異形(いぎょう)の「運命」
いやー、驚いた。そして、めちゃくちゃ楽しかった。感動したかは別として・・・・・「運命」、そうベートーヴェン第五交響曲である。
合唱団員にはネタバレだが、ある方からコンサートのご案内をいただき、サントリーホールに出かけた。仕事が遅くまであったので、後半からしか聴くことが出来なかったが。プレトニョフ指揮のロシア・ナショナル管弦楽団のサントリー公演で前半がベト7で後半が運命。
休憩時間に舞台を見ると、最近では珍しくなくなった「対向配置」。そう、このブログでも何回か紹介した、バイオリンが第一、第二と左右に分かれる配置のことである。これは、ビブラートを抑えたピリオド奏法で、颯爽と演奏する、流行のスタイルかと思い込んでしまった。
ところが、である。全く期待を裏切られた。といって、ドイツ伝統風の重々しい解釈でもない。なんと言ってよいか、本当に「変な」音楽なのである。第一楽章の出だしからして、なんて遅く、重いのだろうとビックリさせられる。確かに全体に遅めの運びなのだが、テンポがくるくる変わる。さらに、オーケストラ、特に弦楽器がテヌートかつマルカートで、これでもかと弓を一杯に使って弾きまくる。インテンポで推進力に富んだ音楽に慣れた耳には、なんとも居心地の悪い演奏なのである。
しかし、ここまでやりたい放題徹底してやられると、すごく楽しくなってくる。指揮ぶりは無骨で細かな指示も出していないように見えるが、聴こえる音楽は変幻自在なのである。チャイコフスキーなどお国柄のロマンチックな曲目ではフィットすると思うが、ベートーヴェンの音楽とは似て非なるもの。噂によると、逆にロマン派はインテンポで指揮したりするらしいから、彼には時代考証なんて関係ないのだろう。作曲家○○の音楽ではなく、まさにプレトニョフの音楽である。ここまでくれば、喝ではなくアッパレを差し上げたい(笑)。このブログのサイドバーのMixpodを聴いてほしい。
それにしても、オケはやはりロシアのオケ。なんとも音がデカイ。金管はいうに及ばずだが、弦楽器の隆々たること。特にチェロの豊かで豪放な音、ビオラの深い響きは日本のオケでは絶対に聴けない。快感そのものである。アンコールに、バッハの「G戦上のアリア」が演奏されたが、通常の編曲とは異なり(ストコフスキー編曲?)、チェロを思いっきりフィーチャーしたもの。おそらくこのオケのチェロが自慢なのだろう。
こんな演奏はめったに聴けるものではない。感動はしなかったけど、めちゃくちゃ楽しかった。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2)































































最近のコメント