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2008年1月14日 (月)

北斎とサンデーコンサート

北斎展と日フィルのサンデーコンサートに行ってきました。両方ともタダ券(ご招待)なので、大変得した気持ちです。

Photo 北斎は両国の江戸東京博物館の特別展です。家内も娘もこの博物館に行ってみたかったとのことでしたので、丁度よい機会で引率してきました。北斎は富嶽三十六景や北斎漫画など版画で有名ですが、実はわが国で最も早く西洋画法を研究した画家でもあります。長崎のオランダ商館から、版画ではない肉筆の風俗画(民衆の生活)を依頼され、多数作品を残しています。その多くがシーボルトなどによって海外に持ち出され、オランダ国立博物館やフランス国立図書館のコレクションになっているのです。今回の展覧会はこれら肉筆画の初めての里帰りという画期的な企画で、見ごたえ十分でした。それにしても、北斎のシュールともいえる絵の構図、対象の本質を掴み取る眼力には驚かされます。しかも当時としては驚異的な90歳まで長生きして、死ぬ直前まで描き続けたバイタリティと向上心には頭が下がります。今月27日までやっていますので、ぜひご覧ください。

両国に来たのだから、昼食はちゃんこをチョッと食べようということで、三軒訪ねましたがどこも満席。外食チェーンの江戸沢でさえ一杯なんです。おそらく、大相撲初場所の初日だったので混みあっていたのでしょう。仕方なく娘のリクエストで中華を食べました。

Photo_3 さて、次は日本フィルのサンデーコンサート。小林研一郎の指揮で池袋の東京芸術劇場です。この日は新年初めての東京公演ということで、華やかな曲目が並んでいました。一曲目はレハールの「金と銀」。金さん銀さん(古い!)ならずとも、おめでたい曲ですが、華やかさと情感にあふれた大好きな曲です。コバケンの指揮はテンポを柔軟に動かした巨匠風?なもので、こんな小品でも「唸り声」が聴こえます。我らがコバケンにとって、どの曲も一生懸命なのでしょう。二曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲k488(23番)で、ピアノは仲道郁代。k488はモーツァルトのピアノ協奏曲中で私が一番好きな名曲。仲道さんのピアノはもちろん素晴らしいのですが、第一楽章はオケとの間合いがもう一つのように聴こえました。この曲、チャーミングな名曲ですが演奏は難しいのです。さらさらと弾くと表層的な感じになってしまうし、逆に思い入れすぎると流れなくなり不自然な印象を与えてしまう。近年の仲道さんは、演奏中も口でブツブツ言ってみたり、オケを指揮するしぐさをしてみたり、大変情感豊かな演奏をしますが、第一楽章はちょっと後者に寄った演奏のような気がしました。でも、第二楽章は素晴らしいの一語。テンポを落として、しみじみと慈しむような哀しみの歌が紡ぎだされます。デリケートでいて、しかも格調高い最高の演奏でした。コバケンの解釈も文句なし。第二楽章の終わりに、弦が上下音する神秘的な部分があります。近年の自筆譜による研究成果で、ヴァイオリンはピチカートではなくアルコで弾くことが一般的になっていますが、これでは神秘的かつ暗い情感が出てきません。コバケンは旧来のピチカートで演奏させ、ドキドキするような雰囲気をとても上手く演出していました。

最後はサンサーンスの交響曲第三番。いわゆる「オルガン」交響曲です。オルガンは井上圭子。東京芸術劇場は、パイプオルガンがバロックとロマン派の二種類ある贅沢なホールです。この曲には当然ロマン派のオルガンを使います。この曲でロマン派のオルガンは私も初体験。はたして、とても豊かな響きに魅了されました。三階席で聴いたせいか、オルガンとオケがよくブレンドされて、ホール全体が鳴っているのを実感しました。また、特に緩序楽章の日フィルの弦セクションは非常に美しく、まさに天国の歌の趣。

アンコールは、なんとカヴァレリアルスティカーナの間奏曲でした。しかも、オルガン入りのヴァージョン。考えてみると、このオペラの舞台の一つが教会ですから、本来はオルガンが入るのでしょう。通常版でも美しい曲ですが、オルガンが入ると、敬虔な雰囲気が醸しだされ、例えようもなく悲しく美しい響きになります。これでおしまいと思いきや、恒例のコバケンの「おしゃべり」があって、「オルガン交響曲のフィナーレ1分10秒(笑)」のアンコール。うーん、コバケンって日本、いや世界的にも数少ない巨匠の一人だと思いますが、とてもサービス精神旺盛で気さくなんですね。恐れ入りました。

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