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2010年4月20日 (火)

メサイアはここで生まれた!

いよいよ5月3日、ラフォルジュルネで丸の内合唱団が「メサイア」を歌う。

先般、イギリスに行ったおり、時間を見つけてヘンデルハウスを訪ねた。ヘンデルハウス(Handel House Museum)はロンドン市内にあるヘンデルの住居跡に作られている。ロンドンといっても広大だが、ブルック・ストリート25番地というから市内も市内、ウエストエンドの中心地である。

http://www.handelhouse.org/

ヘンデルはここで1723年から亡くなる1759年まで暮らしていたのだ。木造4階建て。思いのほかワンフロアーは狭くせせこましい印象だが、ヘンデルは音楽家として成功し裕福であったから、これでも当時は立派な住居だったのだろう。上の写真は表通りから。入口は裏通りにある(次の写真)。

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当時の家具やベッド・・・・もちろん楽器も陳列されている。というか、当時のままに再現されていて、いまでもヘンデルが住んでいるかのようだ。ヘンデルの自筆の楽譜や当時の書物、絵画などが飾られていて雰囲気万点である。

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ヘンデルはここであの「メサイア」や「王宮の花火の音楽」などを作曲したのだ・・・・と思うと感慨に堪えない。マルガツの「メサイア」でも、ここヘンデルハウスを思い出して歌いたい(笑)。

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幸運なことに、部屋を巡ってゆくうちに、大広間(といっても20畳もないくらい)=当時のリハーサル・ルームでミニ・コンサートをやっていたのだ。ハープシコードとソプラノによる独唱。ハープシコードはBridget Cunningham イギリスの中堅女流のようだ。解説も交えながらヘンデルのハープシコード曲集から数曲を抜粋して弾いてくれた。もちろん、あの「調子の良い鍛冶屋」もである。ハープシコードはリュッカース・モデル(レプリカ)。部屋が狭いこともあるが、その音色・響はあるときは優雅に、そしてダイナミックに胸に迫って離れない。ハープシコード伴奏の独唱も美しい。オペラアリアから数曲。歌劇「リナルド」の名曲「私を泣かせて下さい」には感動した。下記動画はカニンガム本人のハープシコード。リナルドは別歌手の参考動画です。

http://www.youtube.com/watch?v=ABLb3ls2m_g&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=RcP83h9AQmc

ヘンデルハウスでのひと時・・・・なんとも贅沢な時間であった。ショップで神尾先生にはメサイアの解説本、ミナエちゃんにはメサイア自筆のトートバッグを買い求めた。

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面白いのは、ヘンデルの住居の隣の建物に(といってもくっついている)伝説のロックギタリスト、ジミ・ヘンドリックスが住んでいたこと。ジミはあえてヘンデルの隣を意識したのかどうかは分からないが、通りから見ると、2人の偉大なミュージシャンのプレートが並んでいるのが不思議な感じがした。

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2010年4月 8日 (木)

合唱指揮者・・・ほど素敵な商売はない!?

このところ出張が多い。今週も火曜日から今日木曜日まで、泊まりを含めて三日連続出張。火曜は京都の大学訪問、水曜日は富士宮と名古屋の取引先訪問、今日は浜松の大学で講義をしてきた。まさに東奔西走ならぬ「西奔西走」の毎日である。本業も大変厳しい状況で、ブログがご無沙汰になってしまった。

さて、前回予告したイギリス出張の時の「偶然」について書こう。合唱指揮者についてである。海外出張の苦しみでもあるし、楽しみでもあるのは飛行機での過ごし方。12時間も乗っていると体が硬直してくる。そうした苦しみの中で、機内での映画上映が唯一の楽しみ。今回も往復で何本か見たわけだが、興味深かったのが「The Choir」という合唱指揮者の奮闘振りを描いたドキュメンタリー番組であった。もちろん、合唱を嗜んでいる関係から見てみようという気になったのだが、飛行機がヴァージンだったので当然英語原典版。でも、大体の筋書きは理解できたのだ。

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この映画の粗筋をただ話すのでは、「偶然」にならない。実は、帰国して何気にテレビを見ていたら、同じ番組をやっていたのだ!これはやはり「偶然」以外の何物でもない・・・・いや、このブログの読者の皆さんなら、「引きの強い」私の場合は「必然」と思うかもしれない(笑)。日本での題名は、The Choir=「響け 町の歌声」になっていた。

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1975年生まれのギャレス・マローンは名門ロンドン交響楽団の合唱指揮者として活躍していたが、ロンドン近郊にある寂れた小さい町、サウスオキシーを指導に訪れる。サウスオキシーは第二次大戦中ロンドン大空襲で焼け出された人たちが移住して作った新興の町だが、周辺の町の住民から差別を受け、サウスオキシーの町の人々は自分達の町に誇りを持てないでいた。

なんとか町や住民を活性化したいとの願いから、ギャレスが招聘され8ヶ月の契約で町の合唱団を作ることになった。促成栽培の合唱団、しかも老若男女年齢も階層もばらばらでまとまりがつかない。合唱団員一人ひとりも自信が持てない。そん中、ギャレスが力を尽くして合唱団を一つに纏めようとする苦闘の日々。

最終的には、いまは廃止されている町のフェスティバルを復活させ、会場の野外ステージで街中の人に合唱を聴いてもらおうと考える。その準備として選んだのが、合唱団のレコーディングである。レコーディングすることで、合唱団のまとまりを図り、またレコーディングした音楽を街中に放送してイベントへの期待感を上げてゆくという手法である。レコーディングの場所は、なんとあのビートルズの「アビーロードスタジオ」!これには合唱団員も大喜びで、団結力も最高潮を迎える。

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さて、イベントの本番当日はあいにく朝から雨。でも、250人の合唱団の情熱が勝ったのか、そのうち雨も上がり本番では熱唱の渦の中に・・・・・・・こんな具合で大団円を迎えるのであります。終演後、合唱団員は涙なみだ、連れ合いに先立たれた老人から小学生にいたるまで感激の嵐。ギャレスに抱きつく人も多数。一方、街中の人が聴きにきたとも思える沢山の聴衆も、ブラボーの嵐で、サウスオキシーの町を誇りに思う・・・・といった発言が相次いだ。

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こうして言葉を連ねても、百聞は一見にしかず。DVDにダビングしたので興味のある方は私までお申出ください。本当に感動モノです。

私がこのドキュメンタリーに感動したのは、丸の内合唱団での体験の類似性があったことも大きいと思う。ネットで調べてみたら、サウスオキシーを舞台にしたこの番組は4回の連続もので、小学生からボクサー仲間、老人達にいたるまで、それぞれ様々な、普通の合唱団では味わえないようなイベントを通して、合唱団員の出会いや一体感、町の住民としてのまとまりを図ってきたところに面白さがある。これは、まさに「丸の内から音楽文化を発信する」マルガツの世界と一緒なのである。特に、アビースタジオでの収録の場面は、マルガツがわずか数週間の練習で臨んだ「フランク永井CDレコーディング」。そう、あのビクター青山スタジオでの収録に生き写しなのである。丸の内合唱団の創生期から昨年くらいまで、イベントの企画に携わった私としては、感無量の「偶然」の出来事。いや「見るべくして見た」ドキュメンタリーであった。

それにしても、合唱指揮者の仕事は大変だ。合唱のテクニックは言うに及ばずだが、まずもって団員の心を一つに纏め上げる人間性、そしてカリスマ性が不可欠である。そして地方自治体やその住民までも動かす情熱と行動力も欠かせない。マルガツでお世話になっている神尾さんも全く同じだと思う。丸の内合唱団は創立5年目を迎えた今、役員は勿論のこと団員各位もそうした意識を持って欲しいものである。

この番組の主人公ギャレスは、いまや英国ではカリスマ合唱指揮者なのだそうだ。ぜひ、下記の番組のホームページなどを見ていただきたい(番組ではちょいとお兄っぽいオタクな感じだが、wikipediaの写真は別人のようにカッコいい)。

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/100212.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3

http://www.bbc.co.uk/sing/choir/videos.shtml

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