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2011年11月27日 (日)

あなたは 私の 青春そのもの

荒井由実の「卒業写真」のフレーズである。

昨日、大学時代の男子学生寮のOB会があった。当時のT寮長が喜寿を迎えるというので、約25人が集まった。「三木ハイム」という名前の学生寮だが、大学や出身地のそれではなく、カトリックのイエズス会が運営していた珍しいものだった。「三木」は殉教した26聖人の1人、パウロ三木に因むもの。私の中学高校がカトリックだったのだが、姉妹校の子弟を中心に、様々な大学の寮生が集まっていた。T寮長は神父様で上智大学の講師もしていたのだ。写真は当時の寮のプレート。

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カトリック系というと品行方正なイメージが強いが、それはイメージだけ。酒、タバコ、麻雀、女?という極めて自由な雰囲気であった。私なんぞは、高校生までは抑圧された勉学人生(笑)をおくってきたので、大学に入ると同時にこの寮にお世話になったおかげで、どれだけ人生観が変わったか計り知れない。

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いまや喜寿を迎えるT寮長は非常に短気な性格で、気に入らないことがあると(多くの場合は寮生の不始末なのだが)、怒りを爆発させる。夜中でも近所の迷惑を顧みず怒鳴り散らす・・・かなりの変人ではある。しかし、心根は優しく、憎めない人なのだ。ついでにいうと、井上ひさしの「モッキンポット師」は彼がモデルであるとの説もある。一方で、松本清張の「黒の福音」の舞台となったスチュワーデス殺しの館がこの三木ハイムで、私が生活していた当時は、怪奇現象もあったと聞く。

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いまや三木ハイムは取り壊され、イエズス会の施設になっているが、当時の仲間に会い、当時の思い出話をするにつけ、本当に懐かしい。ほぼ毎年1回、寮長を囲む会が開かれているが、今回はお祝いの会なので盛大に執り行われた。当時の写真をスライド化して上映したりして、実に楽しかった。

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その中に私の写ったスライドが一枚あった。三木ハイムでは毎年寮祭があったが、その最大のイベントが「ヒットパレード」。男子が女装して歌うのだ。当時はカラオケなんかなかったから、これも寮生のバンドが徹夜で伴奏音楽を作っていた。私が歌った金井克子の「他人の関係」がこのスライドである。とくとご覧いただきたい。画質が悪いので見苦しいが、被写体も見苦しいかもしれない(笑)。バックコーラスも寮生(先輩)である。ちなみに、他の年は山口百恵の「ひと夏の経験」、4年生の時は、浴衣に金銀紙を貼り付けて三波春夫の「おまんた囃子」を歌った。

私の学生時代の寮生活・・・・・それは、私の青春そのものだった。

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2011年11月24日 (木)

オペラ界の氷川きよし 志田雄啓を聴く

藝大オペラ「カルメン」でお世話になった、テノール志田雄啓さんのコンサートを聴きにいった。

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私が代表を務める「丸の内フェスティバルシンガーズ」(MFS)は先月末、丸ビルで行われた「藝大アーツin東京丸の内」のトリである藝大オペラ「カルメン」に合唱で出演したのはご高承のとおりだが、このときドン・ホセ役を演じたのが志田さんである。

打ち上げの時に、今日のコンサートをご紹介いただき、聴きにいったのだ。「東日本大震災チャリティーコンサート」と銘打った演奏会は、志田さんほか荒川区に縁のある歌手が出演した。場所はサンパール荒川大ホール。

印象を一言でいうと、大変に楽しく、そして志田さんのお人柄が滲み出るような、暖かいコンサートであったといえよう。

プログラムは、カンツォーネから始まり、ドイツ歌曲、ミュージカルもあり、日本の四季の歌曲メドレーが前半。後半は聴衆も参加したドレミの歌のあとは、聴き応えのあるオペラアリア・・・とてんこ盛り。曲目はポピュラーなものが中心だが、演出もよく考えられており、大変に楽しめた。

印象に残ったものをいくつかピックアップしてみたい。面白かったのは、志田さんのシューベルト「魔王」。この曲は1人で父親、息子、魔王の三役を歌いこなすのが妙味であるが、志田さんは落語家よろしく、上手、下手、中央と役柄によって向きを変えて歌った。ガスタルドン「禁じられた音楽」、フォルヴォ「彼女に告げてよ」はいずれも男の恋心を歌った名曲だが、外交的、内向的と異なる性格を美しく歌いあげた。トリのネッスン・ドルマ(誰も寝てはならぬ)は聴衆も熱狂する絶唱であった。志田さんは日本音楽コンクール声楽部門(オペラ)で一等をとった、大変な実力者だが、気取らず親しみのもてる得がたい性格である。リートを歌っても、思わず手で表情を作るなど、とても熱いパッションを持っている。それは、藝大オペラ「カルメン」でも遺憾なく発揮されていたのだった。

さて、素晴らしい共演者についても触れておかねばなるまい。ソプラノの平中麻貴さん。藝大の修士課程という若手だが、初々しさもさることながら、コロラトゥーラの技巧はたいしたものだ。透明感ある繊細な声で歌ったデラックアの「ヴィラネル」、そして超絶技巧の名曲ドリーブのラクメから「鐘の歌」は聴衆をうならせた。

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そして、メゾソプラノの栗田真帆さん。彼女はメゾでも良く高音域の出る声を持っている。艶やかで伸びのある美声である。しっとりとした雰囲気で魅了させられた。カルメンのハバネラも良かったが、日本歌曲の「初恋」は情感たっぷりで秀逸。それに、立ち姿が艶やかで、脇に控えている時も「絵」になっているのは流石である。

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最後に、ピアノの真島圭さん。二時間弾きっぱなしは立派だが、大変味のある巧みなピアノを聴かせてくれた。作曲家としても受賞歴が多く才能のある音楽家である。

今日のサンパール荒川の聴衆はオバちゃん・・・失礼、中高年の女性が圧倒的多数を占めていた。下町という場所柄もあるのかもしれないが、多くの方が志田さんを目当てに来場しているように思えた。終演後ロビーに出ると、複数のご夫人から、「志田君よかった」という声を聞いたからである。それだけ、志田さんは荒川という地元に密着し、荒川に愛されているのだろう。こうした心温まるコンサートはなかなか無いものだ。風貌はずいぶんと違うが、志田雄啓はオペラ界の氷川きよし・・・・なのである。

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2011年11月22日 (火)

JUJUの「バードランドの子守唄」

ジャズファンならば、Lullaby of Birdland(バードランドの子守唄)はよくご存知だろう。

20年位前だから大昔の部類に入るが、まだ合唱も始めていなかった頃、一時期ジャズヴォーカルに凝っていた時期があった。この歌はいわゆるスタンダードと呼ばれる名曲で、私の大好きな曲でもあった。サラ・ヴォーンがクリフォード・ブラウンと共演した演奏が名盤だが、他にも、クリス・コナーとか、私が敬愛するメル・トーメの演奏も素晴らしい。

まさか、この名曲を、こんな形で聴くとは思ってもみなかった。一年ぶりくらいにJ-POPSのベスト50を見ていたのだが(プロモーションビデオ)、そこの「coming soon」に登場したJUJUというポップス歌手が歌っていたのだ。

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JUJU「という」と断ったのは、このブログの読者の中にはご存じない方も多いと思ったからである。私は、名前は知っていたし、上手い歌手だなと気にはなっていた。最近、JEY‘EDとデュエットした「永遠はただの一秒から」なんて、グッとくるいい歌だ。

JUJUは1976年生まれのJ-POPS女性歌手。最近良く聴くところのR&B系のシンガーである。古くは、これまた私の好きなMISIAや小柳ゆき、あたりから火がついたような気がするR&B系であるが、ソウルフルでシャウトする歌が心地よい。ここ数年カラオケには行かなくなったが、意外にも(笑)私も好んで歌っていたことがある。そういう意味で、JUJUはMISIAや小柳ゆきの系統を継ぐ正統派R&B系と言ってよいだろう。時代を反映して、ちょっと軽めだけれど。

さて、冒頭の話に戻るのだが、その彼女が歌うLullaby of Birdlandがとても素晴らしいのだ。正統派のジャズヴォーカルと言っても良いだろう。あわてて、色々と調べてみた。そうしたら、彼女は12歳の時からジャズシンガーを目指し、音楽活動に入ったということが分かった次第。その後、ニューヨークへ渡り大変苦労をしたらしい。そうか、そういう事だったのか。だから、とっても上手なんだね。

http://www.5ive-star.com/detail/771

http://pvblog.blog98.fc2.com/blog-entry-11679.html

Lullaby of Birdlandはテレビ朝日系ドラマ「DOCTORS〜最強の名医〜」主題歌なのだが、どんなドラマなんだろうと興味がそそられた。そして、もっとかきたてられたのは、この歌を含めてJUJUは初のジャズ・アルバムを作っていることなのだ(下記:今月30日発売)。

名曲揃いである。しかも、ゲストが菊地成孔や渡辺香津美・・・・などというのが凄いではないか。ぜひ手に入れて聴いてみたいものだ。

JUJU[2011年11月30日 発売]
【初回生産限定盤】CD+特典DVD+デジパック

A Woman Needs Jazz
You’d Be So Nice To Come Home To
Night And Day
Candy
Cry Me A River
Girl Talk
Lullaby Of Birdland
Moody’s Mood
Quizas, Quizas, Quizas
Calling You
Ev’ry Time We Say Goodbye
Lush Life
みずいろの影

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2011年11月16日 (水)

伊集院静の言葉

14日の日経新聞夕刊に伊集院静のコラムがあった。読んだ方もいるだろう。私は別に彼のファンでもないのだが、とても感動的な話だったのでご紹介したい。

彼は現在、3人目の奥さんである女優の篠ひろ子の出身地である仙台に住んでいる。東日本大震災に遭った。

「神も仏も無いじゃないか」と言ったら、クリスチャンの妻が「神様は何もしてくれないかもしれないが、どんな時もそばにいてくれる」という。そうか、そばにいてくれるだけでいいのかと教えられた。大きな悲しみに出合った人間は声をかけてもらったり、寄り添ってもらいたいものなのです。

悲しみを和らげてくれるのは時間しかない。悲しみはじわじわと続く。でも、悲しみがあるから人間は酔ったり、歌ったりしたとき、心から笑うことが出来る。生きるということは悲しみそのもの。でも、悲しみを経験すると、人間には本当のやさしさが身につく。

小説は人の人生を変えることは出来ない。でも、読者の悲しみに寄り添うことは出来る。そんな作品を一つでも多く書いてゆきたいと思う。

どうでしょう。とても素敵な話ですね。伊集院氏の作品には、奥様の篠ひろ子さんが信仰するカトリックの影響があるといわれる。コラムの話を読んで、なるほどと思わされた。しかし、宗教観を超えた、もっと普遍的な人間の本質に関わるものがここにはあると思う。

小説もしかり、音楽もしかりである。そして、私自身、悲しみを理解し、人に寄り添うことのできる人でありたいと思った。

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2011年11月15日 (火)

胃カメラをのむ

今日、胃カメラをのんだ。

約1年ぶりである。会社の健康診断にバリウムがあるが、これを断って行きつけの外部のクリニックへ出かけた。1年前にこのクリニックの門を叩いたのは、胃の調子が悪く、友人からここの先生を紹介されたからだ。

胃カメラをのんだ経験は4~5回くらいあるだろうか。なんとも苦しいし、大げさかもしれないが生きた心地がしない。だから、胃カメラ検診の前の日なんか、絶望の淵にいるような暗澹たる気持だ。胃の検診を受けなければならないと思いたち、友人になんとはなしに話たら、このクリニックが良いというのだ。先生の技量が優れているうえ、麻酔をかけるので、寝ている間に終わってしまう。最初の時は、いつカメラを飲んだの???という感じであった。

歯科医や外科医もそうだが、内視鏡は先生の技量如何で、苦痛は天と地の差ほどもある。ここの先生は、かなり口が悪く、応対もつっけんどんで、面談をしていると、「こいつ、張り倒したるか」と思うこともあるが、胃カメラの苦痛のことを思えば一時の怒りなんて、辛抱するにこしたことはない。本当に上手だったので、そのあと大腸の内視鏡検査もここのクリニックでやったくらいだ。

さて、今日の胃カメラも無事に終了。マウスピースをかまされたところまでは覚えているのだが、そのあとは全く記憶がない。検査が終わってからも麻酔でふらふらするのでしばしクリニック内で休憩する。この日は仕事にはならないので、予め休暇をとってきた。

診察の結果は、逆流性食道炎。それに、食道裂孔ヘルニアという恐ろしい病名を言い渡された。前者は、胃液が食道を逆流してしまうので、食道の内壁が白く炎症を起こす病気(下写真。ちょっと気持悪いが私のです)。最近流行の現代病である。

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二つ目は、逆流性と関係があるというか、その原因でもあるのだが、胃の上部が横隔膜を飛び出してしまい、食道とのつなぎ目の「しまり」が緩くなる病気である。横隔膜が胃を下へ押し込めているのだが、この力が弱くなり締りが緩くなるから、胃液や食べ物が食道に逆流することになる。下の写真は、内視鏡で胃の入口を見たもの。内視鏡を胃の中でグニャット逆転させて撮るので、黒い棒のようなものは内視鏡のチューブ。

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ヘルニアは初めて宣告されたような気がしたのだが、実は前回も同じ症状だったとのこと。ヘルニアの原因は加齢により横隔膜の力が弱くなってくることによるらしい。やはり歳か!合唱で横隔膜を鍛えれば治るのだろうか・・・・などなど疑問は膨らむ。

現状は、胃液の酸を抑える薬を服用しているので、生活には支障はない。ただ、油、アルコール、刺激の強いものは避けるように言われているし、就寝前に食べるのもよくない。身体を横にすると、タダでさえ逆流しやすいのだ。やはり長年の不摂生のなせる業であろうか。

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2011年11月 9日 (水)

大きいことはいいことか?

「大きいことはいいいことだ」

若い読者はご存じないかもしれないが、名指揮者 山本直純が登場して一世を風靡した、森永エールチョコレートのCMである。1968年というから、今から30年以上も前、日本が高成長を謳歌していた頃である。

http://www.youtube.com/watch?v=Aubpbn0nXvA

こんな古いCMを思い出したのは、先月末の藝大オペラ「カルメン」に、臨時編成の丸の内フェスティバル・シンガーズを引っさげて参加したことによる。この合唱団は総勢28名のこじんまりしたユニット。それでも、丸ビルの特設舞台を一杯に埋め尽くしたのだけれど。

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30名程度の規模であるから、何事もまとまりが良い。まず、全員の顔と名前が一致する。そして、意思疎通が十分できる。合唱のハーモニーも・・・・今回は練習不足気味であったとはいえ、本来は美しく整えられるはずだ。

私は、現在二つの合唱団に属している。一つは某オーケストラの付属合唱団。もう一つは、よくこのブログでも登場する丸の内合唱団である。前者は200名になんなんとする規模。後者ははじめはこじんまりしていたが、新規入団が多く、いまや100名を超えるスケールに達している。

この二つの合唱団の運営は本当に大変なはずである。会社という中央集権的な、あるいは軍隊的な組織ではなく、趣味で集まった団員だから、よく言えば自由闊達、悪く言えば言いたい放題で、まとまりを持たせるのには、非常に努力を要する。かつて私が団長をやっていたときの実感でもある。技術的にも、例えば後者の合唱団は、いきなり入ってきて、第九を歌うという状況で、もし第九が初めてなら各自がそれなりの自習をしなければついてゆけないだろう。レベルの高い音楽を求めるにはなかなか難しい状況にあるといわざるを得ない。もともと、一定レベルの合唱で、皆が楽しく歌えれば良いという趣旨だと割り切れば、特に問題は起きないが、そういう団員ばかりではないというところに障害が生じてくるのだ。

もうひとつ、厄介なのは合唱団の規模が大きくなると、その組織維持のために音楽をしなければならなくなることである。言い過ぎを承知でお許しいただくと、音楽のために合唱団があるのではなく、合唱団のために音楽が必要になる・・・とでも言ったらよいであろうか。演奏会があるから、なにか歌わなければならないという状況だ。これに、組織の経済的な状況が絡んでくると、より複雑になる。演奏会をしないと困る人たちがでてくるということでもある。

まあ、ここまで考える人は少ないだろうし、気を回しすぎというそしりも聞こえてくる。でも、今回丸の内フェスティバル・シンガーズを預からせていただき、正直、いま申し上げたようなことを思わざるを得なかった。

1人では合唱は出来ないし、合唱をするには寄ってたつ団体が必要である。だからこそ、その団体にはピュアなものを求めたいと思う人は少なくないと思うのだが、どうだろうか。

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2011年11月 7日 (月)

世界から日本へ・音楽のメッセージ

今日は時間が少々出来たので、溜まっている録画番組を観た。

BSプレミアム「世界から日本へ・音楽のメッセージ」。世界のクラシック音楽家が大震災後の日本に音楽のメッセージを送り、励ますという主旨の番組だ。この番組のために収録されたのではなく、通常行われていたコンサートの中に日本の被災者への追悼・励ましが盛り込まれていたり、日本へのチャリティーコンサートそのものだったりする。いかに、世界の音楽家が日本に熱いメッセージを寄せてくれているのか・・・・番組を観ている自分自身も胸が熱くなった。

例えば、ロシアの奇才指揮者ゲルギエフ。ウィーンフィルのシェーンブルク宮殿野外コンサートという祝典的な場に、あえてシベリウスの「鶴のいる風景」というしみじみしとした小品を挿入した。鶴は日本、そしてロシアを行き来する鳥である。ゲルギエフは鶴に被災者の明るい希望や未来を託したかったのだ。

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また、アバドが芸術監督を務めるルツェルン祝祭管弦楽団(音楽祭)では、日本の建築家磯崎新と組んで、移動式のコンサートホールを考案(下図)。来年から日本の被災地を訪問するという。このホールはゴム風船を巨大化したようなつくりで、コンサート時は大きく膨らませ、終了後は空気を抜いてぺしゃんこにして搬送するユニークなものである。ゲルギエフもアバドもインタビューで、本当に日本人への、日本という国への愛情を吐露していて、心を打たれた。

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さて、番組ではいくつかのコンサートが放映されていたのだが、印象に残ったいくつかをコメントしよう。

小澤・サイトウキネンのバッハ「アリア」。このコンビでは追悼時などによく演奏するが、今回の演奏はしみじみと悲しみや、慈しみが伝わってきて秀逸だった。

エッシェンバッハの振り弾き、ウィーンフィル来日公演の、モーツアルトのK488第二楽章(ピアノ協奏曲23番)。私はモーツアルトのピアノコンチェルトの中でとりわけK488を好む。特にこの2楽章は神秘的で神々しい。エッシェンバッハは思い入れタップリのテンポで、透き通る悲しみを余すところなく描いて感動的だった。私の好きな、終わりの低弦のピチカートが心臓の鼓動のように迫ってくる部分も素敵だった。

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しかし、なんといっても素晴らしかったのは、トリに放映されたシューマンのピアノクインテットだろう。そもそもこの演奏会はベルリンフィルの若きコンマス、我らが樫本大進が提案したチャリティーコンサートで、ピアノのアルゲリッチ、チェロのマイスキーらに持ちかけて実現したもの。最後に演奏されたシューマンのピアノ五重奏曲は希に見る名演だったと思う。名手が揃っているからこそなのだが、それぞれが存分に自己主張している中での調和。その情熱の高まりが画面からほとばしるような演奏だった。ビオラのグロスなどは脚でリズムを叩くほど、5人がのりに乗った演奏。そして、特筆すべきは、全体をリードするアルゲリッチのピアノの音の美しさ。

どの演奏も日本への愛情に満ち満ちている。音楽は強く、美しい力を持っているのだ。

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2011年11月 3日 (木)

出勤の誕生日も悪くない

今日は私の誕生日だ。

そう、11月3日文化の日、祝日である。日本国民が皆私の誕生を祝ってくれる・・・・錯覚に陥る(笑)。まあ、いずれにしても文化の香り高い日に生まれたのだ。

ところが、今の会社は祝日は出勤日。なんか、特別損をしたような気持になる。生まれて初めて、誕生日に出勤したことになるのだ。

午前中は三郷方面へ会社の施設の視察に行った。鎌倉だと片道2時間。ちょっとした小旅行だ。午前中で視察を済ませ、食事の時間。駅前の「ららぽーと」でなぜかお好み焼きを食べた。大阪の鶴橋に本店があるらしく、なかなか美味。同行した同僚がお好み焼きで誕生日のお祝いをしてくれた。男3人、しかも皆同い年なのである。祝日で家族連れが大半のお好み焼き屋に、男3人はちょいと異様かもしれないが、そんなこと構わない。

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上の写真で右下に泡の様なものが見えたら、それは目の錯覚です(笑)。仕事と食事を済ませ、同僚2人は近くの他企業の小売施設を見学するという。私は、午後から本社で重要な会議があるので、1人都内に戻ってきた。

さて、会議の冒頭、社長から「今日は○○(私の名前)さんの誕生日です。おめでとうございます」といわれてビックリ。秘書が情報をインプットしたのだろうが、嬉しくもあり、恥かしくもありの瞬間であった。

会議が終わった後、部屋に戻ろうとしたら、秘書さんたちが寄ってきて、誕生日のお祝いがあるという。エクレアを買ってきてくれたのだ。プレーン、モカ、バナナ、イチゴ、抹茶のなかから好きなものを選んでくださいと。

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当然だが、こうした経験は初めてである。誕生日に出勤しないと、会社の皆さんにお祝いしてもらうことなどありえないからだ。新鮮な気持であると同時に、出勤の誕生日も悪くないなあ・・・・と思った。

そして、フェイスブックにもお祝いのメッセージが満載。約30人もの方からメッセージをいただいた。先般のカルメンにかかわる記事や、合唱の仲間の暴走(笑)写真もあって、とても賑々しく楽しいフェイスブックであった。

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2011年11月 1日 (火)

カルメンを観た!

カルメンを歌い、そして観たのだ!!

藝大アーツが幕を閉じた。我々丸の内フェスティバル・シンガーズが共演させていただいた、藝大オペラ「カルメン」が今年の藝大アーツの掉尾を飾ったのだ。

公開リハーサルを含めると、4回も舞台に上がれることの幸せ。そして、回を増すごとにテンションがあがってくる。

最終日は主催者の了解を得て、私が持参した家庭用ビデオで録画を試みた。二階席に固定して舞台が画面一杯に入るようにズームを調整した。帰宅してはやる心で観てみたが、なかなか上手に撮影できていた。音質もまずまずで十分鑑賞に堪える。ソリストさんたちの声もクリアーに録られていたし、見事な演技もうまく収められていた。

ハバネラでのカルメンの気風の良い立ち振る舞い、エスカミーリオの堂々とした風情、カルタの三重唱のメルセデス・フラスキータのなんとも可愛らしく清らかな歌声。そして、なんといっても終曲「殺しの場」での凄みを感じさせるほどの緊張感。本当に素晴らしい。

合唱も、ソリストの情熱に触発されて、大変な盛り上がり。ちょっと演出過剰といわれるかもしれないが、楽しい雰囲気に免じてお許しいただきたい。ソリストと違い、スタンドマイクで音を拾っているため、家庭用のビデオカメラではやや音量が不足気味だが、それでも響はホールによく広がっている。特に女声は素敵だ。

合唱で一番感心したのは終曲。舞台袖の「カゲ歌」だから、ビデオに合唱団は一切映っていないし、またマイクの志向性からやや外れているのだが、合唱はとても良い雰囲気をかもし出している。特に、最後の「殺しのシーン」で、突如合唱が「トレアドール」と闘牛士の歌を歌うところは、舞台(映像)と合唱のコントラストが見事で、合唱もホールに美しく響き渡り、観ていて思わず鳥肌がたってしまった。

IT部長の亀石さんにネットにアップしてもらうようお願いしたので、1人でも多くのメンバーに観て鳥肌をたてていただきたい。そして、感想をお寄せいただきたいものだ。

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