗って展開されます。男の哀愁といえばかっこよいですが、ウジウジした中年~初老男の煮え切らない気持ち・・・・・というと実も蓋もありませんが、ブラームスがエライのはそうした私的感情を、世の中の男たちが共感して涙を流すレベルにまで高めたことだと思います。

ちょっと個人的感想を言い過ぎました。この日の鎌響は素晴らしい演奏で、世の男たちの期待に応えてくれました。もちろん、管楽器のバランスとか弦のピッチの不揃い、とかもう少し・・・というアマオケ固有の部分はありますが、管楽器などは随所にはっとさせる美しい演奏をしてくれました。弦も素晴らしかった。弦楽器演奏者にとって、男の哀愁を紡ぎだすという点においては最高の楽曲ではないかとさえ思います。特に、コンマスは心底共感しきった弾きぶりで、中年男(笑)の哀愁を十二分に描き出していてとても感動的でした。アンコール曲でコンマスのヴァイオリンの弦が切れてしまったことがそれを良く物語っています。終楽章に至ってはオーケストラ全員がひとつの楽器になったような高揚感伴う演奏。思わず鳥肌がたち、涙がにじみでてきました。ありがとう鎌響!

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2008年2月11日 (月)

イケメン3連チャンとアクトリ

イケメン3連チャン?アクトリ?・・・・・。意味不明のタイトルが多い私のブログですが二つともコンサートです。昨日9日土曜日はコンサートの連チャンでホール(17時10分終演)→錦糸町駅・・・電車・・・・・本郷台駅→ホール(18時30分開演)と走りに走りました。

Photo_2 イケメン3連チャンとは新日本フィルの定期のこと。イケメンの指揮者が連続して登場するという意味です。いくらキャッチが大切とはいえ、ここまでしないとお客さん呼べないのか・・・というくらい衝撃的な(笑)タイトルですね。中心となるのはご存知新日本フィル音楽監督のアルミンクですが、この日はアルミンクと同世代のマルク・アルブレヒトが指揮をしました。曲目は「さまよえるオランダ人序曲」「デュティユーのチェロ協奏曲」(チェロ:ベルリンフィル首席のクヴァント)、「英雄の生涯」です。アルブレヒトはイケメンかどうかは別として、エネルギッシュな指揮ぶり。踊るように指揮します。アルミンクが貴公子然としているのに対して、野生的といえばよいでしょうか。ただ、音楽はハッタリのないオーソドックスな作り方です。オペラの経験が豊富で、ワーグナーは勿論、R・シュトラウスも情景描写に長けています。英雄の生涯はシュトラウスが自分を英雄にたとえた「はなもちならない」作品ですが、ホルンが8本も登場するゴージャスな曲。トロンボーンの首席がこの日はユーフォニウムを吹いている・・・・・など、見ていても楽しい曲です。それから、オランダ人序曲は、昨年観たウィーン国立歌劇場の小澤復活第一夜を思い出して懐かしかった。序曲って、オペラの名旋律が上手くちりばめられていて聴いていて楽しいですね。そうそう、ついでに言うと、先日家族が借りてきた「パイレーツ・オブ・カリビアン」を視ていたら、ここに登場する幽霊船はまさに「オランダ人」の物語を下敷きにしているんですね。

Photo さて、お次のお題はアクトリ。冬といえば鍋、鍋といえばアクトリ・・・・・・じゃなかった。アクアトリニティという女性三人のトリオなんです。写真をごらんあれ。新日本フィルがイケメン3連チャンなら、こちらは美女3連チャンでしょうか(失礼しました)。バイオリン、チェロ、チェンバロという変わったアンサンブルです。バイオリンの礒絵里子さんは以前近所に住んでいらして(その後私が引越し)、そのころからのファンでコンサートもかなり聴いています。また、水永牧子さんは実演を聴く機会は無かったのですが、バロック音楽が好きな私としては関心を持っていました。お二人ともこのブログの「お気に入り」に入れさせていただき、時々コメントを書かせていただいています。そのお二人が、偶然にもアンサンブルを組むというのでコンサートに駆けつけたのです。なお、水谷川さんは家内が鎌倉円覚寺でのコンサートで聴いたことがあったそうです。そうそう、アクアトリニティという名前は三人の姓が水に関係があることからつけられたもの。第一部のステージ衣装は水色が基調で、なるほどなるほど。

舞台から4列目という至近距離で聴きましたが、ホールの響きも大変よく、ナマ音の迫力に圧倒されました。礒さんのバイオリンはますます磨きがかかり、聴くたびに素晴らしくなっています。シャープな持ち味の上に、艶やかな色彩が加わってきたような気がします。水永さんのナマは初めてですが、典雅なチェンバロの響きにうっとりです。当然、音量は小さいはずなのですが、演奏方法に工夫もしたのでしょう、ほかの二人に負けない存在感が感じられました。会場で「イングリッシュ・ガーデン」というCDを買い求めましたが、イギリスルネッサンス音楽の小品がちりばめられいて、まさに英国庭園を逍遥するかのような癒しの空間を提供してくれます。そして、水谷川さんのチェロ。私はチェロをこんなに間近で聴くのは初めてですが、迫ってくる音の波に包まれる幸せを感じました。いや、距離は関係ないのでしょう。曲に感情を移入して伸びやかに音を紡ぎだす、水谷川さんの音楽性にうたれました。それにしても、チェロって素敵な楽器ですね。

長くなりましたが、演奏曲の感想を少し書きます。ヴィヴァルディからピアソラまで、大変意欲的な選曲。特に印象に残ったのは、①亡き王女のためのパヴァーヌ:ラヴェルの擬古風な曲想にチェンバロの響きがぴったり。②ゴッドファーザー:ニーノ・ロータの名曲を加藤昌則さんが編曲。バイオリンとチェロの切々たる旋律が胸を打つ編曲も素晴らしいが、その演出がユニーク・・・・・観た人ではないと分からないですね。③ドヴォルザークのスラヴ舞曲:チェンバロがツィンバロン(ハンガリーですが)風の響きをうまく出していた。④ピアソラ3連チャン:ただただ、圧倒されました。というわけで、なにより三人が楽しく、そして時には鬼気迫るテンションで演奏していたのがとても嬉しかったです。ファーストコンサートでしたが、これからも是非是非続けていてほしいものです。次回は、三人それぞれの独奏も聴かせてくれると良いと思います。それから、観客の位置によっては、チェンバロの水永さんが隠れてしまうので、立ち位置にひと工夫ほしいものです。

コンサート終了後、サイン会がありました。新日本フィル定期のあった錦糸町で買い求めたお菓子(三人分!)をプレゼントして、色紙にサインをしてもらって霙が降る中、暖かい気持ちで家内とホールを後にしました。

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