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2010年11月29日 (月)

マルガツ定演DVDを観て

先ほど行われた丸の内合唱団の定期演奏会のDVDが配布されたので、さっそく観てみた。その個人的な感想をここに記そう。

まず、全編に共通することは合唱の響が素晴らしいこと。CDは未聴だが、録音用のマイクのセッティングではないにもかかわらず(ワンポイント的な収録で)、DVDで聴いてもとても美しい響きである。トリフォニーホールの響きのよさに助けられたということだろう。換言すれば、良いホールで歌えば、マルガツの演奏は一級品たる素地を持っているということだ。私はトリフォニーでは通算80回くらいコンサートを聴いているが、サントリーホールと並んで「歌もの」に適しているように感じる。

さて、第一部「水のいのち」の出来は残念ながら「60点」。本番では、最高の出来と感じていたが、実際聴く立場に回ってみると、色々アラが見えてくる。表情のつけ方、デューナミクは最高だ。実演でも、神尾さんの気持が我々に乗り移ったかのごとく、肌に粟を生じるほどの感動を味わった。しかし、フォルテ部分は迫力満点だが、ピアノ部分は精緻さを欠く。各声部のハーモニーも時として破綻している。人数のバランスが原因だが、ソプラノが突出していることや、一方で頭声が十分出ていないことも気になった。それでも、感動を与えるのは、この「水のいのち」が突出した魅力を持った曲だからであろう。もちろん「60点」はすれすれ合格点だが、さらに完成度を高めて行けたら幸せである。

第二部のヘンデルは堂々とした立派な演奏であったので「80点」。オーケストラも大変な好演で、序曲からしてバイオリンの響がまことに美しい。バロックトランペットの熱演も特筆。「水のいのち」はある意味で「表情付け」が命であったが、こちらヘンデルは整斉としてかつ華やかな形式美がポイントになる。その点、合唱もよく歌いこまれていて格調高い演奏に仕上げられたと思う。

もちろん、瑕がないわけではない。①合唱冒頭の「And the glory」のアルトの出だしが弱い。ここはビビルところだが、神尾さんからも再三注意されていたところだ。②「And He shall purify」はメリスマ多用の難曲だが、バスのそれは団子になって明快に聞き取れない。女声のメリスマは大変美しいのに。③「Glory the God」は華やかに歌い上げているが、ハーモニーの出来不出来が混在。私的にも、自信がなかった部分はやはりダメであった。しかし、「Surely」や終曲の「Worthy」と「アーメンコーラス」はすごく立派な演奏。特に後者はソリスト4人も入っての堂々たる終曲で、感動、ただ感動であった。

ちょっと、かわいそうだったのは、ソプラノソロの時にアクシデントが起こったこと。終演後観客や合唱団員にまで質問されたが、あれはソリストの宮部さんのミスではないのです。DVDでもこの部分はカットして欲しかったなあ。ついでに要望を言うと、プロ機材だから画質は大変良かったが、撮影の仕方が稚拙である。ただ、合唱団を左から右へ、右から左へと舐めるだけ、たまにソリストを追いかけるだけ。これなら私でも撮れる(笑)。藝術映像なのだから、曲の進行に沿って、パート別にクローズアップするような撮りかたをして欲しかった。

第三部はもっともマルガツらしい「オペラ・ガラ」。本当の自画自賛だが(笑)、「90点」はかたい。観客の評判も大変に良かったのは言うまでもない。団員がみな楽しく思い思いに歌っていて、とても雰囲気が盛り上がっていた。一人ひとりの振り付けも楽しい。昨年の藝大アーツでの経験が生きていると感じた。もちろん、合唱の出来も良かった。暗譜に懸念はあったが、みな不安を感じさせない歌いぶりである。

個別には、カルメンが一押し。アルト田辺さんの堂に入った歌いぶり。本当に喫煙所(笑)・・・・いや失礼、タバコ工場から出てきたようなカルメンの雰囲気をとても上手く出していた。ついでで恐縮だが、メサイアでも田辺さんの深く素晴らしい声はホールに響き渡っていた。そして、エスカミリオ原田さんの迫力満点の歌唱とパフォーマンス。合唱団も大変な盛り上がりようでした。

自らの反省も含めて、全体を通しての感想も記したい。譜持ちの「水のいのち」や「メサイア」でも、女声は譜面から顔を上げて指揮者と意志疎通しているのに対して、男声は譜面にかかりきりの人が多いこと。譜面を見っぱなしだと、顔が下を向いてしまい声も遠くまで届かなくなる。逆に、暗譜のオペラ・ガラでは、演技のほかは体が指揮者を向いている人が多く、もったいない。指揮者に演奏を聴かせるのではなく、観客に聴いていただくのだから、神尾さんの言うとおり、指揮者は視界に入る程度で、観客を向いて歌うべきなのである。

それにしても、歌うスタイルは百人百様。首を傾げて歌うMさん。体を斜に構えて格好つけるSさん、高音にくると?顔を上へ向けて歌うSさん、練習時は静かだが本番になると首を左右に振りだすSさん・・・・などなど、なぜかイニシアルSさが多いです(笑)。かくいう私も、家族から「まるで、くいだいおれ・・・・・」だと酷評されました。

こうしてDVDを観ているとあの日の感動がよみがえります。そして、また大舞台で思い切り歌いたい感情を抑えることができません。

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2010年11月24日 (水)

お詫び

昨日付けの記事は諸事情によりいったん削除いたしました。

丸の内合唱団、主催者をはじめ関係者の方々にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

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2010年11月21日 (日)

一音符の恋

The One Note Man・・・・・・「一音符の恋」はなかなか面白い映画だった。

韓国からの出張の帰り、国際線なのでAVのサービスがある。しかし、韓国は近く飛行時間は約2時間余り。長編映画を観ている時間はない。そこで、短編映画のなかから、クラシック音楽に関係ありそうな表題のこの映画をチョイスした。

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上映時間わずか15分の2008年制作のトルコ映画である。機内誌のクレジットによれば「オーケストラの一番奥の列で、誰にも気付かれずに、誰にも評価されない演奏をしているシンバル奏者。観客の女性に恋をした彼は、たった一つの「音符」に真実の愛を託すが・・・・」となる。

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クレジットを読むと、シリアスな感じもするが、実際はユーモアというか、ペーソスにあふれる好短編。オーケストラはドヴォルザークの「新世界」を演奏するのだが、シンバル奏者は真っ白な譜面に、音符が一つ書かれているだけ。本番前の控え室でも、シンバルに飲み捨てのプラスチックコップを置かれたり、女性演奏者がシンバルを鏡に見立ててお化粧をチェックしたり・・・・・笑えます。

ちなみに、ドヴォルザークの新世界交響曲は、全曲を通じてシンバルが地味に一度しか鳴らさないことで有名。シンバル奏者泣かせというか可愛そうな曲です。作曲者がシンバルが嫌いだったとか、恨みを感じていたという説もあるほどだ。

そのうち、演奏会に毎回足を運び、しかも最前列に座る美女が・・・・・シンバル奏者は演奏中は暇なので(笑)、彼女に視線を向けたりして気を引きます。彼女もまんざらではなさそうな様子で、彼を見返します。

ところが、指揮者が使いのものに手紙を託し、彼女に渡しに行きます。そこには「君との関係は終わったはずだ!」との走り書きが。そうなんです、美女は指揮者の愛人で、美女が視線を送っていたのはシンバル奏者ではなく、指揮者だったのです。

でも、そんなことは知らないシンバル君。彼女の気を引くために、シンバル用の金属?で作った音符に求愛のメッセージを書いて彼女の指定席に置いたりするのです・・・・・。「新世界」演奏の途中で、彼は彼女を追って演奏会場を飛び出してしまったり、なかなか波乱に富んだストーリー・・・・・・結末はハッピーエンドでほっとしました。

ユーチューブにおそらく予告編の映像が載っていますのでご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=RyYxrwQovwM

スペイン バリャドリッド国際映画祭特別審査員賞、トルコ シルクロード国際映画祭最優秀賞受賞

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2010年11月16日 (火)

恐るべしK-POPSパワー

読者は「少女時代」や「KARA」をご存知だろうか?

前回に続き、別の韓国ネタを書こうと思ってたのだが、珍しく早く帰宅し、NHKのクロ現(クローズアップ現代)を見ることができた。「韓国アイドル日本上陸の舞台裏」との番組表だったが、韓国ポップスの実態を面白く扱っていた(番組表の表記がおかしいなあ)。

まず出てきたのが、冒頭の「少女時代」と「KARA」だった。日本のランキングを見ていても、最近は上位を占め、韓国美女軍団旋風はとどまる所を知らない。「少女時代」の素晴らしいスタイルと「脚技」には舌を巻くし、「KARA」のケツ(尻)振りダンスにはノックアウトの状態だ。彼女達の歌はフックソングといって、印象的なメロディーに合わせて、同じ単語が繰り返される「刷り込み」効果を狙っている。まさに左ストレート、右フック(笑)のワンツーパンチなのだ。

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ユーチューブです。

http://www.youtube.com/watch?v=vLwSuJSomaY&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=nGhCJezWwu4

番組によると、韓国では幼稚園児の頃からポップスターを目指して歌やダンスの練習に励んでいるという。韓国の受験事情の厳しさはつとに知られるところであるが、ポップスの世界でも子供が深夜まで練習漬けで、家族を挙げてサポートしているというのだ。日本とは鍛え方が違うし、これでは負けてしまう。

興味深いのは、K-POPSを韓国政府が国を挙げてバックアップしていること。韓国の音楽市場は日本の30分の一に満たないという。必然、音楽をアジア各国に輸出しなければ産業として成り立たない。政府はK-POPSを有力な輸出産業と位置付け、資金的なものも含めて支援をしているのである。番組では「少女時代」が一週間で韓国→台湾→日本→シンガポール?へ巡業(笑)する様子を見せていたが、外貨を稼ぐ「金の卵」として政府の支援があってこそなのだろう。また、消費財へのCM出演や、ハリウッドで3Dコンテンツ制作し、サムソンの3Dテレビとセットで販売するなどの秘策も登場していた。

これは、私が今回の韓国出張で感じたことと同じなのである。ものづくりの産業界においても事情は同じで、韓国では産業育成に関わる政府の役割が非常に大きい。いま流行の環境産業においても、政府が綿密な成長戦略を立案し、莫大な補助金を投じる。民間投資家が立ち上げるファンドにも政府が出資するかわりに、特定産業に投資を求められるという構図である。

近年の日本の経済状況から見ればある意味ではうらやましいことである。しかし、30年前の日本ならいざしらず、今のわが国にはもはや韓国と同じことは出来まい。それに、現状の政治の体たらくでは、望むことさえ無理というものだ。

韓国のK-POPSはますます力をつけてくるだろうし、グローバル、特にアジア市場への展開という点では、日本は追い抜かれ、いまでは大きく遅れをとっているとみてよい。産業界全体からみても深く考えさせられる番組であった。

ところで、韓国では「少女時代」や「KARA」のような美女がたくさん居たかって?ソウルに数日間いただけだからなんともいえないが、残念ながら目の覚めるような美女には出くわさなかった。しかし、街中やレストランにいる中年以上のオバちゃんたちと美女軍団はどうも結びつかない。ある人いわく、「韓国の若い女性の多くは整形しているから」だと。そうか、韓国は整形天国だし、整形も韓国の主要産業であると納得した。男としては整形産業の隆盛だけはごめんこうむりたい。

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2010年11月14日 (日)

国内線で韓国へ!?

いくら近いといっても、韓国はいつから日本=国内になったのだろうか?

尖閣や国後など、領土問題が話題になっている折、まさか韓国までが・・・・(笑)。

今月はじめに韓国ソウルに出張に行ってきました。韓国に行くのははじめて。しかも、羽田の新国際空港からです。ところが、チェックインカウンターに到着してみると、トラブルで機材が変更になるとのこと。オールエコノミーの国内機材を使うとの案内があった。これはひょとして、新空港移行によるシステムトラブルか・・・・などと思ったりしたのだが、仕方がない。「国内機材」で韓国に行くことになったのだ。韓国は日本の領土ではないのにね(笑)。

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チェックインも遅延するとのことなので、新国際ターミナルの見物をした。出発フロアはがらんとしているのに、ショップやレストランの入っているフロアは大変な混雑。よく見ると、旅行者やビジネスマンはわずかで、観光客が圧倒的に多い。10月末オープンだから、物見高い人たちがどっと押し寄せているに違いない。

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イベントスペースまであるが、なんで鳥居みたいなものなんだろう?外国人客の受け狙いかなあ。

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ショップはなかなか充実していて、江戸時代の街並みを模した「江戸小路」が面白い。レストランの中には恵比寿の有名?焼肉屋やラーメン店、洋食などなどバラエティに富んでいる。どこの店も列を作って並んでいた。

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物販は、日本のお土産を売る店が中心。京都の手ぬぐいや和装小物を売るお店は洒落ているが、なぜか文具の伊東屋や眼鏡屋まである。待ち時間にメガネを作るような時間はないはずだが・・・・・。

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いずれにしても、待ち時間を退屈させないことは請け合い。屋上にはかなり広いスペースで展望台が作られていて、ここも見物客で鈴なりであった。

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さて、実は韓国出張中に私は誕生日を迎えた。11月3日文化の日である。祝日だから日本中が私のためにお祝いしてくれる・・・・・といつも自慢しているのだが(笑)、休みでも働かなきゃならないのはチョッと寂しい。

でも、思いがけないプレゼントをいただいた。仕事が終わってホテルの部屋に戻ったら・・・・・なんとバースデーケーキが届けられていたのだ。なんというホスピタリティ!生年月日がどうやって分かったのか知らないが、本当に嬉しかった。1人では食べきれないし、一緒に出張した連れを呼ぼうとも思ったが、直前に腹一杯夕食を食べてきたし、彼らはまだディナーパーティーにいるはずなので断念。夜と翌朝にかけて半分いただいた。

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今回の出張の目的は投資セミナーと取引先の訪問。セミナーでは夕食が付いているのだが、そのあとは自由なので、お土産を探しがてら、ソウル一の繁華街ミョンドンヘ。街中で会社の女性へのお土産と決めていたフェイスパックを売っている「フェイスショップ」もみかけた。

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さて、このブログは仕事を報告するのもではないのだが、面白かったので書き留めたいのが韓国証券取引所。ここのロビーにあったオブジェがは、雄牛が熊をやっつけている場面。いうまでもなく、ブルがベアを負かすという縁起担ぎなのだが、低迷が長引く日本の証券取引所にもこれを置いて欲しいものだ。

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