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2009年10月30日 (金)

必見!藝大アーツ:声楽講座

このブログの後半に、声楽を学習している人にとってのポイントが書いてあります。最後までお読みください。

いよいよ明日が藝大アーツの本番である。
25日から、三菱地所賞受賞者を中心とした様々なコンサートが丸ビルで行われているが、特別コンサートである多田羅教授のコンサートに出かけた(前回ブロ
グ)。

演奏曲目は、シューマンの「詩人の恋」とブラームスの歌曲集。「詩人の恋」は私
の大好きな歌(リート)だ。シューベルトの三大リートのあとを継ぐ、ドイツリー
トの傑作。若い詩人の恋愛から失恋にいたる生き生きとした感情がみずみずしい歌の中からこぼれ出てくる。もともとは若い詩人=テノールが歌うことが多い
が、最近はバリトンの歌手も多く歌っているようだ。なにせ、特に日本でも人気の
高いシューベルトの「冬の旅」をメゾソプラノやアルトが歌う時代なのだ。

多田羅さんはやや声の調子が悪かったのか、高音域が割れ気味であったが、深い情感を漂わせる素晴らしい歌唱に浸ることができた。なにより感動したのは、ディクション(発音や発生の歌い口)のすばらしさ。きわめて明瞭で、ドイツリートの歌い方のまさにお手本である。一緒に聴きにきていた丸の内合唱団の同僚と顔を見合わせて感激した次第。多田羅さんのお弟子さんは幸せである。後半のブラームスの歌曲集では、声の調子も戻り、ブラームス特有の深く暖かい情感たっぷりの名歌唱を聴かせてくれた。

その後の企画がユニーク。声楽にかかわるQ&Aコーナーで、ネットで公募した質問に多田羅さんが答えるという試み。嬉しいことに、たくさんの公募者の中から私の名前も呼ばれた。私の質問は、「練習で声域を拡げることができるか。特に高音域を」というもの。

多田羅さんは、声の基本は体全体を使うこと。そのためにはスポーツなどによ
り、体全体を鍛えることが大事だと話された。そして、より高音域を出すことについては、この会場に来てくれた人だけに「秘訣」を教えてくれた。それは・・・・いや
ここでうかつには話せない。多田羅さんが長年にわたる経験と、教育指導によって見つけられた「秘訣」だから。でも、ヒントぐらいはお許しいただけるだろう。そ
れは・・・・スタッカートである。勘のよい読者諸氏はもうお分かりかと思うが。

最後に、多田羅さんにとって、秋を感じる歌はなにかという質問。多田羅さん
は、季節の秋とともに人生の秋を感じる歌をご紹介された。さすがである。その歌
は、モーツァルトの「夕べの想い」K523である。

「夕べが来た。太陽が沈み、月が銀の光を放つ。
 私は人生の旅を終え、やすらぎの国へと旅立つが、
 あなたが私の墓で涙を流すとき、貴方を天国へと吹き送ってあげよう」。

まさに、人生の秋・・・・である。先生はシュワルツコップの名唱を特に推薦され
ていた。
彼女の情知バランスのとれた気高く美しい歌唱に勝るものはないだろう。

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