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2010年10月31日 (日)

藝大アーツ~フィナーレ

今日は藝大アーツのフィナーレを飾る「藝大オペラ」。

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昼から、銀行の第九(これもいつかご紹介します)の練習があり、それを終えて丸ビルに到着。幸い着席することが出来た。丸の内合唱団からも5~6名聴きに来ておりほっとする。でも、団長・副団長にも来て欲しいなあ。

演目はプッチーニの「蝶々夫人」である。なぜこの演目なのか?プログラムには「明治から長年、三菱の顧問をつとめたトーマス・グラバーゆかりのオペラである」と紹介されているが、一言補足をしておこう。グラバーが三菱の創業者である岩崎弥太郎と親しい関係にあった(プログラムでは「盟友」)ことは、現在放映中のNHK大河ドラマ「龍馬伝」でも明らかなとおり。実は、「蝶々夫人」のモデルは、グラバーの妻である「ツル」であるとの説があるのだ。ということは、ピンカートンがグラバーということになる。確定した事実ではないが、様々な類似点がある。もちろん、グラバーとツルは「悲劇」にはなっていない。

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ついでに書くと、NHKの龍馬伝は史実に即していないとの批判が強い。弥太郎と龍馬の関係も、もっと後年かつ希薄であったらしい。また、土佐藩主山内容堂だが、酒は大好きだったが、あんなアル中ではないだろうし、歳も勝海舟より下、龍馬より10歳程度年上だから、あんな白髪爺ではないはず。近藤正臣はの演技は上手いが、あれでは性格異常者だと思う。

閑話休題。蝶々夫人の配役は、タイトルロールが佐藤ひさら。わが国蝶々さんの第一人者である。最初は声の出が十分ではないようだったが、中盤からは素晴らしく、また演技力も抜群で圧倒的な存在感。スズキはこれまた当たり役の永井和子。花の二重唱の絶妙な歌いまわしが絶品。スズキは蝶々さんが歌っている間、歌に呼応した細かい演技力の要求される難しい役だが、永井さんは物腰も体の使い方もピタッとはまっていて、本当に感心した。

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登場人物2人、45分間の短縮版であったが、蝶々さんのピンカートンを想う女としてのいじらしさ、わが子を愛する母としての慈しみが普遍的な「悲劇」に昇華していたように思う。客席からは涙を拭う女性が何人も見られた。

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狂言回しには昨年と同じダリオ・ポニッシィ。そして特別ゲストとしてスウェーデン大使大塚清一郎さんのバグパイプという豪華版。

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最後は、出演者に藝大の合唱団も入ってのフィナーレ・・・・オペレッタこうもりから「乾杯の歌」。キリンビール提供のビールを片手に・・・・これは、昨年マルガツが参加した藝大アーツでも歌った歌。私もこらえきれなくなって、立ち上がり客席から一緒に合唱してしまった。瀧井先生や直野先生も目を丸くしていたに違いない。一緒にいった家内からは後で「恥ずかしいことをするな」とこっぴどく叱られた。

再び直野先生との一問一答

直野:「君も一緒に歌いたいんだろ?」

私 :「いや、もう歌ってます、先生」

総合プロデューサーの瀧井先生、お疲れ様でした。そして、大成功おめでとうございました。

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本番開始前に着席のため列を作っていると、すぐ後ろのカップルの話が聞こえた。なんと、丸の内合唱団の話をしているではないか!そして、かつてのマルガツ団長である I さんの話も・・・・思わず声をかけ名のりをあげてしまった。よく話を聞いてみると、その人はテノール歌手志摩大喜さんだった。その後ろの列にはマルガツの団員もいて、話に花が咲く。誰ともいわず団員から、来年の藝大アーツに向けて新しいユニットを作ろうかとの話が・・・・・これも不思議なご縁で指導は志摩先生に・・・・・さて、どうなりますか?

志摩さんのユーチューブです。

http://www.youtube.com/watch?v=cPSK4VCTuvw

http://www.youtube.com/watch?v=RhOYRWl1Vn8

プロフィールは

http://members.jcom.home.ne.jp/amici/shimatai.html

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2010年10月30日 (土)

藝大アーツ~「水のいのち」再び

思いもかけず未知の名曲に出会えた・・・・そんな嬉しい経験だった。

昨日は某合唱団の練習の前に丸ビルに立ち寄り、藝大アーツのリサイタルを聴いた。幸い、丸の内合唱団のメンバーも6名ほど来ており、一応面目がたったかな?

当日は三菱地所賞を受賞した声楽家「佐藤容子」さん「藤井雄介」さんのジョイントリサイタル。

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藤井さんはとても柔らかく美しい声質のリリコ・テノール。まず、その声に魅了される。シューマン夫妻の歌曲集、シューベルトの歌曲を歌った。素人の私が知っている歌はシューベルトの「セレナーデ」(白鳥の歌より)「音楽に寄せて」くらいだが、シューマンの滋味い感情の表出がとても良かった。バッハほかの宗教曲をよく歌っているようなので機会があれば是非聴いてみたい。

ちなみにセレナーデの正式名称(笑)はStandchen(aにはウムラウトがつく)で、この言葉は「立っている状態」を表す。これが曲本来の意味である「恋人のために窓際に立って歌う歌」に繋がるのである。写真は何年か前のラフォルジュルネ音楽祭で買い求めたシューベルトのTシャツ。

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ソプラノの佐藤さんは日本歌曲がお得意で、最初が團伊玖磨作曲の「東京小景」。この曲は、日本で最初の音楽評論家といわれる太田黒元雄の短歌に、團が曲をつけたもので、大正期の東京の街を歌いつづった作品である。短歌だからどれも一曲は短いが、駿河台のニコライ堂、日比谷、銀座の柳から、人形町、よし町などいかにも往時の艶っぽい情景が目に浮かぶ小粋な曲集であった。

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そして、思いもかけない名曲とはじめて出合った。高田三郎作曲、高野喜久雄作詞:歌曲集「ひとりの対話」(全6曲)である。そう、マルガツが今回の定期公演でご披露した「水のいのち」と同じ作詞・作曲である。

一曲目の「いのち」からして全くの高田ワールドである。「水のいのち」を髣髴とさせる音楽の進行や歌いまわし。作者が同じだといってしまえばそうなのだが、同じ「いのち」という曲名も気にかかる。「水のいのち」に再び遭遇する気持さえした。

しかし、この「ひとりの対話」という歌曲集は凄い。とても哲学的で奥が深いのだ。「ひとりの対話」という題名からして、矛盾をはらみ只者ではない。「いのち」から始まり、「縄」「鏡」「蝋燭」と続く・・・・・心無い向きはまてよSM?と誤解されるが(不謹慎なマッチポンプでした・・・笑)。

例えば「たぐることは空しいが しかし たぐらずにいれば もう わたしは だめになってしまいそうな縄」(縄)、「何という かなしいものを 人は 創ったことだろう・・・・・その前で問うものは そのまま 問われるものとなる」(鏡)、「焔は何故 天を指しつつ 焔は何故 下へともえうつるのか」(焔)などなど。こうした詞を読むと、高野は本当にキリスト者なのか、とさえ感じる。

作者は正面から自分自身と向かい合い、自分自身と対話をする。いったい、己とは何なのかと。自分自身を凝視することが、生きる証であるように・・・・・・。しかし、最後の二曲「遠くの空で」「くちなし」に至って、それまでの内なるものから外なるものへと心が開放される・・・「救い」が訪れるのである。東洋的な意味での諦観にも似た、全てをありのまま受け入れる心のあり方。佐藤さんがプログラムに書かれているように「ひたすらに こがれ生きよ」という詞に帰結するのである。

終曲の「くちなし」は単独でも演奏されるようだが、やはり歌曲集全体で聴いてはじめて心に残る歌なのだと思う。往年の名ソプラノ歌手伊藤京子さんのCDが試聴できます。

http://www.7netshopping.jp/cd/detail/-/accd/1300155942/subno/1

ソプラノの佐藤さんは透明感のあるよく通る歌声で、この難曲を見事に歌いきっていた。時に冷徹に、時にエロティックなまでに狂おしく烈しく、そして最後は暖かくしみじみと、曲の深い部分にまで感情移入していたように思う。華のある歌い手だ。

「ひとりの対話」に出会えて良かった。藝大の瀧井先生、ソプラノの佐藤さん・・・・ほかに感謝したい。ちなみに、佐藤さんは妹の寛子さんと2人、藝大美女姉妹(かつ美声姉妹)として有名だそうだ。下の写真の衣装を昨日も着ていらっしゃいました。

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2010年10月28日 (木)

藝大アーツがスタート

今年も藝大アーツin東京丸の内がスタートした。10月26日~31日丸ビルにおいてである。

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我らが丸の内合唱団は、昨年の藝大アーツにトリの「オペラ・ガラコンサート」に出演、藝大のプロ歌手さんたちと共演し、大好評をはくした事は記憶に新しい。今年の定期演奏会のオペラガラも、昨年の藝大アーツ出演の経験がベースになっているのである。下記サイトのトップに昨年のガラコンサートの写真が掲載されています。

http://www.tokyo-event.jp/geidaiarts/

さて、今年のオープニングは例によって藝大宮田学長さんほか、三菱地所さんの重鎮が出席され、三菱地所賞の授与式(音楽・美術)が執り行われた。興味深いのは、そのあとの鼎談企画である。宮田学長、三菱一号館美術館の高橋館長、オペラ歌手の直野教授が「ARTって必要?」というテーマで話が進んだ。ユニークだったのは、わが国を代表するバリトン・オペラ歌手直野先生が、「僕は話をするより、歌を歌う」といって、急遽「アンドレア・シェニエ」(ジョルダーノ作曲)のアリアを歌われたこと。実際はシナリオどおりだったはずだが(笑)、実に素晴らしい堂々とした歌唱であった。

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これを聴いた高橋美術館長は「音楽ってうらやましい。一瞬にして、その場の雰囲気が変わってしまう。美術にはそれは出来ない・・・」などと発言。直野先生は「音楽は瞬間の藝術でたちまちにして消え、後に残らない。だから、もっとナマの音楽を聴くべきだ」とはけだし名言であろう。また、高橋館長は、「明治以降日本(東京)の芸術は上野という辺境の地に押し込まれ、社会や経済との交流を断絶された。三菱1号館美術館は、藝術が街に出た好事例だから成功させたいし、この藝大アーツも社会と藝術の交流という点で大変意義が深い」というような趣旨の発言をされ、感銘を受けた。

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丸の内合唱団は、直野教授と昨年の藝大アーツで共演させていただき(トスカ)、またご指導をいただいた。私はそのとき実行委員をやっていたので、直野先生とは仲良し(笑)。今回もこんなやりとりをした。

30日、31日のオペラが「蝶々夫人」なので、今年の丸ビル舞台には「障子」が立てかけられている。

私 「先生、今年のオペラはいかがですか?」

直野「今年は合唱団(マルガツ)がないから、ちょっと寂しいよ」

私 「よく仰います。でも、障子の舞台セットですから、「しょうじ」ん(精進)してくださいね」

直野「ううーん・・・・・。君ダジャレが好きだったんだよね・・・・・去年の悪夢が蘇るよ(笑)」

直野さんもダジャレが好きなんです。でも、面と向って彼にダジャレをカマす度胸のある歌手さんはいないでしょうけど(笑)。

今日27日夜は藝大アーツで三菱地所賞を受賞した若手音楽家のリサイタルを聴きに行った。本日はトロンボーンの越智さんのリサイタル。超絶技巧曲からポピュラーな編曲まで、トロンボーンの柔らかな音色を満喫できた。

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会場で親会社時代の先輩に遭遇(彼も私も今は関連会社にいます)。これは奇遇だと話し合っていたら、なんとその先輩のお嬢さんが、リサイタルの伴奏ピアニストだったのだ(城 綾乃さん)。今回も私の得意なセレンディピティですかなあ?

会場のピアノは白木(?)のスタインウェイ。なんとも典雅な音色に魅了される。勿論、演奏も繊細かつダイナミックな素晴らしいものであった。

総合プロデューサーの瀧井先生としばし歓談。来年以降も藝大アーツは続くようである。また、マルガツの出演をよろしくとお願いしたら、人数が多すぎるのが困ります・・・・と言われました。さて、どうしたものか。

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2010年10月16日 (土)

念願のシンコをゲット!

念願のマダムシンコのスィーツを食べた。

「マダムシンコ」とは、大阪で大人気のケーキのお店。とても美味しいと評判なうえ、店舗数が少なくレア価値が高いため、大阪人でもなかなか手に入らないという。箕面に本店があり大阪近郊には6か店しかない。大阪市内では梅田大丸にしか入っていないのだ。ましてや、東京人がお目にかかれる機会はめったにない。

http://www.cowcowfoodsystem.com/index.html

作るそばから飛ぶように売れてしまうマダムシンコのスィーツだが、もうひとつ人気の秘密がある。それはオーナーで店名にもなっている「マダムシンコ」こと川村信子の波乱万丈の半生である。彼女は、厳しい家庭環境に反発して18才で喫茶店経営を始める。その後、不動産、高級クラブ、貴金属販売などを経て、東京銀座に「銀座シンコ」を開業。大阪に戻り、焼肉店などの飲食業を敬エイ、2006年に現在の「マダムシンコ」をオープンさせた。

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リッチな洋菓子を手がけているのは、子供の頃貧乏でバウムクーヘンなどの高級なお菓子を食べたくても食べられなかったからだという。いかにも、大阪のオバちゃんだが、そこには経営者としての苦労を重ねた「実」がある。

さて、実際のお味はいかに・・・・・。今回食したのは、バウムクーヘント並ぶ看板商品の一つ「マダムブリュレ」。まず箱が素晴らしい。どうです・・・・ヒョウ柄(ボックスの中も!)のドギツサがいかにも大阪オバちゃんらしいわ(笑)。食べる前に早くもノックアウトです。

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メープルシロップを浸み込ませたバームクーヘンの表面に、フランス産のカソナード(赤砂糖)をタップリまぶして、一気にキャラメリゼしたケーキ。バウム自体もかなり濃厚な味付けですが、キャラメリゼした赤砂糖が飴のように固まり、パリパリと音を立てる食感が面白い。結果として非常にタップリとしたリッチな味わいになっているので、好みが別れるかもしれない。私にはどちらかというとくど過ぎの感じだったが、これをレンジで暖めるとふわっとした食感になるそうなので、機会があれば試してみたいと思った。いずれにしても、ほかでは味わえない「ここだけの味」。いやー、念願の瞬間だった。

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今日は、娘夫婦が遊びに来て、お土産を買ってきた。「八天堂」のクリームパン。広島は三原の歴史あるパン屋さんらしい。これもレア品のようだ。カスタードクリームだけではなく、小倉とか、抹茶とか色々種類があっておいしそう。あすの朝食に食べることにしたので、感想は後日(笑)。

http://www.hattendo.jp/

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午前中、8月に亡くなった伯母の遺品を整理に、大磯に車で出かけた。最大の遺品は伯母愛用の「お箏」。大磯の旧蹟にちなんで、「鴫立沢」という立派な銘が入っている。このお箏はどうやら私が弾く事になるらしい・・・・といっても、リタイアしたら先生に習うつもりなのだが・・・・・できるかなあ?帰りにスーパーでみた「ムール貝」(剥き身)。札を見たところ、チリ産で「無事救出」記念ときた。まったく、商魂たくましいものである。

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2010年10月11日 (月)

藝術の秋を満喫

丸の内合唱団の定期公演も終わり一息ついたので(前2回のブログ見てください)、三連休を使って、娘夫妻と一泊で箱根に出かけた。

土曜日は生憎の雨。9時過ぎに自宅を車で出発、10時半ごろに芦ノ湖に到着。雨なので車の量も少なくスムーズに着くことができた。箱根関所を見学し、蕎麦屋で昼食。次はどうしようと思案していたが、雨が強くなり、アウトドアではなくインドアに方針を定めた。

前から行ってみたかった成川美術館へ。美術館の50mにもおよぶ展望ラウンジから、芦ノ湖全景と富士山を望めることでも有名な美術館だ。悪天候で写真のようにはゆかなかったが、それでも霧につつまれる芦ノ湖の姿は絶品。

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稀代の現代日本画コレクター成川實が収集した絵画は約4000点にものぼる。特に山本丘人のコレクションは有名。当日は、文化勲章を受賞した現代日本画の巨匠達の特集をしていた。加山又造、東山魁夷、平山郁夫などまさに巨匠の面々だが、一番好ましく思った絵は杉山寧の「羊(よう)」。おそらく中央アジアの遊牧なんだろうが、オレンジ~茶を中心とした暖かい色彩と、単純化された羊と羊飼いの造形に永遠性を感じる素晴らしい作品だ(写真はテレホンカード)。

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翌日曜日は、前日の天気予報では夕方まで雨とのことだったが、幸運にも朝方には雨もやんだ。9時半ごろホテルを出て、近くの湿生花園を散策しようと思っていたら、また雨が降ってきた。仕方なく、ポーラ美術館へ予定変更。

この美術館は2002年開館と比較的新しいが、入場料も高いので(笑)、これまで敬遠してきた。先日、丸の内の三菱1号館美術館の高橋館長の講演を聞く機会があり、そのなかで高橋さんがこのポーラ美術館を絶賛していた。これはなんとしても見に行こうということで、足を伸ばした。

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新装の美術館だけに、館内も広々しており、空調や照明にも最新の技術が駆使されている。照明は光ファイバーで美術品の劣化も最小限に抑えられるのだという。

なんといっても驚かされるのは所蔵品の見事さ。総数9500点にのぼるといわれるが、日本人にも人気の高い西洋近代絵画400点、日本近代洋画が280点あり、それが体系的に収集されているのだ。モネ、ルノアールなどの印象派を中心に、レオナール・藤田、ユトリロなどのエコールドパリの画家達、ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌなどのポスト印象派、ピカソを代表とするキュビズムまで幅広く非常に豪華で驚かされる。

丁度アンリ・ルソー特別展をやっていたが、ルソーの収集では日本、いや世界的にも有数らしい。というのも、この美術館のコレクションを一代で集めた、ポーラグループの総帥鈴木常司が私淑していた岡鹿之助画伯が日本におけるルソーの紹介者だったからだ。岡の師匠に当たるレオナール藤田はルソーとも親交があったらしい。「日曜画家」として、一般的には軽く見られるルソーが日本で人気が高いのも岡画伯や鈴木オーナーのおかげなのかもしれない。

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展示された名品の数々にはまさに「垂涎」という言葉がピッタリだが、私が一番感激したのは、大好きなモネのルーアン大聖堂連作(下記ブログ)の一枚がここにあったこと。午後6時の夕日に映える大聖堂の姿は暖かくそしてただただ美しい。

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http://muko-dono.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-9c14.html

今日体育の日は、旅の疲れもどこへやら、コンサートの前に家内が行きたがっていた、日本画の「上村松園」展へ竹橋の近代美術館へ。10時半ごろに到着したら、チケットを買うのに長蛇の列。待ち時間50分だと・・・・・展覧会も今週で終わり、テレビの日曜美術館で紹介されたこともあって大人気である。松園だけに和服の女性もチラホラ。彼女の作品では「序の舞」(重要文化財)が有名だが、実物を見るとどの作品も大判で迫力があることに驚く。初期のいかにも女性作家らしい美人画のたおやかさが、齢を経るにしたがい、凛とした気品を備えてくるところが見所だ。私の好きな能楽に題材を得た作品も多く(草紙洗、花がたみ、砧など)、興味深く見ることが出来た。

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そして三連休最後のイベントが、友人が団長をしている「三菱東京UFJ銀行合唱団」のコンサート。演目はバッハ最晩年の大曲「ミサ曲ロ短調」。まさに名作名演で、2時間半があっという間に過ぎてしまった。それにしても、あれだけ精緻なバッハの大曲を歌いこなすのは大変だったろう。1年に及ぶ練習の成果である。

出だしのキリエからしてグッとひきつけられる。これは凄いなと直感。合唱の各パートのバランスが絶妙で、実に上手い。クレドの8番洗礼の合唱部分も同様で、通奏低音だけの実質アカペラだが、素晴らしくきれいであった。こうした静謐な部分の絶妙さが引き立つ一方で、グロリアやサンクトゥスなどのオーケストラとのトゥッテイの部分はパートの縦軸をあわせるのが大変で、いささか「混沌」としていたのが惜しい。

来年2月に銀行合併5周年を記念して、サントリーホールで銀行合唱団・銀行オーケストラの「第九」合同演奏会が予定されているが、私もグループの一員として合唱に出演します。

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2010年10月 5日 (火)

ゾクゾクと感想が・・・・

昨日は、丸の内合唱団 第一回定期演奏会の私なりの感想をブログにアップした。休み明け、会社に行ったら、パソコンに多くの方から感想が寄せられていたので、紹介したい。

以下匿名です。

①元マルガツ団員(女性)
丸ガツはギリギリまで練習して本番で大成するパターンが定着しているようです
ね(笑)。しかし、そうだとしても今日の演奏会は特別に素晴らしかったと思いま
す。皆さんイキイキと輝いて楽しんでいらっしゃいました。
またプログラムも楽しく、オペラでは思わず曲に合わせて手拍子してしまおうと
おもったほどです。
これから益々発展する合唱団ですねー。応援しています。

②元マルガツ団員(男性)
良い構成でマルガツらしさが出ていました。何より、合唱団が皆さん楽しんでおられ、聴衆も楽しめました。集客力も驚きです。

③友人の合唱団団長(かつて助っ人としてマルガツに参加)
お世辞抜きによかった(v^-゜)ですね。神尾先生の企画、演出に団員の得意分野が
重なった第三部は皆さん楽しそうでした。メサイアは幾分後半エネルギーが切れかけていたかもしれないです。水のいのちはやはり名曲です。演奏会で聞いたのは十年ぶりかもしれないです。名曲は色褪せないです。

④マルガツがクリスマスコンサートでお世話になっているホテルの役員さん
「水のいのち」・・・何時聴いても美しい曲です。終曲などは聴いていて鳥肌が
立ちました。 残響の豊かな素晴らしいホールの特性を活かして歌われていて、言葉もはっきりと聞き取れました。
アルトの最前列一番テナー側の方が、殆ど楽譜を見ずに上を向いてホール客席
の一番奥に届くように歌われていたのが印象に残りました。
他にベースの方で完全暗譜で歌われていた方もいらっしゃいました。
「メサイヤ」・・・第2部辺りから皆さんの声が出てきたように思います。そして
ハレルヤを経てフィナーレまで一気に盛り上がりました。
アルトソロの田辺さんの艶のある響きが素晴らしかったです。

⑤仕事上の友人社長。会社のオケでクラリネットを吹いている。
演奏会が終えて錦糸町に向かう道で、 「あの人たち、幸せよねぇ」という素直な声が聞こえました。 私も、皆さんが楽しそうに唄い、演じられているのを拝聴、拝見し、とても羨ましく思いました。 職場も、多分生活環境も多様なあれだけの人々を
まとめあげて、ああいう大掛かりな演奏会に持っていった事務局の方々は大変だったと思います。
でも、音楽が好きで集まった仲間で貪欲に楽しもう、その世界に浸りきろう、という気持ちが伝わってきて、本当に素晴らしい演奏会になったと思います。また次回も伺いたいです。

いやいや・・・・全く嬉しくて・・・・泣けてくるようなコメントですね。勿論、手厳しい感想もありました。男声の数が少ない(これはどうしようもない)。表情が暗い(顔の話)。口を立てに開けて歌っている人が少ない。指揮者とオケのタイミングがずれている・・・・などなど。でも、これらの感想も、マルガツにもっと上手くなって欲しいとの期待なのだと思います。

次の12月23日水天宮ロイヤルパークホテルでのクリスマスコンサート、そして恒例の年末大晦日の「第九」ガラコンサート(丸ビル)に向けて頑張りましょう。

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2010年10月 3日 (日)

神尾マジック

昨日、第一回丸の内合唱団の定期公演が大盛会のうちに終わった。

いつも間に合うのだろうか・・・・と練習の際もハラハラさせる丸の内合唱団(マルガツ)だが、本番となると120%の実力を発揮する。仲間内では、「神尾マジック」と呼ばれているが、もちろん「マルガツマジック」でもあるのだ。昨日打ち上げで神尾さんとも話したことだが、このプログラムを舞台にかけるには通常は1年位の練習期間が必要となる。しかし、マルガツは半年弱でこなしてしまうのだ。

こんな芸当が出来るのも、男声はともかくとして、女声は若い団員が多いため吸収力が大きいのと、柔軟性に富んでいるからではないだろうか?神尾さんの指示に的確についてゆける資質があるのだ。

昨日の第一回定期演奏会の特徴は構成の素晴らしさにある。これは、多くのお客様や関係者が絶賛していたことである。三部構成で、日本の合唱曲、宗教曲、そしてオペラという充実した内容。マルガツOBの「ももたろうブログ」によれば「牛丼大盛り、ツユダク」となるが、ボリュームはとにかく構成の多様性が類をみない。

東音企画の渡邉さんやユニフィルのトランペットの名手(お名前存じ上げません)も口をそろえて指摘していたが、メサイア=宗教曲のあとにオペラをやるなんて聞いた事がないそうだ。捉えようによっては、余りにも節操がない・・・・という事にもなろうが、これは褒め言葉として受け止める(事実そうである)。

改めて考えてみると、今回の日本合唱曲=宗教曲=オペラという構成は、マルガツ5周年という節目に迎える初めての定期演奏会に大変ふさわしいことに気付く。マルガツ草創期(混声)から関わっている私としては、年末第九は別にして、最初は日本の歌(ふるさとの四季)、次の年度からは宗教曲(シューベルトのミサ曲、バッハのモテット)、そして昨年はオペラガラコンサート(藝大とのコラボレーション)という、マルガツの歴史に思いを馳せる。今回の構成はマルガツ5年の歴史を辿り、その集大成と考える事が出来るのだ。

この構成を企画する時に、そうした意図があったかどうか不明であるが、期せずしてそうなったのであれば、大変意義深いことであるといえよう。ここで一区切りを終えたマルガツがこれからどこへ向って飛躍してゆくのか、一団員としても極めて関心の高い事柄である。

さて、定期演奏会の個人的な感想を少々述べよう。

全体を通しては、まずトリフォニーホールの響の素晴らしさ。私は新日本フィルの定期会員なので月一の頻度でトリフォニーに通っていて、その良さは認識していた。しかし、実際舞台で歌ってみると、エコーが大変心地よく、力まずに歌うことが出来たような気がする。響きの良さは、あるいは、サントリーホール以上かもしれない。

そして、1000名を超えるお客様がお見えになったこと。舞台に上がる前にどのくらいの「入り」なんだろうかと心配していたが、一階席はほぼ満席でビックリした。聞くところによると、開演前には300人もの行列が出来ていたらしい。やはりお客様が沢山いると、歌い手も楽しいし、やる気が出るのものだ。今回の公演はお客様の声援に励まされた気もする。

第一部:水のいのち

実は、今回の定演の曲目の中で「水のいのち」が一番難しいと思っていた。とても繊細でかつ表現の幅の大きさを求められる。出だしの歌なので、萎縮してしまうのではないか・・・・などなど心配だったが、それは杞憂に終わった。おそらく、今までで最も良い出来ではなかったかと思う。勿論、直前の練習ではかなりの完成度に達していたが、ホールの響を上手く生かせた演奏が出来たと思う。神尾さんの思い入れタップリの指揮も、団員の感情の表出を上手く引き出してくれてとても素晴らしかった。パート単独の危ない箇所では、神尾さんが一緒に歌ってくれて我々をリードしてくれた。私の親会社の合唱団団長も「10年ぶりに聴いたが、名曲は色褪せない」とのコメント。

第二部:ヘンデル「メサイア」

勿論全体としては上手く歌えたが、充分というレベルではなく、個人的には悔いが残る演奏。宗教曲の様式を守りつつも、合唱の思いを充分に伝えられなかったということか?50分という長丁場を気にして、ちょっとお行儀の良すぎる演奏だったのかも知れません。アクシデントがあったのも残念。しかし、ソリスト、オケやチェンバロ(オルガン)との共演はとても心地よいものだった。上記の団長さんのコメントも「後半エネルギー不足気味」というものであった。

第三部:オペラハイライト

まさにマルガツの本領発揮の舞台。神尾さんが言っていた「団員一人ひとりが主役」というコンセプトを地で行くような演奏だった。それまでの、緊張から解き放たれて、団員の個性が発揮されつつ、全体としても堂々とした力感あふれる演奏だったように思う。団員一人ひとりの自発性に富んだ身体のふりつけ=演出もマルガツならではのものか。多くの方から賛辞をいただいたのも嬉しい。特に最後の「カヴァレリア・ルスティカーナ」が印象に残る。「オレンジの花は香り」では女声の優美さと男声の純朴な力強さが対比されてとっても気持ちよく歌えた。また、「レジナチェリ」では前半の敬虔な祈りと後半の各パートが力強く絡み合う部分の対照が素晴らしく、まさにオペラ合唱の醍醐味を味わった。

余談になるが、カルメンの「ハバネラ」で、ソリストの田辺いづみさんが、なぜか私に身を寄せてきたので、思わず後ろから手を添えて抱きしめる格好に・・・・・これは、直前にピアノのミナエせんせが大声で、「ソリストが近くに来たら体に触れること」とまさに「お触れ」(笑)を出していたので、私もそれに従っただけであります。皆様誤解のないように・・・・・。そのときの神尾さんの笑顔が忘れられないし、DVDが楽しみでもあります。

最後に、今回の演奏会を成功に導いた、役員の方々、ソリスト、オーケストラ、団員、お手伝いの方々、なにより神尾先生、田辺先生、ミナエ先生に御礼を申し上げます。

終わってみれば、素晴らしい演奏会でしたが、現時点で素晴らしいということで、アマチュアとしても到達点はまだまだ先で遠いと自戒します。でも、評論家的にアラを指摘されても始まらないし、丸の内合唱団がフツーの合唱団ではなく、マルガツたる良さとは何なのか?・・・・それを突き詰めてゆくことのほうが大切だと思います。

私の愛する、いや皆さんの愛する丸の内合唱団のこれからに期待していますし、それを作るのは皆さん団員1人ひとりの声なのです。

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