傑作!天使と悪魔
話題の映画「天使と悪魔」を観にいった。
いやー、面白かった。シリーズ一作目の「ダヴィンチ・コード」も良かったが、「天使と悪魔」も素晴らしい映画だ。前作は読んでから→観るだったが、新作は読まずに→観るで、ストーリーも分からず。しかし、息もつかせぬ展開で、アクション場面も多く、ハラハラドキドキ。数時間の出来事を追ってゆくストーリーで、人気ドラマ24(トゥエンティー・フォー)にあやかったのではなかろうか。スジを話してしまうとネタバレの危険があるのだが、最後のドンデン返しが凄いとだけ申し上げよう。
そもそもイコノグラフィー(図像学)の好きな私としては、トム・ハンクス扮するラングドン教授の専門分野が、宗教象徴学ときたひにゃ堪えられません。これは、ダヴィンチコードも同じ。さらに、四大元素に倣った殺人事件が連続するのだが、これはミステリーでいうところの「見立て殺人」。横溝正史でおなじみのアレです。かつてミステリーファンだった私にとっては大変なご馳走です。
そして、私がこの映画を好きになった最大の理由は、ローマの歴史建造物がふんだんに登場すること。とりわけ、イタリアバロック建築の寵児、ベルニーニの建築・彫刻が謎を解く鍵になっていることである。ベルニーニの作品は大好き。かれこれ10年近くなるが、ツアーでイタリアに旅行した時に、自由時間を利用してベルニーニやボロニーニといった、バロック建築・彫刻の粋を観て回ったほどなのである。
映画「天使と悪魔」には、このベルニーニの建築が沢山出てくる・・・・・というか、それほどローマはベルニーニの作品で満たされている。当時のローマ法王をして「ベルニーニはローマのためにある」と言わしめたくらいである。映画でも、ヴァチカンのサンピエトロ広場の列柱回廊、サンピエトロ大寺院のバルダッキーノ(天蓋)、ナヴォーナ広場の「四大河の噴水」、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会・・・・などなど、昔の旅行が思い出されてとても懐かしい。ヴィットリア教会には彼の代表作である「聖女テレーザの法悦」がある。金の矢を持った天使がテレーザの心臓を突き刺し、テレーザはその激しくも甘美な痛みに恍惚となる・・・・という極めて宗教的でありながら女の性を感じさせる彫刻は非常に印象的である。
もう一つ挙げると、ヴァチカンの「コンクラーベ」。ローマ法王が死去した後、世界各地の枢機卿がヴァチカンに集まり、次期法王を選挙するカトリック信者にとっての一大イベント。カトリック・シンパの私にとっては興味津々である。そして、これも大好きな?秘密結社である。以前このブログでもフリーメーソンを採り上げたことがあるが、今回出てくるイルミナティはフリーメーソンの弟分(後継者)に当たるのだ。
前作のダヴィンチコードの時も、「宗教観に反する」としてカトリック教会の大反対があったのは記憶に新しいが、それに懲りず、今回の「天使と悪魔」はなんと大本山のヴァチカンに乗り込み、そこを舞台にしているのだからアッパレというほかない。案の定、教会からは撮影を拒否され、多くの建造物はセットを作ったという。モーツァルトがミサ曲を一度聴いただけで暗譜した・・・・いやそれ以上にミケランジェロの壁画で有名なシスティーナ礼拝堂のセットなどは、大変な労力をかけたに違いない。それだけをもってしても、驚きを禁じえない。
いずれにせよ、「天使と悪魔」は私の好きなものが満載で、面白くないわけがない。そうでない人でも、ストーリー展開だけで十分観る価値があると思う。
最後に、ネタバレにならないように・・・・・・最初の5分で怪しいと思っていた人物が、犯人だった・・・・・どんでん返しの末の結果論ですがね(笑)。
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