« 2012年12月 | トップページ | 2013年3月 »

2013年1月23日 (水)

偉大なる三菱の遺産~東洋文庫

駒込にある東洋文庫で新年会があった。

東洋文庫とは、三菱三代目の岩崎久彌が1924年(大正13年)に設立した東洋学の研究拠点である。世界5大東洋学研究図書館の一つに数えられ、もちろんわが国では最大。国宝5点、重要文化財7点を含む蔵書100万冊の大変貴重な資料館である。

Shinkan2thumb250x34844

私は三菱銀行のOBであり、銀行時代のとある部のOB会が、東洋文庫のカフェテリアで開かれたのだ。少々早く到着したので。ミュージアム(一部展示)を見ることにした。

東洋文庫は、今から10年以上も前に訪れたことがある。当時は銀行の広報部長をしていたので、三菱グループの広報担当者の集まりだったと思う。当時の建物は設立当初のものと思われ、かなり老朽化していて、貴重な蔵書の保存状態も芳しくなかったと記憶していた。

三年前に建替えられたと聞いていたが、今回訪ねてみて驚愕した。まことに素晴らしい建物なのである。威容を誇る・・・・とでも形容できる堂々たる新本館。そして、内装の美しさ。莫大な費用がかかったに違いない。三菱の遺産を引き継いでゆこうとする三菱グループの志が感じられる。

___1_2 

さて、1階のオリエントホールからモンスーンステップと名づけられた階段を登ってゆくと、そこには度肝を抜く光景があった。蔵書の津波とでもいうか、高さ10メートルはあろうかという大容量のスペースに、本が幾段にも陳列されているのだ。下記写真をご覧いただきたい。なんとも、感動的な展示方法である。

___3

これが、当文庫の目玉「モリソン文庫」。20年の長きに亘って中国に駐在していたジャーナリスト、モリソンが収集した2万4千冊の書籍。主に欧文で書かれた中国関連の書籍である。岩崎久彌は、これを現在価値70億円もの資金で購入したのである。

___1_3

モリソン文庫の中でも有名なのが、当方見聞録(マルコ・ポ-ロ)。書かれた当初から様々な言語で翻訳されているが、当文庫には77種類もの東方見聞録が収蔵されており世界一である。

___2

面白いところでは、17~18世紀のイエズス会宣教師の書簡集で、マリーアントワネットが所有していたと伝えられている。

___4

もちろん、3万8千冊に及ぶ和漢書などからなる「岩崎文庫」の存在が大きい。浮世絵なども多数ある。昔に訪ねた時には、いえわゆる春画の類もあるとのことだったが、ついぞお目にかかることはなかった。

___2_2

解体新書の初版本と、その原本である「ターヘル・アナトミア」も展示されている。

___3_2

さて、新年会の会場は、同じ敷地にある「オリエント・カフェ」。ここがまたシックな雰囲気で素敵なのだ。大好きな丸ビルの「フレミナール」と同様、小岩井農牧が運営しているから、味も折り紙つき。小岩井さんとは個人的にもお付き合いがある。ピアノも置いてあって、コンサートも出来る。

___2_3

マネージャーとすぐに仲良くなり、教えていただいたのだが、東洋文庫が藝大と業務提携をしているとのこと、これはまたセレンデピュティである。藝大の瀧井先生のこともマネージャーは良く知っていた。

カフェの壁には、東洋文庫縁の収蔵物のコピーなどが飾られている。個人的に興味を引いたのは、サカラメント(サクラメント)提要の聖歌ネウマ譜。ここに詳しく説明する余裕もないが、サカラメントとはカトリックの司祭が行う秘蹟(サクラメント)のための典礼書のこと。天正遣欧少年使節が持ち帰った活版印刷機で刷られた聖歌である。

___5

そして、小岩井農場ならではの、「一本桜」の絵画。マネージャーに、旅行で実物を観にいったよと伝えたら、なんと東洋文庫の中庭に、移植した木があると教えてくれた。

___3_3 ___4_2

この日は、先日の大雪がまだ残っていて、なんとも美しい景色であった。写真はカフェテリアから東洋文庫新本館を臨む。

___1_4

なお、東洋文庫もカフェテリアも誰でも入ることが出来る。お勧めのスポットです。

音楽ブログランキング ここをクリックしてください

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年12月 | トップページ | 2013年3月 »